韓国の演技派女優シム・ウンギョン、「新聞記者」で実感した“難しい”芝居とは?
2019年6月27日 12:00
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[映画.com ニュース] 現役の新聞記者である望月衣塑子のベストセラーを原案に、官邸とメディアの攻防を描く「新聞記者」が、6月28日から公開される。松坂桃李と共に主演を務めたのは、大ヒットした韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」「怪しい彼女」などで知られるシム・ウンギョン。2年前から日本の芸能事務所に所属し、本格的に日本進出を果たしたシムに、本作の話を聞いた。
「青の帰り道」「デイアンドナイト」の藤井道人監督がメガホンをとった本作は、若き新聞記者とエリート官僚の対峙と葛藤を描く社会派サスペンス。大学新設の極秘情報を追う記者・吉岡エリカをシム、理想とは裏腹に現政権に不都合なニュースをコントロールするという職務を担う官僚・杉原拓海を松坂が演じている。
劇中で流ちょうな日本語を話しているシムは、インタビューの受け答えも日本語で行っていた。「今でも日本語のイントネーションは難しいです」と苦笑したが、「話すことが大事だと思うので、なるべく日本語で話しかけて頑張っています」と勉強熱心な一面をのぞかせた。
本作の出演のきっかけは、プロデューサーからオファーを受けたことだった。「台本を読んで、最初は高いハードルだなと思いました。今の私の日本語レベルでできるのかということと、演じること自体も難しいキャラクターでした。私は、今の時代に生きている普通の人の姿を見せるお芝居が一番難しいと思っています。なので、吉岡という役を演じるのがとても難しかったです」。
それでも出演したいと思ったのは、脚本を読んで本作の持つ深いメッセージに心を打たれたからだという。「この作品は“真実と選択”の話だと思っています。真実とはなんなのか、私たちが信じている真実は本当なのか、真実を知った時にどういう選択をするのか。そういうメッセージを、吉岡と杉原の生き方を通して描くところに感動して、出演したいと思いました。吉岡たちの行動、生き方、2人の周りの登場人物の姿に、今の時代を生きている私たちの群像がちゃんと見えたんです」。
撮影期間は短かったそうだが、「クランクインからクランクアップまで、ずっとこの作品のことを考えていました」と集中力を高めて臨めたという。「それくらい集中しないと撮れないと思っていたんです。日本での撮影は私にとってとても貴重な経験になって、お芝居に対しても自分の中では成長できたかなと思っています」。
中学生時代から日本映画に親しんできたというシムは「是枝裕和監督や岩井俊二監督の作品など、日本映画に影響を受けてきました。私もこういう映画を(自分で)撮りたいと思ったこともあります。いつか日本で仕事ができたらうれしいとずっと思っていましたが、今では現実になりました」と笑顔を見せる。
今年は5月に終演した舞台「良い子はみんなご褒美がもらえる」の出演や本作のほか、10月には夏帆と共演した映画「ブルーアワーにぶっ飛ばす」の公開が控えている。「これからはまだ経験のない悪役や、中島哲也監督の『告白』で松たか子さんが演じていたような役を演じてみたいです。日本でチャレンジしたい作品があれば、頑張ってやります」。高いハードルだったという本作を経て、日本でさらに活躍の場を広げそうだ。
「新聞記者」は6月28日から全国公開。
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