「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」ジョニー・デップが語った“ジャック・スパロウ”誕生秘話 新作はどうなっている?【金曜ロードショーで放送】
2023年8月18日 21:00
ディズニーランドの人気アトラクション「カリブの海賊」を映画化した大ヒットシリーズ第5弾「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」が、本日8月18日午後9時から日本テレビ系「金曜ロードショー」で地上波初放送されています。
本記事では、かつて主演のジョニー・デップが語っていた“ジャック・スパロウ”誕生秘話、ポール・マッカートニーの出演、そして「パイレーツ・オブ・カリビアン」の“新作”についてまとめています。
ジョニー・デップ主演による世界的大ヒットシリーズの第5弾。孤高の海賊ジャック・スパロウと、ジャックへの復讐に燃える「海の死神」サラザールの因縁の対決を軸に、かつてジャックと冒険したウィル・ターナーとその息子ヘンリー、孤独な天文学者カリーナ、ジャックの宿敵バルボッサらの運命が交錯する。ジャック・スパロウに恨みを持つ「海の死神」サラザールが、魔の三角海域から解き放たれた。サラザールの復讐を阻止するには、「最後の海賊」だけが見つけ出せるという秘宝「ポセイドンの槍」を手に入れなければならない。一方、10年に1度しか陸に上がれない呪いをかけられたウィルの息子ヘンリーは、ポセイドンの槍を手に入れて父の呪いを解こうとジャックに近づく。
ウィル役のオーランド・ブルームと、エリザベス役のキーラ・ナイトレイがシリーズに復帰。本作のヴィラン、ジャックに復讐を誓う“海の死神”サラザール役は「ノーカントリー」のハビエル・バルデム。ヒロインで若き女性天文学者カリーナ役は、「クロール 凶暴領域」「バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」のカヤ・スコデラーリオ。ウィルとエリザベスの息子、ヘンリー役は、「マレフィセント」のブレントン・スウェイツ。元ビートルズのポール・マッカートニーがジャックの叔父として登場している。
製作:ジェリー・ブラッカイマー(「トップガン マーヴェリック」)
製作総指揮:マイク・ステンソン、チャド・オマン、ジョー・カラッシオ・Jr.、テリー・ロッシオ、ブリガム・テイラー
原案・脚本:ジェフ・ナサンソン
脚本:テリー・ロッシオ
撮影:ポール・キャメロン
美術:ナイジェル・フェルプス
衣装:ペニー・ローズ
編集:ロジャー・バートン、リー・フォルソム・ボイド
音楽:ジェフ・ザネリ
視覚効果監修:ゲイリー・ブロゼニッチ
第1作「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」が世に放たれたのは、2003年。デップは、2017年に公開された第5弾「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」時点で“ジャック・スパロウ”を14年演じ続けていました。
公開当時、デップは13度目の来日を果たしています。東京・羽田空港に到着したのは、午前0時ごろ。深夜にもかかわらず、ロビーには主人公ジャック・スパロウに扮したファンなど約1000人が詰めかけていました。デップは1人ひとりに握手をし、丁寧な対応でファンを喜ばせていました。
「いつも日本に帰ってくることはうれしく思っているよ。それがどんなキャラクターであっても、いつもとてもうれしいんだ。でもキャプテン・ジャックはユーモラスな部分が日本のみんなに特に受け入れられたようだね」と笑顔を見せたデップ。「僕を再び招待してくれてありがとう、とてもうれしいよ! 劇場で会いましょう!」とファンにメッセージを送っていました。
映画.comでは、来日時にインタビューを実施。その際、デップは“ジャック・スパロウ”の誕生秘話を明かしてくれました。
「海賊映画は当たらない」という定説を覆し、世界興行収入10億ドル超の大ヒットを記録した第1作「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」。デップは、当時をこう振り返っています。
「『パイレーツ・オブ・カリビアン』の話を最初にもらったときは、まだ脚本自体が存在していなかったんだ。僕はディズニーで(当時の会長)ディック・クックと会った。完璧なジェントルマン、素晴らしい男さ。そのとき彼からアトラクションの『パイレーツ・オブ・カリビアン』をベースにした映画をやってみないかと持ちかけられ、その後、次々とつながっていったんだ」
デップは、キャラクターを形成する上で、最初に“アニメの要素”を取り入れようとしていました。
「彼ら(スタジオ側)がイメージしていたであろうキャラクターを、僕は大分変えた。僕には、当時3歳だった娘と一緒に見ていたアニメ映画やカートゥーンの数々から、あるアイデアが浮かんでいたんだ。(アニメ『ルーニー・テューンズ』のキャラクター)バッグス・バニーやロード・ランナー、ワイリー・コヨーテを見ていて僕の頭から離れなくなったことは、たとえばワイリー・コヨーテに巨大な岩が落ちてきてペシャンコになっても、次のシーンで彼は頭にばんそうこうを×印につけているだけなのは、一体どういうわけだろうということだった。僕はそういった“不信の自発的停止(編注:観客が、劇中で起こることを一時的に受け入れる心理)”を超越した要素をさらに押し広げられないかと考えたんだ」
