■70歳のオ・マルスン(ナ・ムニ)は、毒舌だが女手一つで育て上げた大学教授のお堅い息子パン・ヒュンチュル(ソン・ドンイル)や、孫のロッカー、パン・ジハ(ジニョン)、パン・ハナ(キム・スルギ)と、にぎやかに暮らしていた。
だが、ある日元奉公人のパク(パク・イナン)が経営する老人向けカフェで、同年の老女と喧嘩してしまい、トボトボと歩いていると「青春写真館」というオードリー・ヘップバーンの写真をウインドーに掲げた小さな写真館を見つけ、ふと中に入り薄化粧をして写真を撮って貰う。すると、あーら不思議、彼女は20歳に戻っており、夫が早逝した後に、生活や子育てに追われる人生を送ってきた彼女が、「全盛期」を取り戻し、名前をオードリー・ヘップバーンにあやかって、オ・ドゥリと名乗り、初めて思い通りの人生を歩んでいく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ヤッパリ、この作品は当時20歳のシム・ウンギョンさんの魅力に尽きる。脚本もとても良くって、中盤までは可なり笑いながら鑑賞するが、後半はとても沁みるのである。
・私が、今作の日本リメイクである多部未華子さん主演の「あやしい彼女」を映画館で観たのは、8年前であるがその際に今作を知り速攻でレンタルビデオ屋に直行したモノである。因みに、個人的には「あやしい彼女」も多部未華子さんの演技と歌が絶品である邦画コメディの逸品である事は、敢えて記す。
・シム・ウンギョンさんは、その後、今や若手邦画監督の筆頭株である藤井道人監督のポリティカル映画「新聞記者」(これも、逸品である。)に出演したが、(内容が可なりポリィティカルであったため、日本の女優が軒並み出演を断った。)タドタドシイ日本語で懸命に演技していた事を思い出す。
筋が逸れてしまった・・。
・ジム・ウンギョンさんが当時、実年齢も20歳だったのに、70歳のお婆ちゃんの様な演技や話し方が、絶妙に上手い事が分かる演技に、唸らされるのである。矢張り演技派女優さんなんだよなあ。
■孫のロッカー、パン・ジハ(半地下。クスクス)に、その歌声を認められ、更にイケメン音楽プロデューサーに、その才能を認められても、彼女の生き方は自由奔放である。
だが、徐々に彼女の怪しい部分が明らかになり、学教授のお堅い息子パン・ヒュンチュルが”お母さんでしょ!”と涙ながらに彼女に言うシーンは沁みたなあ。
<そして、孫のパン・ジハが事故に遭い、オ・ドゥリはオ・マルスンを助けるために、RH-の血液を輸血する事に合意するのである。
今作は、20歳のシム・ウンギョンさんのコメディエンヌの魅力全開作品であり、多数のリメイク作を産んだ事が良く分かる韓国ヒューマンコメディの逸品なのである。>