岸井ゆきの×成田凌で描く“完全なる一方通行の恋” 角田光代「愛がなんだ」映画化
2018年6月10日 05:00
[映画.com ニュース] 直木賞作家・角田光代氏が2003年に発表した恋愛小説「愛がなんだ」が、今泉力哉監督のメガホンで映画化することが決定した。岸井ゆきのが「おじいちゃん、死んじゃったって。」に続く2度目の主演を務め、「キセキ あの日のソビト」「ニワトリ★スター」の成田凌が共演する。
主人公は、5カ月前に一目惚れしたマモル(成田)のためならば、仕事も友達もそっちのけにしてしまう28歳のOL・山田テルコ(岸井)。仕事を失いかけても、親友に冷たい目で見られても、マモルのそばにいられるだけで幸せなテルコ。だが、マモルにとって彼女はただの都合の良い女でしかなかった。好きになってくれない男を一途に追いかけてしまうテルコの“完全なる一方通行の恋”、やがて下した思いがけない“決断”を描き出す。
「好きな人のためなら仕事中でも電話に出て、食事に誘われればすぐ退社。クビ寸前でも構わず、当たり前のように彼の時計で生きている、主人公・テルコをまさか演じることができるとは! 原作の面白さ故のプレッシャーや不安は尽きませんが、今とても嬉しいです」と胸中を吐露する岸井。「映像だから出来ること、テルコなりの1、2歩、いや4、5歩先をいく気遣い、何周もまわりにまわった恋とも愛とも言い切れない奇妙な執着を、心強いスタッフキャストの皆さんと共に、映画へしっかりと繋いでいきたいと思っています」と意気込みを明かした。
「劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」(7月27日公開)、「ここは退屈迎えに来て」(今秋公開)、「チワワちゃん」(2019年公開)といった待機作が控える成田。「愛がなんだ」というタイトルについて「どう生きていたらこの言葉を言える時が来るんでしょう。その1つの答えみたいな映画になればいいなと思います。勝手に、答え、とか言ってすみません」と言及する。そして「角田光代さんの物語の住人になれること、やっと、今泉力哉監督とご一緒できること、そして岸井ゆきのさんをはじめとする、素晴らしいキャストの皆様との共演を楽しみにしています」と語っている。
今泉監督は「両想いなんて存在しないのでは、と言い続けてきた私の元に、この小説を映画化しませんかという話が来て、これは、と嬉しくなりました」と喜ぶ一方で「角田さんの小説は本当に面白く、台詞だけに限らず、その言葉や空気、テンポ、そのどれもがとても繊細で、滑稽で、映画化はすごく大変だな、怖いな、と思っております」と告白。岸井と成田をはじめとしたキャスト陣、信頼のおけるスタッフや原作の魅力に頼りつつ「自分なりの『愛がなんだ』がつくれたらと思っています。完成しても、絶対、愛がなにかなんてわかり得ないけれど」とコメントを寄せている。
「愛がなんだ」は、6月中旬より都内近郊でクランクイン。19年公開予定。