ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
劇場公開日 2007年9月1日
解説
1995~96年に放送され、社会現象を巻き起こしたTVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」を、新たに4部作の劇場版として構成する「新劇場版」の第1部。原作・総監督はTV版に続いて庵野秀明。新作パートの画コンテに「日本沈没」の樋口真嗣、「交響詩篇エウレカセブン」の京田知己など、豪華スタッフ陣が参加。14歳の少年・碇シンジは、10年ぶりに再会した父ゲンドウが司令官を務める特務機関NERV(ネルフ)に呼び出され、人型決戦兵器エヴァンゲリオンに搭乗し、使徒と呼ばれる謎の敵と戦えと命令される。
2007年製作/98分/日本
配給:クロックワークス、カラー
オフィシャルサイト スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る
2020年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
久しぶりに観て、やっぱり面白いなあと感じた。「序」に関しては真っ当に少年の葛藤のドラマとして完成度が高くて、クライマックスのヤシマ作戦に行くまでの主人公の葛藤と戦いの盛り上がりがシンクロしている。誰も信用しない内気な少年が色々な人とのふれあいを通じて、恐怖を乗り越え、日本中の電力を預かり、敵を殲滅する。少年は一人で戦っているわけではなく、みんなの力で困難を乗り越えていき、成長していくという構造。ボーイ・ミーツ・ガールの要素もあり、すごく王道感がある。(これ以降、異様な方向に行くのだが。それもまたすごく面白いのだけど)
アクションシーンはTVシリーズから大幅にブラッシュアップされてすごくかっこよくなったし、展開を圧縮している分、テンポよく物語が進むのでTV版より見やすいかもしれない。動かないシーンも構図が綺麗で見惚れる。改めてすごい作品だなと思った。
2022年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
TVシリーズのヤシマ作戦までの流れ。
TVシリーズの頃よりも映像も綺麗になっている。そのお陰か、キャラの細かい動きや表情も良くなっていた思う。
まずは序章といったところ。
2022年6月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波
未公開アップロードしたままで忘れていたので、変な時にレビュー公開となってしまった。
俺は、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を観ようと考えた。しかし、俺はエヴァを一つも観ていない。TVシリーズも劇場版も。時はちょうど黄金週間。録りためた中に、たしか「序」「破」「Q」いずれもあったはず。よし、一気に観て、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を観る市民権を獲得しよう、・・というのが今回観た背景。
【序】
すごいなこのオープニング。あっというまに引き込まれる戦闘シーン。
登場人物が少ないからわかりやすい。
いわゆるメカ(設備、器具備品の類)のカッコよさが、心をくすぐる。
"使途" の異様な造形は、CG時代をフルに感じさせる。
ネブカドレザルの鍵とか、セカンドインパクトとか、初めて聞く単語のオンパレードなのに、ストーリーを追い続けられるのは、「それが当然」かのように、なんの迷いもなく進める点かな。まあ、アニメから延々と続く歴史があるからこそ、できることなのだろうな。
俺たち(50~60代)に、大友克洋がいるように、彼らには庵野秀明がいるんだなあ、と変な感心の仕方をした。
主人公とそれをとりまく女性たち。手ごろなお色気。
【破】
辛いのは君だけじゃない。
「ヒトマル」という読み方に象徴されている自衛隊(ミリタリー)感覚は受けそう。それも、それを美少女たちが言う。
思わせぶりな音楽。
科学の最先端な世界で、「純粋な精神エネルギーの具象化」という魅力的な現象。
「なぜ若者たちだけがエヴァンゲリオンに乗るのか?」という俺の疑問は解かれるのだろうか。
「シリーズものは、2作めが鍵」と言われる条件を見事に達成した出来のよさ。感心。
【Q】
前作の痛快さを忘れてしまったかのようなオープニング。
謎の少年カオルの登場。カシウスとロンギヌスの2本の槍。異なる槍が必要。第1使徒と第3使徒。アダムスの器。
前作にも勝る、謎のワードのオンパレード。その中で徐々に見えてくる、人類と使徒、それぞれの誕生の歴史。第1使徒であるアダムから生まれた、第3使徒以降の使途。そして第2使徒リリスから生まれた人類(リリン)。両者は、どちらかが生存し続けるために、相争う運命だったことがわかってくる。
ゲシュタルト(統一的全体像)。西洋的な、要素分解的な思考。ひとつひとつ分解してよくしていくことで、最高のパフォーマンスを得る、という考え方。一方、東洋的な、全体像的な思考。全体をシステムとみて、そのバランスを調整することで最高のパフォーマンスを得る、という考え方。
自分でも、なにを書いているかよくわからなくなってくるが、「Q」をみて感じた気持ちはこんな感じ。哲学書か。
そして...【シン・エヴァンゲリオン劇場版】
2021年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
シンエヴァンゲリオンを見てから再視聴。
前はあまり注目していなかったところに、魅力を感じた。
ミサトの車は何故かルノーのアルピーノA310、イタリアでもなくドイツでもなく壊れやすいフランス製か。そのこだわり。そして冷蔵庫の中はビールのみ。一般的な生活感は全く無く、ミサトは庵野監督のある側面の分身の様にも思えた。
綾波宅でシンジが割れた眼鏡を掛けた時に、レイが裸身は気にもせず一心不乱で取り返そうとする様。その眼鏡をエヴァンゲリオンに持ち込む映像。その眼鏡が割れたのはゲンドウがレイを必死に助けようとした時であることもさりげなく示されていて、父親を信じれないシンジ頬への殴打と共に、レイの一途な思いを暗示。ただ、シンジは眼鏡が誰のものか分からないし、レイの幾つかの反応も全く謎のままで、物語は進行していく。
レイの家にあったカプセル剤とビーカー。ビーカーは内服薬を飲む際に利用ということらしい。研究者だった碇ユイの性格は反映してか?ただ、薬が何のためかは自分には不明。イメージ的には、魂移植の拒絶反応を抑制するため?
テープレコーダー(SDATプレーヤー、シンで父親からの二世代に渡る代物であること判明)は、同じトラック25と26のみを行き来。他人との関わりを遮断し、子供のままで、成長無し状態の言わば象徴か?
そして、前から美しいと感じていた電信柱や送電塔、送電ケーブルの映像。時に何と斜めになっていた。これは、シンジ・エヴァンゲリオンからの視点ということか。もしかして、送電線には、ヒトとヒトとの心のやり取りやレイが言うところの絆を象徴している?
何回か見て初めて感じ取れる映像の意味付け、活劇でありながら同時に、小津安二郎の映画の様に、良く練られ考えられている映像の数々、改めて独自の作家性を感じさせられた。
すべての映画レビューを見る(全124件)