【コラム/細野真宏の試写室日記】「エターナルズ」はマーベル版の「ジャスティス・リーグ」?
2021年11月5日 16:00

映画はコケた、大ヒット、など、経済的な視点からも面白いコンテンツが少なくない。そこで「映画の経済的な意味を考えるコラム」を書く。それがこの日記の核です。また、クリエイター目線で「さすがだな~」と感心する映画も、毎日見ていれば1~2週間に1本くらいは見つかる。本音で薦めたい作品があれば随時紹介します。更新がないときは、別分野の仕事で忙しいときなのか、あるいは……?(笑)(文/細野真宏)
日本では、アメコミ映画は流行りにくい。
そんな定説のようなものが長年ありましたが、それを見直す転機となったものにマーベル・コミックのキャラクターをベースにした「マーベル・シネマティック・ユニバース」(MCU)の存在があります。
2008年の第1作「アイアンマン」はかなり出来が良かったのですが興行収入9.4億円と10億円に届かず、「インクレディブル・ハルク」は5億円、2011年の「マイティ・ソー」は5億円、「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」は3.1億円といった残念な結果でした。

ところが、2012年の「アベンジャーズ」では、これらのキャラクターが結集し、かなり大規模な作品となり、興行収入36.1億円と一気に伸ばすことに成功しています。
そして、MCU映画の第22作で「アベンジャーズ」シリーズの総まとめ的な2019年の「アベンジャーズ エンドゲーム」では、世界で歴代興行収入ランキング1位を記録するとともに、日本でも興行収入61.3億円にまで伸ばしアメコミ映画の認識を大きく変貌させることになりました。
この10年にも及ぶ流れがあるため、日本においても「アベンジャーズ エンドゲーム」以降のMCU映画には、大きな注目が集まっているのです。
そんな中、「アベンジャーズ エンドゲーム」に匹敵するような作品が登場するとして注目が集まっているのが、今週末11月5日(金)公開の本作「エターナルズ」です。

この「エターナルズ」では、初登場のキャラクター10人が結集して、いきなり「アベンジャーズ」のような規模感での作品になる仕組みとなっています。
というのも、まず物語は「アベンジャーズ エンドゲーム」以降の世界を描いています。つまり、全宇宙で最大の脅威とされた「サノス」により人口の半分が消失した地球。それをアベンジャーズによって救われ人口が戻った後の世界です。
そして、アベンジャーズのチームはバラバラになりましたが、地球に“最大級の危機”が訪れます。そこで明かされるのが、実はアベンジャーズの能力を超えるレベルのメンバー達が7000年以上も前から地球に存在していたということ。
その名は、永遠に変わらない姿をしている「エターナルズ」。

7000年前に地球に現れた邪悪な種族「ディヴィアンツ」から守るために10人の「エターナルズ」が集結し、その後は各自がバラバラになっていましたが、再び「ディヴィアンツ」が現れたことで、再結集する流れとなります。
これまでの「アベンジャーズ」の場合は、文字通り10年をかけてそれぞれのキャラクターの主役映画があり、それぞれのキャラクターに魅力や認知度がありました。
ところが、「エターナルズ」の場合は、いきなり初登場の10人のキャラクターがいて、彼らの活躍を描く、という大胆な試みだと言えます。
イメージとしては、2014年のMCU映画の第10作「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のようなものなのかもしれませんが、「エターナルズ」は“新たな最強ヒーローチーム”なので、やはり別格な作品でしょう。
しかも、邪悪な種族「ディヴィアンツ」というのは、あの“宇宙最凶最悪の敵・サノスをも超える敵”とされているので、「エターナルズ」は「アベンジャーズ」を超える守護者チームとも言えます。

では、ここまでの予備知識を基に、本作の分析をしていきます。
まず、最初に「スター・ウォーズ」のように、これまでの「エターナルズ」の流れが文章で紹介されます。
これは、ちょっと独特な名前や世界観が出てくるため、追えない人が出てくるのかもしれません。
大まかに押さえておくくらいでOKだと思いますが、冒頭は少し集中してみてください(この冒頭部分は、「字幕版」も「吹替版」も同じ形式になっています)。
そして、上映時間は2時間36分となっていて、10年間の集大成であった「アベンジャーズ エンドゲーム」の3時間1分よりは短いものの、初めての作品としては割と長めとなっています。
とはいえ、本作でメガホンをとった「ノマドランド」のクロエ・ジャオ監督は「短すぎる」と言います。
それは、ごもっともで、何といっても7000年以上という期間を描く必要があり、「エターナルズ」の10人のメンバー、アクションシーン、人間模様など様々なものを描かないといけないからです。

それもあってか、本作では、かなり時間が行ったり来たりします。
しかも、7000年という規模感の中での動きなので、1000年単位の時、100年単位の時、はたまた数日単位の時、などとなっていて、割と注意深く見ないと混乱が起こり得るのです。
そのため、私は最初に「字幕版」を見たので、本作は分かりやすい「吹替版」向きかな、と予想していました。
ところが、「吹替版」には、意外な弱点がありました。
それは、初めてのキャラクター達で全く名前を知らないため、「字幕版」だと文字で何となく視覚的に追えていたものが、「吹替版」だと耳から抜けていってしまい、区別が付きにくいという面があったのです。
以上の結果から、本作を見る際には、「字幕版」か「吹替版」かを問わず、事前に「エターナルズ」の10人の名前と特徴を覚えていた方が良いと思います。
まず、「エターナルズ」の10人の前に、そもそも“エターナルズの創造主”である「セレスティアルズ」という存在がいます。

そのもとで、順番に10人の「エターナルズ」の特徴を確認していきましょう。










この登場メンバーを覚えておくと、「吹替版」の方が分かりやすくていいのかもしれません。
さて、ここで、肝心な興行収入について考察してみます。
先ほどのキャラクター紹介の際に、「スーパーマン」や「バットマン」というキーワードをあえて入れましたが、まさにこれは、本作でも登場するワードなのです。
つまり、「マーベル・コミック」映画の中で、ライバルである「DCコミックス」の“ヒーロー名”が出てくるのです!
これは、マーベル作品の中では、一般の人たちは日常で「娯楽」として映画などを見るため、彼らは「スーパーマン」や「バットマン」というコンテンツを知っている、という前提だと思われます。

この流れで考えると、「エターナルズ」のメンバーの能力は、DCコミックスのヒーローが結集する、(マーベルの「アベンジャーズ」に相当する)「ジャスティス・リーグ」に割と似ている、ということに気付きます。
さらに言うと、本作「エターナルズ」は、「スーパーマン」や「バットマン」などの単体の映画を作らずに、一気に「ジャスティス・リーグ」を作った、というような壮大で意欲的な作品だということも分かるのです。
ちなみに、DCコミックスの「ジャスティス・リーグ」の場合は、2017年に公開され、日本での興行収入は11億円を記録しています。

そのため、通常で考えると、本作は前準備がなくハードルが高い分、これよりも下回ることが想定されます。
ただ、何と言っても、本作は今や日本も含め世界的に大きな注目を集めるMCU映画です。
そして、世界で歴代興行収入ランキング1位を記録した「アベンジャーズ エンドゲーム」の後を早く知りたい、という欲求も大きくなっています。
このMCUブランドと「アベンジャーズ エンドゲーム」後という仕組みがあれば、新たな展開となる本作にも注目は集まり、通常よりヒットが見込みやすくなるはずです。
そこで、まずは興行収入15億円を目指して頑張ってほしいところです。
なお本作は、エンドロール中でも情報等があるため、席を立たないようにしましょう!

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