フレンチ・コネクション

ALLTIME BEST

劇場公開日:1972年2月26日

解説・あらすじ

 ニューヨーク、麻薬密売ルートを探るポパイことドイルと相棒のラソー両刑事は、マルセイユからやってきたシャルニエの尾行を開始。強引な捜査を行なうドイルは逆に命を狙われることになり……。ニューヨーク市警の刑事ふたりが繰り広げる決死の捜査を描いたサスペンス・アクション。高架線下のカーチェイスは映画史に残る名場面となった。

1971年製作/104分/G/アメリカ
原題または英題:The French Connection
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:1972年2月26日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第29回 ゴールデングローブ賞(1972年)

受賞

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) ジーン・ハックマン
最優秀監督賞 ウィリアム・フリードキン

ノミネート

最優秀脚本賞 アーネスト・タイディマン
詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

3.5 尾行シーンの多彩な表現が印象的。

2024年10月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! (1件)
すっかん

3.5 迫力満点のカーチェイス

2026年8月21日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! (0件)
ジョニーデブ

4.0 映画史に残るカーアクションの緊迫感とポパイ役ジーン・ハックマンの人間味あふれる名演

2026年7月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、TV地上波

怖い

斬新

ドキドキ

アメリカ映画の社会派監督のウィリアム・フリードキン(1935~2023)の名前を知ったのは、悪魔祓いの「エクソシスト」(1973)が日本公開された高校2年生の時で、洋画界の話題を前年末のブルース・リー主演の「燃えよドラゴン」から引き継ぎ、独占状態だった。田舎の小さな町の至る所に、30㎞離れた「燃えよドラゴン」上映館のポスターが貼られ、「エクソシスト」はテレビで数多く取り上げられていた記憶があります。兎に角今では考えられないくらい、映画が日常生活に密着した娯楽でした。ただどちらも自分の興味に嵌らないジャンルだったため劇場鑑賞しませんでした。その後、東京の名画座で「真夜中のパーティー」(1970)を観た程度で、この「フレンチ・コネクション」は地上波テレビで見学しました。映画日記には記録されていませんから感想を書くつもりもなかったようです。それでも地下鉄を追跡するポパイの車の派手なカーアクションには度肝を抜かれました。

この掴みどころの難しいフリードキン監督の出世作にして名高い代表作を、「エクソシスト」始め「恐怖の報酬」(1977・監督自身認める最高傑作)、「L.A.大捜査線/狼たちの街」(1985)、「BUG/バグ」(2006)など未見では何も言えないのですが、テレビ映画にて「12人の怒れる男 評決の行方」(1997)を、遺作もリメイクの「ケイン号の反乱」(2023)から、ある程度フリードキン監督の気質が想像できます。「恐怖の報酬」含め、先人の名作をリスペクトしながらも、独自の切り口で再映画化するという自信と使命感みたいなものまで感じます。またこの麻薬捜査官の犯人追及の執念深さを描くのに参考にした作品が興味深く、それがジャン・ピエール・メルヴィルの「サムライ」(1967)とコスタ=ガブラスの「Z」(1969)という硬派なフランス映画。政治の実態、信念の男の生き様、法の正義、そしてバイオレンスと得体の知れない恐怖と並べて、この作品にも当て嵌まるのではないかと思われます。そして経歴を見ると、テレビのドキュメンタリー番組で演出を経験したとあり、この客観的視点が基礎となっていることも分かるのです。

