久石譲&辻井伸行、山崎賢人「羊と鋼の森」エンディング曲で初タッグ!美しい旋律響く本予告完成
2018年3月6日 05:00
[映画.com ニュース] 宮下奈都氏の小説を山崎賢人の主演で実写映画化する「羊と鋼の森」のエンディングテーマが、作曲・編曲を久石譲、演奏をピアニストの辻井伸行氏が担当する「The Dream of the Lambs」に決定。あわせて、同曲が収録された本予告編もお披露目された。
2016年本屋大賞第1位、「2016年キノベス!」第1位、「2015年ブランチブックアワード」大賞と3冠を達成した小説を、「orange オレンジ」の橋本光二郎監督が映画化。ピアノの調律師・板鳥宗一郎(三浦友和)との出会いを機に、調律師の仕事に魅せられた青年・外村直樹(山崎)が成長していく姿を描く。
原作「羊の鋼の森」は「本から音が聴こえてくる」という感想が出るほど、表現力が豊かな物語だ。その世界観、そして“ピアノ”の魅力を最大限に活かせるテーマ曲を求めていた製作陣は、元々原作を読んでいたという日本映画音楽の第一人者・久石、世界トップクラスのピアニストである辻井氏に楽曲制作をオファー。依頼を快諾した2人は、17年夏、コンサートホールにオーケストラを集め、久石自らタクトを振り、曲の収録を行った。初対面となった久石と辻井氏は互いに「お会いできて光栄です」と喜びの気持ちをあらわにし、演奏終了後も「本当に楽しかった」と満面の笑みを浮かべるほど、充実の時間になった。
「(原作は)オファーをいただく前に読ませていただきました。成長譚の美しくてとても良い話。だからこそ、綺麗なだけで終わらないように、映画の奥行を出せるように、シビアなミニマル的な部分とメロディアスな部分の交差する曲を作るように意識しました」という久石は、辻井氏について「古典的なスタイルをとりつつ、現代的な曲を作ったのですが、見事に弾いてくれました。辻井くんは本当に素晴らしいピアニストで、特にリズム感が凄いです。無駄なものが無いきちんとしたリズム」と絶賛。「辻井くんとはまたぜひ一緒に演奏させていただきたいですね」と再タッグに意欲的だ。
「オファーをいただく前に原作を点字の本にして読んでいましたが、ピアノをやっている人なら皆さん興味のある話だと思います。曲にもたくさんのイメージがあったり、ピアノには壮大でカッコいいところがあったり、いろいろな面白いことが分かる素晴らしい物語」と本作の内容に感銘を受けた辻井氏。「そんな映画の演奏を、久石さんとご一緒させていただけたのは本当に光栄でした」と尊敬の念をにじませている。また、自身にとってピアノの調律師は「なくてはならない存在」と説明し「ピアニストは演奏するときは一人ですが、調律師さん、観客の皆さんと一緒にコンサートを作り上げていると思っています」と語っている。
「The Dream of the Lambs」が挿入されている本予告では、「今お前に必要なのは、1台でも多くピアノと向き合うこと」と直樹にアドバイスする兄貴分・柳伸二(鈴木亮平)、楽しそうに演奏する高校生の姉妹ピアニスト・佐倉和音&由仁(上白石萌音&上白石萌歌)、「勘違いしちゃいけないよ。ピアノは弾く人のあるんだ。そこに調律師がしゃしゃり出てどうするの?」と疑問を呈する調律師・秋野匡史(光石研)らの姿を活写。直樹が彼らとの交流を経て、悩み、迷い、挫折を経験しながらも、調律師として一歩ずつ前進していくさまが切りとられている。