ソロモンの偽証 前篇・事件 : 特集
鉄板原作:宮部みゆき×日本アカデミー賞監督×選ばれし33人の中学生
「ミステリー映画ファンはもう、本作を見ることになっている」──
映画.comも後編が待ち切れない!!
宮部みゆきのミステリー巨編「ソロモンの偽証」が、「前篇・事件」(3月7日公開)、「後篇・裁判」(4月11日)の2部作となってついに映画化。成島出監督ほか、国内主要映画賞30冠に輝く「八日目の蝉」チームが再結集し、超大作ヒューマン・ミステリーを作り上げた!
■公開直前試写会レポート! 映画ファンたちが本作=“裁判”の一部を傍聴(鑑賞)!
70名の“傍聴人”たちは、何を見、聞いたのか!?
傑作ミステリー巨編を、日本映画界屈指の実力派スタッフが映画化した「ソロモンの偽証」。全2部作のうち「前篇・事件」の独占試写会が、2月19日に開催された。事件の渦中にある中学生たちが挑む“裁判”の前半に、“傍聴人”70名が立ち合ったが、鑑賞後は多くの人から「後半を早く見たい!」と待ち望む声が上がった。果たして彼らは、本作で何を目撃し、何を感じたのか。試写会アンケートのコメントから、本作の高いクオリティが浮かび上がってくるはずだ。
■この面子を前にして、冷静でいられる映画ファンはいない
こだわりにこだわった原作、製作陣、キャスト──ミステリー映画、史上最強の布陣
“指折りの傑作”と称されたミステリー小説に、映画賞で高く評価された監督ほかスタッフ陣、そして実力派キャストとなれば、映画ファンならその並びを眺めるだけで、「見たい!」という気持ちがうずうずと湧き上がってくるはず。「前篇」と「後篇」の2部作として完成した「ソロモンの偽証」は、どれひとつとして欠けてはならない、かつてないほどこだわり抜かれた要素が奇跡的に集結した注目作だ。
原作は、ベストセラー作家・宮部みゆきが、15年の構想と9年の執筆期間をかけて生み出した傑作ミステリー巨編。「模倣犯」や「理由」「長い長い殺人」などの映画化・ドラマ化作品も人気を博し、数々のサスペンス、ミステリー作品で、日本推理作家協会賞、日本SF大賞、山本周五郎賞、吉川英治文学賞ほか名だたる文学賞を受賞した名作家が、“作家生活25年の集大成”として、総計2000ページ以上、3部に渡って書き著した渾身の超大作なのだ。
堂々たる存在感のミステリー巨編の映画化には、それに見合うだけの素晴らしい才能と熱意を持ったスタッフが集結。日本アカデミー賞やキネマ旬報ベスト・テンほか、国内の主要映画賞30冠に輝く「八日目の蝉」チームが、巨大プロジェクトに挑んだ。メガホンをとった成島出を筆頭に、音楽の安川午朗、撮影の藤澤順一、録音、編集も「八日目の蝉」のスペシャリストたち。脚本には、「毎日かあさん」「脳男」の真辺克彦が迎えられている。
「学校で起きた転落死事件の真相を、生徒たち自身による裁判で明らかにする」という壮大な物語の実現には、彼らを演じる“中学生たち”の存在が不可欠だった。まだ何色にも染まっていない、純粋な存在感と演技。登場人物たちに必要な素養を求めて、1万人規模という、日本映画ではほぼ例のないオーディションが開催された。実に半年以上、4次にわたる選考を経て選ばれたのが、主演の藤野涼子(劇中の役名を芸名としてデビュー)をはじめとする33人の新鋭たちなのだ。
みずみずしさと苦悩を表現するまっさらな中学生たちに対する、大人たちのキャスティングにも手抜きはない。主人公の両親に扮する佐々木蔵之介と夏川結衣、キーとなる女生徒の母親役の永作博美、校長役の小日向文世、経験不足の担任教師を演じる黒木華、そして大人に成長した主人公には尾野真千子と、日本を代表する実力派が顔をそろえた。無垢な才能と成熟した演技のコラボレーションが、目の肥えた映画ファンもうならせるのは確実だ。
■いじめで自殺とされた転落死の“真相”を、生徒たちが校内裁判で裁く──
「後編は4月だって? 裁判の行方はどうなるんだ!? 待ち切れないじゃないか!!」
「八日目の蝉」の成島出監督が新作を撮る、それも宮部みゆきの「ソロモンの偽証」だって!? そう、これが本作の情報を初めて耳にしたときの映画.comの反応だった。一級の映画スタッフとミステリー小説の組み合わせに、心が踊らない映画ファンなどいるわけがない。果たして、その高まった期待に完成した映画「ソロモンの偽証 前篇・事件」は応えてくれるのか。胸を高鳴らせて、試写室に足を運んだ。
物語は、かつて通った城東第三中学校に赴任した教師・中原涼子(尾野真千子)の回想からスタートする。1990年12月25日のクリスマスの朝、当時中学2年生だった涼子(藤野涼子)は、雪の校庭でクラスメートの柏木卓也(望月歩)が屋上から転落死しているのを発見する。警察は自殺と断定するが、目撃者と名乗る何者かから、殺人事件との告発状が、学校と、刑事の父(佐々木蔵之介)を持つ涼子のもとに届く。そこに犯人と名指しされていたのは、札付きの不良生徒・大出俊次(清水尋也)。告発状を嗅ぎつけたマスコミが事件をたきつけ、生徒は混乱し、学校や親たちは追い込まれていく。
そんなときに起こる、次なる悲劇。大人たちは保身に走り、生徒たちには真相がうやむやにされるなかで、涼子は、柏木の小学校時代の友人という他校の生徒、神原和彦(板垣瑞生)と出会う。誰かがウソをついている、大切なことを隠している──涼子たちは、生徒自身の手で真実をつかもうと“学校内裁判”の開廷を決意する。
謎が謎を呼び、見ているこちらの想像が二転三転していく。「大人の言う通りにしていればいいんだ」と強要される中学生たちが、自らの意志で立ち上がり、裁判の準備を進めていく過程に引き込まれる。しかし、しかしだ……いよいよ裁判が始まる!というところで「前篇」が終了。2部作の後編、「ソロモンの偽証 後篇・裁判」の公開は、なんと4月!? こんなところで終わるなんて、本当にもう続きが待ち切れないじゃないか!!
■映画.comが教える要注目ミステリーの“味わい方”──
数々の傑作を見てきたあなたなら、漂う“良作の匂い”をすでに感じているはず!
これまでにも多くの傑作が生まれてきたミステリー、サスペンス映画。目利きの映画ファンなら、すでに本作にも、そうした傑作に通じる“見どころ”が含まれていることに気づいているだろう。ここでは、そうした見逃せないポイントを洋画・邦画のミステリー代表作と比較して解説。「ソロモンの偽証」が、どれほどミステリー&サスペンス映画ファンの期待に応えてくれそうかを紹介しよう。