リンカーン

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劇場公開日:

リンカーン

解説

スティーブン・スピルバーグ監督が、名優ダニエル・デイ=ルイスを主演に迎え、アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの人生を描いた伝記ドラマ。貧しい家に生まれ育ち、ほとんど学校にも通えない少年時代を送ったリンカーンだが、努力と独学で身を立て大統領の座にまでのぼりつめる。しかし権力の座に安住することなく奴隷解放運動を推し進めたリンカーンは、一方でその運動が引き起こた南北戦争で国が2つに割れるという未曾有の危機にも直面していく。奴隷制度廃止を訴えた共和党議員タデウス・スティーブンスにトミー・リー・ジョーンズ、リンカーンの妻メアリー・トッドにサリー・フィールド、息子のロバート・トッドにジョセフ・ゴードン=レビット。脚本はスピルバーグ監督作「ミュンヘン」のトニー・クシュナー。第85回アカデミー賞では同年度最多12部門にノミネートされ、デイ=ルイスが史上初となる3度目の主演男優賞受賞となった。

2012年製作/150分/G/アメリカ
原題または英題:Lincoln
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:2013年4月19日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第85回 アカデミー賞(2013年)

受賞

主演男優賞 ダニエル・デイ=ルイス
プロダクションデザイン賞  

第70回 ゴールデングローブ賞(2013年)

受賞

最優秀主演男優賞(ドラマ) ダニエル・デイ=ルイス

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀助演男優賞 トミー・リー・ジョーンズ
最優秀助演女優賞 サリー・フィールド
最優秀監督賞 スティーブン・スピルバーグ
最優秀脚本賞 トニー・クシュナー
最優秀作曲賞 ジョン・ウィリアムズ
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(C)2012 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION and DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO., LLC

映画レビュー

4.5自由にしたらどうなる?どうする?でなく、まず自由にすることが先決

2024年10月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

歴史上の偉人をテーマに映画なりドラマにするのはとても難しい作業だと思う。史実に忠実な伝記物にするか?「その人」のいつの時代を切り取るのか?何に焦点をおくのか?私生活は?イメージや見たい知りたい部分は人によって千差万別なのは当然だと思う。私はリンカーンのこういう所が見たいというのが特になかったので、この映画はとてもよかったし新鮮な面白さを覚えた。音楽含めて抑制が効いていて、スピルバーグ監督の映画の中では「ミュンヘン」と同じ程感動したし良かった。

大統領として、政治家として、状況を見据えて冷静に判断し力強いリーダーシップを発揮する。物静かで優しい印象がありながらとてもユーモアがあってスピーチはなるべく短くしようとしていた(最高だ!)。喩え話や笑い話が好きで周囲を和やかにする才能に長けていた。黒人兵士、白人兵士達と気軽に話したり、ユークリッドの公理「同じものに等しいものは、互いに等しい」を例に正義の自明性を語るシーンもいいなあと思った。それを語ったのは電報を打つ所で聞き手はそこに居たたった二人の電報員(一人はアダム・ドライバー)。その時も真夜中だったがいつ眠っているんだろうと思うほどの働きぶりだった。奴隷制を完全に廃止する憲法修正第13条を下院でも通す為の票の取り込みとロビイ活動指示、南部の州とのやりとり、フットワークの軽いビルボ(ジェイムス・スペイダー)を上手く使う、病院への見舞い、激戦地だった場所への視察、一年間で十歳も老けたと言われる言葉に説得力があった。

一方でリンカーンは家庭の人でもあった。幼い息子の相手をよくし、大学生の息子ロバート(ジョセフ・ゴードン=レビット)とはぶつかりながらもよく理解していた父であり、妻と常に話し夫婦喧嘩もよくするが妻のコルセットを外す手伝いもする夫だ。

そんなリンカーンを演じたダニエル・デイ=ルイス素晴らしかった(心身共に疲れたろうなあ)。長身痩躯(妻とのあまりの身長差に笑えた!)で癖っ毛。歩き方、話し方、表情、目の優しさや厳しさ、彼ほど国民に愛され高く評価された大統領はいないと言われる「リンカーン」像に納得した。

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talisman

4.0偉業の内幕。千里の道も一歩よりの一里塚。(後半ネタバレ)

2024年6月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

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とみいじょん

4.0歴史をかえる 一人の人間がそれを成し遂げることの重みが感じられる ...

