ジャン=ピエール・ダルデンヌ
ベルギーのリエージュ近郊出身。弟リュックとともにダルデンヌ兄弟として知られる。舞台演出家を志してブリュッセルへ移り、劇作家アルマン・ガッティのもと、弟のリュックとともに映画制作を手伝うように。労働者階級の生活を実地に経験しつつ、1974年から社会問題をテーマに据えたドキュメンタリー作品を制作。75年、制作会社「Derives」を設立し、ドキュメンタリー「ナイチンゲールの歌声」(78)でダルデンヌ兄弟として映画監督デビューした。以降、ドキュメンタリー映画を多数制作。初の長編劇映画「ファルシュ」(86)、続く「あなたを想う」(92)を経て、「イゴールの約束」(96)でカンヌ国際映画祭の国際芸術映画評論連盟賞を受賞。「ロゼッタ」(99)で同映画祭の最高賞パルムドールを受賞して以降はカンヌの常連となり、「息子のまなざし」(02)で主演男優賞とエキュメニック賞、「ある子供」(05)で2度目のパルムドールを受賞。「ロルナの祈り」(08)で脚本賞、「少年と自転車」(11)でグランプリ、「その手に触れるまで」(19)では監督賞を受賞した。プロデューサーとしても活躍し、若手監督の育成に貢献している。