やがて「ザ・ローリング・ストーンズ」のキース・リチャーズのエッセンスもジャックに加えたデップ。その縁あって、リチャーズ本人がシリーズに出演しています(第3弾「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド」と第4弾「パイレーツ・オブ・カリビアン 生命(いのち)の泉」/ジャックの父・ティーグ役)。
「僕は、私生活では絶対にジャックのような行動はできない。彼になりきるからこそ、ああいった行動ができるんだ」と明かしてくれたデップ。エキセントリックなジャックを理解するために、ある“変わった役作り”を行っていました。
「ジャックは、格好いいトカゲのような、(『ルーニー・テューンズ』に登場する)スカンクのペペ・ル・ピューのようなヤツだ。自分では格好いいと思っているんだが、実際はスカンクだから臭うのさ。そんな彼のことを理解するために、僕はずうっとサウナに入ったりしたんだよ。280度という脳が溶け出すような恐ろしい状況にね。皆さんには絶対にオススメしないよ!(笑)」。
前述の通り、ジャックを演じるのは5作目。約14年間にわたって共に歩んできた“名キャラクター”となりました。
「この役は、本当に演じるのが楽しくてしょうがないんだ。なかなか現場に置いていくことができないくらいにね。どんなに無責任で不敬なことをやっても許されるし、何を言っても何をやってもいい。こういったキャラクターは他にいないと思うよ」と愛着をにじませていたデップ。やがて、こう力強く語ってくれました。
「よく俳優は、“この役はこういったアール(曲線)を描いてここまで到達する”といったような言い方をするんだけど、ジャックはそういった到達点がなく、ずっと同じ地点にいるんだ。きっとジャックは、人生で1度だってシャイだったことはないんだろうね。言いたいことをいい、やりたいことをやる。それこそがこのキャラクターの魅力なんだ」
「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」では、若き日のジャックの冒険も描かれています。つまり“エピソード・ゼロ”とでもいうべき内容となっており、ジャックが海賊として成長していくさまを見ることができるのです。
若き日のジャックは、ミュージシャンで俳優のアンソニー・デ・ラ・トーレが実際に演じたものに、デップの表情をデジタル加工して生み出されています。デップは「若い自分を見るのは奇妙な感じがしたし、非現実的でこっけいだったな。“本当に僕なの? 一体誰なんだ?”という気持ちもあったね」と最新技術に驚かされたそうです。
本作の注目ポイントは、ジャック・スパロウの叔父「アンクル・ジャック」として、歌手のポール・マッカートニーが出演していること。劇中では、牢屋に捕らわれたジャックと偶然出会い、ユニークな会話を繰り広げるほか、歌声も披露しています。
マッカートニーにオファーをしたのは、デップでした。その理由について「ジャックが牢獄で叔父と鉢合わせするという奇妙なアイデアが僕の頭に浮かび、その役にはポール・マッカートニーがぴったりじゃないかと思ったんだ。彼は世界一優しい人物で、間違いなく最高の才能を持つ人物だけど、僕から彼に尋ねるだけの勇気がわくかどうかちょっと不安だったよ。だけど、とにかく尋ねてみたんだ」と語っています。
「僕は本当に幸運だよ。これは素晴らしい賜りものさ。僕のためにポールがやってきて、演技をしてくれたなんて、本当にとんでもないことさ。彼は、本人役以外で映画に出たのはこれが初めてなんだ。ポールが出演してくれたことを、僕は一生絶対に忘れないよ。ポールはビートルズで世界を変えた。彼は文化を変えた。そして今でも歌い続けている。彼こそが本当のインスピレーションさ。そんな偉大な男だから、僕は彼から永遠に目が離せないんだ」
「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの“新作”については、さまざまな情報が飛び交っていました。
「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」公開後、デップが元妻アンバー・ハードとの法廷闘争(最終的にデップ側が勝訴→22年12月に示談成立)に巻き込まれたことから、デップが演じるジャック・スパロウを主人公にした物語は継続不可能に。20年6月から、マーゴット・ロビー主演、クリスティーナ・ホドソン脚本のスピンオフ企画が進行していましたが、22年11月に“製作中止”という報道が出ていました。
22年12月、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーが“新作”について発言。「トップガン マーヴェリック」のヒットを記念して実施された米ハリウッド・レポーターの取材時、「どうして(「パイレーツ6」の)ストーリー作りに苦労しているんですか?」と聞かれると「本当に大変なんだ」と返答しつつ、こんな言葉を紡ぎました。
「だが、実現にかなり近いところまで来ている。とてもいい脚本が1本あるんだ。実は2つの映画を企画開発していて、ひとつはマーゴット・ロビー主演、もうひとつは若いキャストを主人公にしたものだ。マーゴット・ロビーのものはもうすこし作業が必要だが、若いキャストのものは(実現が)近い。願わくば、両方とも作りたいね」
なお、近年のデップは、第76回カンヌ国際映画祭でオープニングを飾った「Jeanne du Barry(原題)」でルイ15世を演じ、25年ぶりとなる監督第2作として、イタリアの芸術家アメデオ・モディリアーニの伝記映画「モディ(原題)」を始動。「フェイク」(1997)以来となるアル・パチーノとのタッグも実現しています。
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