2023年1月28日
Androidアプリから投稿

歴史をかえる
一人の人間がそれを成し遂げることの重みが感じられる
そして人は一人ではなにもできない
正しいことを正しいと叫ぶ勇気
黙ってやり過ごす無責任さ
いろんなことを考えながら観た映画です

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ふるふる

4.0スピルバーグが描いたリンカーン大統領の素顔

2022年8月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

(奴隷解放の修正案を通すためには、
議員の多数派工作が必須!!だった)
リンカーン大統領が修正案を通すために如何に苦労したかが、
中心に描かれた映画です。
勿論そこからリンカーンの素顔がありありと浮かぶから、
素晴らしい演出なのですが、一般的な伝記映画とは、
一線を画す様式です。
2012年(アメリカ)監督:スティーブン・スピルバーグ。
1865年には、アメリカの議会民主主議は、
既に現在と同じ完成形を成していた。
その事を、知る映画でした。
ポリティカル・サスペンス的映画。
興味深く面白かったです。
1865年でもう既に「ロビイスト」がいて、票集めは、金による買収ではなくて、
ポスト(地位や役職)だった。
口利きのようなものですね。
郵便局長とか税務官とか、失職しても食べるのに困らないようなポスト。
一時金(買収)より、長期に渡って収入が約束される職種です。

南北戦争が4年も続くなか、エイブラハム・リンカーン(ダニエル・デイ=ルイス)は、
再選されて2ヶ月。
リンカーンの悲願は、奴隷制度廃止を盛り込んだ、
「アメリカ合衆国憲法法修正第13条」
これを通過させて成立する事。
これが奴隷解放に繋がるのです。
リンカーンの共和党だけでは「修正第13条」を可決するには、
3分の2に20票足りないのです。

正義の人「リンカーン大統領」でも、すら、ですよ・・・
議会の多数派工作に本当に苦労したのですね。

この映画は奴隷解放に繋がる修正案を可決する一点に
特化した作品に見えます。
しかし、リンカーンの人となり、妻の人となり→
つまり家庭人リンカーンがくっきりと浮かんでくる
優れた人物伝でもあります。
有名人の悪妻としての呼び声の高いメアリー(サリー・フィールド)と、
リンカーンが並ぶ肖像写真を見ると
ダニエル・デイ=ルイスとサリー・フィールドが、
ご本人たちとあまりにも似ているのに驚かされます。
リンカーンの身長は公称193センチの偉丈夫です。
ダニエル・デイ=ルイスは187センチなのでまあまあほぼ同じとしましょう。
妻役サリー・フィールドは159センチ。
ずんぐりむっくりのふくれっ面、太っててコロンと小さいところまで、
そっくり。
長男のジョセフ・ゴードン=レビットは、
小柄で176センチです。
リンカーンの大きさを目立つようにキャスティングされてますね。
そして悪妻メアリー。
大変なあげまんで、リンカーンが合衆国大統領になる事を、
至極当然だと確信して、
社交面で後押し、「奴隷制度肯定派」だったリンカーンを、
「奴隷制度廃止派」に
変えるほど、世相や世論を読み切った才女だそうです。

時には熱いコーヒーをぶっかけるほどの、癇癪を起こすDV妻だったとは、
まったく驚きですね。

この映画を観ると、1865年当時とアメリカの議会民主主義が、
150年を経て格段に進歩したとはとても思えないのです。
エイブラハム・リンカーンという巨人を
いとも容易く暗殺して葬り去る国ですから。
議会民主主義の以前に、
人命の尊重をお願いしたいものです。

(と書いて、日本でも暗殺事件が起こり、他人事ではないのでした)

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琥珀糖