【4月4日はロバート・ダウニー・Jr.の誕生日】「アイアンマン」公開15周年! 9作品で、セレブヒーローの偉大な足跡をプレイバック
2023年4月4日 09:00
4月4日はロバート・ダウニー・Jr.の58歳の誕生日。第95回アカデミー賞では、人気スターたちの復活劇が話題を集めましたが、ダウニー・Jr.もまた、薬物問題などで一度はキャリアの低迷を経験したのち、いまでは“最も価値がある映画スター”(※Vulture誌が選出)のひとりとして大活躍しているのは、ご存知の通り。最近では、アルフレッド・ヒッチコック監督の代表作のひとつである「めまい(1958)」のリメイク作品で主演を務めると報じられるなど、今後の動向にも注目が集まっています。
そんな華麗なる復活のきっかけとなった「アイアンマン」は、2023年で公開15周年。そこで彼が演じたMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の中心人物、最新鋭のパワードスーツで戦う“セレブヒーロー”トニー・スターク/アイアンマンの偉大な足跡を、ディズニープラスで配信中のマーベルスタジオ作品でプレイバックします。
巨大軍需産業「スターク・インダストリーズ」の社長を務めるトニー・スタークは、国際的テロ組織「テン・リングス」に拉致され、クラスターミサイルの組み立てを強要される。しかし、敵の目を盗んで戦闘用パワードスーツを開発し、敵地から脱出。改良を加えたパワードスーツを装着し、アイアンマンとなって戦うことを決意する。秘書のペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロウ)の内偵で、副社長の裏切りが明らかになると、彼の陰謀を打ち砕き、周囲の反対を押し切り、「私がアイアンマンだ」と公表。そんな彼の前に、国際平和維持組織「S.H.I.E.L.D.」の長官ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)が現れ、アベンジャーズ計画の話を持ちかけるのだった。
前作からおよそ半年後。トニーは改良を重ねたパワードスーツを身にまとい、アイアンマンとしてテロ組織との激闘を繰り広げていたが、政府から軍事利用のため、スーツを国家に引き渡すよう命じられてしまう。トニーは断固拒否するが、ある理由からスターク一族に恨みを抱くイワン・ヴァンコ/ウィップラッシュ(ミッキー・ローク)が同等のパワードスーツ姿で現れ、恐るべきパワーを発揮したことから、「本当にトニーが世界を救えるのか?」という疑念が、世の中に流れてしまう。本作ではトニーが、優秀な秘書のポッツを「スターク・インダストリーズ」のCEOに就任させる人事手腕を発揮する一方で、窮地に立たされ、心の弱さも垣間見せるなど、人物像がより鮮明になった。
アイアンマンをはじめ、キャプテン・アメリカ(クリス・エバンス)、ソー(クリス・ヘムズワース)、ハルク(マーク・ラファロ)、ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)らヒーローが集合するアクション大作。トニーは科学者としての知見を発揮し、未知の威力を秘めた四次元キューブの位置を特定しようと奮闘し、クライマックスではアイアンマンとして、発射された核ミサイルの軌道を変えて敵の母艦を撃墜するなど、アベンジャーズのリーダー的存在として大活躍。同時に時折見せる傲慢さや皮肉さが仇となり、ヒーロー間の連帯に亀裂を走らせるなど“困ったちゃん”な一面も。フューリーに対する不信感も拭いきれず、その後も衝突を巻き起こしてしまう。
人類滅亡の危機を救ったアベンジャーズの戦いからおよそ1年後。トニーは新型アーマーの開発に没頭するが、合衆国政府は、国家の命運をヒーローという個人の力に委ねることを危惧していた。そんなとき、謎のテロリストが動き出し、その壮絶な攻撃の前にトニーは全てを失う。裏で糸を引いていたのは、過去にトニーと因縁があった科学者アルドリッチ・キリアン(ガイ・ピアース)。彼が仕掛けた復讐劇に巻き込まれたトニーの運命は? 過去の贖罪や、どこに行くにもアーマーを持ち歩く“アーマー依存症”に苦しむ姿など、異色のヒーロー像を提示した「アイアンマン」完結編。盟友ジェームズ・ローディ/アイアン・パトリオット(ドン・チードル)との絆も深いものに。
