ケン・ローチ
英ウォリックシャー州出身。オックスフォード大学時代から演劇に熱中し、卒業後は劇団で演出補佐を務める。その後、BBCでドキュドラマの演出を手がけ、なかでも「The Wednesday Play(原題)」(65~69)で都市部のホームレスの実態を描いた回は、ホームレスに関する法律を改正させるほどの大きな反響を呼んだ。67年、「夜空に星のあるように」で映画監督デビューし、続く「ケス」(69)が絶賛される。その後20年ほど不遇の時代を過ごすが、90年代に入って再び脚光を浴び、英国の労働者階級や移民を描くことで定評を得る。世界3大映画祭のなかではカンヌとの相性が良く、「Black Jack(原題)」(79)、「リフ・ラフ」(91)、「大地と自由」(95)で国際批評家連盟賞、「ブラック・アジェンダ 隠された真相」(90)、「レイニング・ストーンズ」(93)、「天使の分け前」(13)で審査員賞、「麦の穂をゆらす風」(06)で最高賞パルムドールを受賞した。息子のジム・ローチも映画監督になった。