エイリアン4

劇場公開日:

解説

名作SFシリーズの第4作。前作「エイリアン3」から200年後を舞台に、リプリーとエイリアンの最後の戦いが描かれる。惑星フィオリーナで溶鉱炉に消えたリプリーだったが、エイリアンの軍事利用をたくらむペレズ将軍率いる一派が、残されていたDNAからクローンを生み出し、リプリーは復活する。リプリーの体内に宿っていたエイリアンをもとに宇宙船オリガ号の中で養殖が開始されるが、成長したエイリアンが脱走。オリガ号は緊急事態のため地球へ向けて動き出してしまう。リプリーはエイリアンを地球に降ろすまいと戦うが……。「デリカテッセン」「ロスト・チルドレン」など独創的なビジュアルセンスで知られるフランス人監督ジャン=ピエール・ジュネがメガホンをとった。タイトルバックやエンディングのカットなどが異なる数分長い完全版も03年に発表されているが、ジュネ自身は「劇場公開版がディレクターズ・カット」と明言している。

1997年製作/107分/アメリカ
原題または英題:Alien: Resurrection
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:1998年3月

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映画レビュー

3.0リプリー・シリーズの新章は、怖いよりも気持ち悪い!

2024年11月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

最新作『エイリアン ロムルス』鑑賞前にBlu-rayで復習。
1997年の劇場公開版(109分)と2003年にソフト化された完全版(117分)。

『デリカテッセン』『ロスト・チルドレン』で評価を高めた後、『アメリ』で世界的ヒットを記録する前にジャン=ピエール・ジュネがハリウッドで撮った一作。

なんと、前作の200年後が舞台。
前作で寄生したクィーン・エイリアンの幼体とともに熔鉱炉に没したリプリーがクローンとして再生される。しかも、腹の中のエイリアンごと…だ。
原題は「Resurrection」=「復活」だ。
このアイディアは良いが、シリーズ屈指の醜悪な作品だと、私は思う。

クローン・リプリーは“8号”でやっと再生に成功した生体で、失敗した不完全体が研究室で発見される。
これはエイリアンとは関係ないのに、わざわざグロテスクな姿を見せる悪趣味。
エイリアンに背後から後頭部を突かれた男が、自分の手で脳みそ(?)をつまみ出して見る場面もあったりする。
最悪なのは、リプリーとのハイブリッド・エイリアンのデザインと、その最期だ。
ハイブリッドが誕生するシークェンスもかなりエグい。
これはもう悪趣味のレベルを超えて、吐き気をもよおすほどだ。
観客はエイリアンの不気味さを知り尽くしているのだから、ホラー的なサービスとしては当然かも知れないが。

一方で、エイリアンが知能を示す場面や、水中でエイリアンに襲われる場面などは新しい工夫だ。
また、貨物船クルーどうしの友情場面も織り込まれている。
コール(ウィノナ・ライダー)がロボットだとわかったとき、リプリーが「人間だったらあんなに優しくない」と言うウィットもある。

人類はロボットに支配されることを懸念してロボットを全て回収廃棄した。コールは回収される前にリプリー再生計画の情報を知ったのだが、それを政府の陰謀だと言う。エイリアンを地球に持ち込ませないためにリプリー暗殺を企てたのはコールの独断だった。
初めて〝政府〟が存在することが語られたのだが、その政府も悪だったのだ…。

シガニー・ウィーバーはもう40代後半だから、色っぽい場面は貨物船の女性乗組員に譲っている。
そして、ゲストスターのウィノナ・ライダーが美を添えている。

リプリーが自分が再生された経緯を科学者から聞く場面で、ウェイランド・ユタニ社は植民地開拓の最大手で軍と契約を結んでいたという話が出るが、完全版では既にウォルマートに買収されていることが説明される。
…ウォルマートって、あの世界最大の小売業の…?
劇場公開版ではそこはカットされている。
本作では最後に地球に着陸する。
リプリーとコールは地球をみて「美しい」と言い、緑の陸地が映し出されるが、完全版の最後は着陸した地球は廃墟と化している。
ジュネ自身は、ディレクターズカットは劇場公開版で、完全版はファンのためにカットされた場面を復活させたものだと語っている。

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kazz

0.5柳の下に四匹目のドジョウはいてたまるものか!

2024年11月19日
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鑑賞方法:VOD
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マサシ

4.0リプリーが悲しすぎる

2024年9月29日
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鑑賞方法:VOD

興奮

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nayuta

4.0新機軸で向かえたラスト

2024年9月29日
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鑑賞方法:DVD/BD

前作から200年後の2470年。驚く事に第一作から何世紀も経った世界が舞台となっている。軍事関連の船で目が覚めたリプリーだったが、オリジナルのリプリーは前作で死亡しており、採取されたリプリーのDNAを元にクローンを作っているという設定である。本作ではゼノモーフらは飼育下に置かれており、過去作からは想像が出来ない程ガラリと世界観が変わっている。それだけでなく、目覚めたリプリーはもはや人間ではなくスーパーパワーを持つ様になり、ゼノモーフをいとも簡単に倒すという、後々登場する「バイオハザード」シリーズのアリスさながらの存在である。
この設定だけでもシリーズファンは「これが観たかったんじゃない」と思うだろうが、良くも悪くも"今風"な作品になったという事なのだろう。だが、ジャン=ピエール・ジュネ監督は最後の最後で新機軸のプレゼンテーションをしている様だ。それが顕著に現れる例がやはり終盤に登場した「ニューボーン」の存在だ。この期に及んでまだそんな展開を見せるかと思うが、ニューボーンの存在を含め、ビジュアル的なショックはかなりインパクト大だと思う。技術的な進歩も相まって、シリーズ中最もゼノモーフを気持ち悪く描いている。また、登場人物らのビジュアルも今考えたら凄く、本作のメインキャラとなる御一行は、いわば宇宙海賊なのだが、「ヘルボーイ」等のギレルモ・デル・トロ作品ではお馴染みの「くせ者キャラ」ロン・パールマン初め、濃いメンバーが揃っている。彼らの織り成す軽快なノリと、ゼノモーフを研究する変態科学者の気持ち悪さが何とも言えない心地悪さを演出している。流石人物の描写が得意な監督ならではの設定だろう。だが、監督自身本シリーズは「観ていない」とはっきり述べたように、確かに"観てない人が作った映画"感は強い。前作までは残っていたシリーズの"重み"が無いように感じるのは残念な所かもしれない。97年に劇場公開されたバージョンは107分というシリーズ中最も短い本編で描かれる為、どうしてもサクッとした印象になるが、エンドロール直前は衝撃的な姿の地球で幕を下ろす119分の完全版が個人的にはオススメである。
内容的には変化はないが、どちらを鑑賞しても、ニューボーンがちょっと可哀想に感じるのは私だけだろうか。

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Mina