原作は、ノンフィクション作家のロビン・ムーア(1925~2008)が1961年に実際にあったトルコからフランスを経由してアメリカに密輸された40Kの麻薬押収事件を題材に執筆した『フレンチ・コネクション』(1969)。このムーアは第二次世界大戦に従軍し、ベトナム戦争では陸軍特殊部隊グリーン・ベレーに在籍して派遣された強者で、ジョン・ウェイン主演の「グリーン・べレー」(1968)の原作者で有名だそうです。脚本は「黒いジャガー」(1970)の原作者でもあるアーネスト・タイディマン(1928~1984)。この脚本の特徴は、通常の起承転結のドラマ性はなく、地味で我慢強い捜査の段階が映画の約半分を占め、前半は殆ど盛り上がりの無い、じわじわとした感覚が却って現実的とも言えるでしょう。一般の人が知り得ない犯罪組織の内部と、その犯罪の証拠を探る捜査官との攻防が主人公ポパイの直観を頼りに進んで行きます。物語が動き始めるのは、取引を任されているサルバトーレ・ボカの店を盗聴して直観が当たった時。ニューヨークの舗道で張り込み尾行を重ねて、ヘロイン密輸シンジケートのボス、アラン・シャルニエとポパイが駆け引きする地下鉄のシークエンスの面白さ。それ以上にこの展開の読めない心理戦を的確に映像表現したカット編集の巧さが光ります。ジーン・ハックマン(1930~2025)のキャラクター表現とシャルニエのフェルナンド・レイ(1917~1994)の刑事を小馬鹿にしたような横柄さと強かさが人間ユーモアであり、ドアに傘を挿したアップショットのサプライズ。ここからワシントンD.C.の密会でマフィアたちの焦りを入れて、ブルックリンの舗道でポパイが狙撃されるサスペンスからクライマックスのカーチェイスに至る緩急の構成力。ポパイが車を運転してから、殺し屋ピエール・ニコリを仕留めるまで約7分の緊迫感とバイオレンスは、55年経った今日の視点からでも圧倒的です。猛スピードで地下鉄車両を追うポパイの運転の荒さの危機一髪、運転士が発作を起こし暴走する列車に、高架線を下から捉えたカットとローアングルでスピード感を演出した臨場感と、見事に尽きます。警察官が殺し屋とはいえ丸腰の犯人(それも後ろ向きになったところ)を撃つことに、モデルとなったエドワード(エディ)・イーガン(1930~1995・ウォルト・シモンソン役で出演)の相棒サルバトーレ(ソニー)・グロッソ(1930~2020)が抗議し、撮影協力から離脱したのも頷けます。しかし、このポパイの執念の追跡の落とし所として、映画的にはインパクトがありました。宣伝ポスターに使われたのも納得です。ニコリが階段を転げ落ちて、そこでポパイも崩れ落ちる演出がいい。主演候補だったポール・ニューマンやスティーブ・マックイーンだったら決してしない演出です。更に「ダーティハリー」のクリント・イーストウッドでもしなかったでしょう。ここにジーン・ハックマンが演じたポパイの人間味が溢れています。

運び屋アンリ・デブローの車を押収して麻薬の隠し場所を探り当てるところから、取引場所を突き止め一網打尽にする結末も、リアリティのある表現でじわじわと展開します。しかし、ここで最もショッキングなのは、一緒に捜査していた連邦捜査官(財務省麻薬取締部)のマルデリグを間違って撃ってしまうポパイの異常な心理状態です。不可抗力と分かっていても、ここまで精神的に追い詰められる刑事の仕事が如何に激務であることか。ダークな灰色一色な廃墟の背景と不気味な音楽が最後を閉めます。ラストカットのポパイが放つ銃声の音だけが響く演出もいい。

昨年亡くなられたジーン・ハックマンのニュースは、ファンとしてとても悲しく思いました。95歳の長寿ながら病に苦しんだことを知って、悪役もありながら人懐っこい優しさに溢れた演技の印象が強く、色々と考えてしまいました。最初にハックマンの演技に惚れたのは、アメリカン・ニューシネマの元祖「俺たちに明日はない」(1967)でした。「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)「スケアクロウ」(1973)、続編の「フレンチ・コネクション2」(1975)と40代前半の充実した仕事振りです。共演のクラウディ・バディ・ルソー役のロイ・シェーダー(1932~2008)も好演でハックマンとの演技の相性もいい。地味ながら演技派の渋い俳優のイメージです。そして、スペイン出身のフェルナンド・レイのキャスティングの良さ。これもポパイ同様、フリードキン監督が要望した俳優で無かったことを知ると、キャスティングというものの難しさ、やってみないと分からないこと、全て結果論で評価されることの厳しさを思います。レイは、スペイン映画の名作「汚れなき悪戯」(1955)では神父役でしたが、その後国際的に活躍すると悪役が多かったイメージです。その他脇役も皆個性的で安定した演技を見せてくれます。音楽はドン・エリス(1934~1978)の都会的なメロディとテンポの良いフィルムノワール的暗鬱さ。撮影オーウェン・ロイズマン(1936~2023)の映像は、フリードキン監督のドキュメンタリー的リアリズムと映画的な迫力の両面を巧みに表現して、かっちりしたモンタージュではないのに、自然に流れるようなリズムがあります。

ドン・シーゲル監督の「ダーティハリー」と比較されやすい作品ですが、観直してどちらも大変満足しました。シーゲル作品はアメリカ映画伝統の映画作りを感じ、フリードキン作品には、ニューシネマの印象を持ちました。ハックマンとイーストウッド共に1930年生まれの40歳過ぎての主演映画の代表作。しかもモデルの刑事の二人も1930年生まれ。偶然とは言え、同世代で並びました。このモデルのエディとソニーは事件当時31歳だったことになります。小説から映画になって、その優秀さが知れ渡り報われたことは、とても良いことであり、映画ファンにとっては、社会の未知の暗部を知る貴重な映画視聴になると思います。

コメントする (4件)
共感した! (4件)
Gustav

4.0 エキサイティング

2026年4月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

【概要】1961年NYで起きた実在の事件をモデルにしたバディ刑事物語を生々しく描く
【感想】スピーディーな展開とリアリティあるラストで魅せる社会的普遍劇で悪を問う
【哲学】悪と善は永遠のいたちごっこ

コメントする (0件)
共感した! (0件)
@SAY

「フレンチ・コネクション」シリーズ関連作品