タル・ベーラ
ハンガリー南西部のペーチュに生まれ、映画関係の仕事をしていた両親のもとブダペストで育つ。10歳のときハンガリーのTVドラマに出演して演技を経験。16歳の頃からハンガリーの市井の人々を捉えた短編の自主制作を始め、22歳のときドキュメンタリータッチの「ファミリー・ネスト」(77)で長編監督デビュー。
ブダペストの映画芸術アカデミー在籍中に制作した「アウトサイダー」(81)、「ダムネーション 天罰」(88)などを経て、4年の歳月をかけて完成させた7時間18分の長編大作「サタンタンゴ」(94)が国際的な喝采を浴び、ハンガリーの鬼才として知られるようになる。
その後も「ヴェルクマイスター・ハーモニー」(00)や「倫敦から来た男」(07)で世界から注目を集め、「ニーチェの馬」(11)でベルリン国際映画祭の銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞。同作を最後に56歳で映画監督からの引退を表明した。21年には自身の教え子だったアイスランドの新鋭バルディミール・ヨハンソン監督作「LAMB ラム」で製作総指揮を務めた。