新網走番外地 吹雪の大脱走
劇場公開日:1971年12月29日
解説
白雪におおわれた網走刑務所とその周辺の野原を舞台に男の争いを描く。“新番外地シリーズ”第七作目。脚本は「尼寺博徒」の大和久守正、監督は脚本も執筆している「新網走番外地 嵐呼ぶ知床岬」の降旗康男。撮影は「ごろつき無宿」の林七郎がそれぞれ坦当。
1971年製作/110分/日本
配給:東映
劇場公開日:1971年12月29日
ストーリー
網走刑務所の囚人たちは、末広勝治のいる二舎、監獄ボスの熊沢のいる一舎、工藤、木村のひねくれグループの三派に分かれていた。ボスの熊沢は、看守部長や古参の看守高野らと組んで刑務所の物資を横流しなどして、我がもの顔でのさばり、末広や工藤たちが、真冬の森林伐採を命じられ死者を出すほどの苦闘をしている時も、暖かい刑務所で楽な日を送っていた。その上、彼らは伐採した材木の横流しを計画、暴動を起こしてその隙に事を実行に移そうとしていた。一方、義父殺しのハーフの木村は、はるばる自分に会いにきた母親にも会おうとしなかった。母の苦悩を見かねた修道尼のみどりから、木村のとりなしを依頼された末広は一計を案じ二人を再会させた。だが、永年のしこりが消えたのも束の間、木村は熊沢に殺された。熊沢は、末広をあおって暴動を起こそうとしたのだ。木村の死は事故死として処理された。葬式の日、末広が暴れたため刑務所内は大混乱。しかし、ヤクザの囚人久保の転機によって事無きを得た。やがて暴動の主だった面々は、懲罰として山奥の豪雪地帯にある深見農場に送られることになった。先頭の一台には高見と熊沢、後の一台には教育課長俵星と末広らが乗り込んで烈風をついてトラックは農場に向かう。けわしい谷にさしかかった時、後方のトラックは、熊沢が投げたダイナマイトによって谷に転落してしまう。辰己、山崎らが次々に殺され、俵星も重傷を負った。やっとのことで逃れ出た末広は瀕死の俵星をかつぎ網走へ急いだ。大内医院にたどりつき、理江に俵星を託した末広は、熊沢らが集まる深見農場へと向った。