アイアンマンとして何度も人類の危機を救い、だからこそアベンジャーズの限界を誰よりも強く知るトニーは、アベンジャーズ壊滅の悪夢を見たことをきっかけに、禁断の平和維持システムである人工知能“ウルトロン”(ジェームズ・スペイダー)を起動させる。トニーの想像を超えた進化と増殖を積み重ねたウルトロンは、究極の平和を実現させるため、地球の平和を脅かす唯一の存在――人類の抹消を選択し、暴走を始める。トニーの天才ぶりが招いた大ピンチだが、それ以上に独断でウルトロン計画を推し進めた点が元凶と言わざるをえない。ウルトロンの暴走は、生みの親・トニーの独善的な性格や思考がしっかり受け継がれた証でもあるのだ。
アベンジャーズの戦いで生まれる人的・物的被害の大きさから、彼らは国際的な政府組織の管理下に置かれ、無許可での活動を禁じられる。ウルトロンが引き起こした惨事への自責の念からトニーは、この“ソコヴィア協定”に賛成。一方で、「自らの行動は、自らの責任でする」という持論のキャプテン・アメリカは反発し、両者は一触即発の緊張感に包まれ、対決を余儀なくされる。本作ではトニーの父で、「スターク・インダストリーズ」の創始者であるハワード・スターク(ジョン・スラッテリー)の死の真相が明らかに。また、トニーはスパイダーマン/ピーター・パーカー(トム・ホランド)をスカウト。ふたりの師弟関係が、その後の展開に大きな影響を与えることになる。
アベンジャーズとの共闘を経験したピーターは、トニーが授けた特製スーツを駆使し、故郷ニューヨークで“部活ノリ”の自警活動に勤しんでいた。そんな彼の前に現れたのが、トニーに恨みを抱く謎の敵バルチャー(マイケル・キートン)。ヒーローとして認められたいピーターは、無謀な戦いに挑む。しかし、人命を軽視した無茶な行動の数々に業を煮やしたトニーは、ピーターからスーツを没収。自身も独断専行が原因で、失敗を繰り返した経験があるだけに、若きピーターに過去の自分を重ね、あえて厳しく接しているようだ。裏を返せば、保護者としての責任や愛情をピーターに感じている証拠とも言え、トニー本人の人間的な成長が垣間見えるのが興味深い。
ソコヴィア協定をめぐる、キャプテン・アメリカとアイアンマンの対決が引き金となり、解散状態になってしまったアベンジャーズ。一方、宇宙のバランスを取り戻すという野望を抱く最凶最悪のヴィランであるサノス(ジョシュ・ブローリン)は、無限大のパワーを秘めたインフィニティ・ストーンを着々と集めていた。ついに6個全てを手にしたサノスは、全宇宙の生命の半分を消し去る“デシメーション”を成し遂げる。トニーは地上に残ったが、彼が正式にアベンジャーズ加入を認めて、サノスとの戦いでも大活躍したピーター/スパイダーマンや、ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)らが塵となり、行方不明となった。
サノスに敗北し、全人類の半分を一瞬で消し去られた悲劇から5年後。時間移動を利用した“歴史を変える”奇策で、6個のインフィニティ・ストーンを取り戻し、行方不明だったヒーローたちが“アッセンブル”を果たした。サノスとの死闘にピリオドを打ったのは、自らの命と引き換えに「ならば、私はアイアンマンだ」と宣言したトニーだった。劇中でトニーが愛する家族に「3000回愛してる」とたびたび伝えるシーンも感動を呼んだが、このセリフはなんとダウニー・Jr.本人のアドリブ! しかも、「(当時)8歳になる息子が度々口にする言葉」が“元ネタ”だというから驚きだ。トニーとの永遠の別れを乗り越え、MCUは新たなフェーズへと突入した。
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