仏映画サイトユーザーが選ぶ、クリストファー・ノーラン作品トップ10
2020年8月15日 18:00
[映画.com ニュース]最新作「TENET テネット」の公開(日本では9月18日)が控える、クリストファー・ノーラン監督。フランスの映画情報サイトallocineが、ユーザーによるノーラン監督作品の人気ランキングを発表した。ランキングは、0~5でなされた評価の平均値と評価人数で算出。ランキングと、各作品へのコメントを引用して紹介する。果たして1位は?
「彼のフィルモグラフィーの中で唯一脚本を書いていないが、アル・パチーノとロビン・ウィリアムズの心理的で緊張感のある対決、殺人犯と警察官の間で繰り広げられる駆け引き、主人公の睡眠不足に見られるような時間の概念など、ノーランの作風にフィットしている」
ノーランの長編第3作で、97年の同名ノルウェー映画のリメイク。製作総指揮にスティーブン・ソダーバーグとジョージ・クルーニーが参加。白夜の季節のアラスカの小さな町で起きた全裸の少女の猟奇殺人事件を描く。
「その始まりから、彼の執着の一貫性が強調されて見える作品」
ノーランが監督・脚本・製作・撮影・編集の5役を兼ねて作り上げた長編デビュー作。作品のためにストーカーや窃視行為をする作家志望の青年を描く。ロッテルダム映画祭をはじめ、世界各国のインディペンデント系映画祭で“ヒッチコックの再来”と讃えられた。
「3つの視点と複数の場所(陸、海、空)と時間軸(1週間、1日、1時間)を織り交ぜながら、1940年5月の北フランスでの連合軍を描く。アカデミー賞3部門を受賞した本作は、ノーランが戦争映画に個人的な方法で取り組んだ技術的な力作」
ノーラン監督が、初めて実話をもとに描く戦争映画。史上最大の救出作戦と言われる「ダイナモ作戦」が展開された、第2次世界大戦のダンケルクの戦いを描く。
「フランク・ミラーのコミック『イヤーワン』や映画『フレンチ・コネクション』などからインスピレーションを得たノーランは、キャラクターへのリアルなアプローチと、非の打ち所のないクリスチャン・ベイルの衣装で、その賭けに成功した」
DCコミックスの人気キャラ「バットマン」の物語。両親を目の前で殺された大富豪ブルース・ウェインが、いかにしてバットマンとなり、悪と戦うに至るかを描く。
「即時の記憶喪失に苦しむ主人公が物語を語る方法こそが、ノーランを感動させ、彼のフィルモグラフィーのその後を予感させる作品」
強盗犯に襲われて妻を失い、頭部を損傷し、約10分間しか記憶を保てない前向性健忘という記憶障害になったレナード。彼は、ポラロイド写真にメモを書き、体中にタトゥーを彫って記憶を繋ぎ止めながら、犯人を追う。
「異なるスタイルで互いに優位に立とうとしている2人のマジシャンの対決を中心に、紆余曲折を繰り返しながら最後のひねりを加えていく。2人の主人公は、ノーランの映画の2つの側面(壮大なものと頭脳的なもの)を表していますが、この物語は、芸術のために払う犠牲も表現している」
クリストファー・プリーストの小説「奇術師」を映画化。19世紀末のロンドンを舞台に、ライバル関係にある2人の天才マジシャンが、お互いの意地とプライドを賭けて戦いを繰り広げる。
「フランス革命中のチャールズ・ディケンズの『二都物語』からインスピレーションを得たノーランは、2005年に始まったこの冒険に終止符を打つのと同じように、貧困層の富裕層に対する蜂起を思い起こさせる」
「バットマン ビギンズ」「ダークナイト」に続くシリーズ完結編。「ダークナイト」から8年後を舞台に、ゴッサム・シティを破壊しようとする残虐な殺し屋ベインと戦い、謎に包まれたキャット・ウーマン/セリーナ・カイルの真実を暴くブルース・ウェインの姿を描く。
「ノーランの全てを変えた映画。フェティッシュなテーマを別の方法でアレンジし、間違いなくその名を世に知らしめたこの作品は、最も完成度の高い作品の一つであると同時に、彼の映画の礎でもある」
人が眠っている間にその潜在意識に侵入し、他人のアイデアを盗みだすという犯罪分野のスペシャリストのコブは、その才能ゆえに最愛の者を失い、国際指名手配犯となってしまう。そんな彼に、人生を取り戻す唯一のチャンス「インセプション」という最高難度のミッションが与えられる。
「ノーランは、本作である閾値を超えた。文字通りにも比喩的にも、宇宙の旅に出るために本土を離れ、そのモデルであるスタンリー・キューブリックやスティーブン・スピルバーグの足跡をたどることができる」
世界的な飢饉や地球環境の変化によって人類の滅亡が迫る近未来を舞台に、家族や人類の未来を守るため、未知の宇宙へと旅立っていく元エンジニアの男の姿を描く。
「伝統と現代性を組み合わせることで批評家や観客を納得させることができるブロックバスター映画の監督であることに加えて、オールタイムで最高のスーパーヒーロー映画の一つであると考えられている」
「バットマン ビギンズ」の続編。ゴッサム・シティに現れた史上最悪の犯罪者ジョーカー。バットマン=ブルース・ウェインは、協力するゴードン警部補や新任地方検事ハービー・デントらとともにジョーカーに立ち向かう。
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トニー・レオンとアンディ・ラウが「インファナル・アフェア」シリーズ以来、およそ20年ぶりに共演した作品で、1980年代の香港バブル経済時代を舞台に巨額の金融詐欺事件を描いた。 イギリスによる植民地支配の終焉が近づいた1980年代の香港。海外でビジネスに失敗し、身ひとつで香港にやってきた野心家のチン・ヤッインは、悪質な違法取引を通じて香港に足場を築く。チンは80年代株式市場ブームの波に乗り、無一文から資産100億ドルの嘉文世紀グループを立ち上げ、一躍時代の寵児となる。そんなチンの陰謀に狙いを定めた汚職対策独立委員会(ICAC)のエリート捜査官ラウ・カイユンは、15年間の時間をかけ、粘り強くチンの捜査を進めていた。 凄腕詐欺師チン・ヤッイン役をトニー・レオンが、執念の捜査官ラウ・カイユン役をアンディ・ラウがそれぞれ演じる。監督、脚本を「インファナル・アフェア」3部作の脚本を手がけたフェリックス・チョンが務めた。香港で興行ランキング5週連続1位となるなど大ヒットを記録し、香港のアカデミー賞と言われる第42回香港電影金像奨で12部門にノミネートされ、トニー・レオンの主演男優賞など6部門を受賞した。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
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文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。