岡田将生、仏語で堂々とスピーチ 「アントキノイノチ」モントリオールプレミア
2011年8月20日 18:27
[映画.com ニュース] 第35回モントリオール世界映画祭(8月18~28日)のワールド・コンペティション部門に正式出品された映画「アントキノイノチ」(瀬々敬久監督)が、8月19日(現地時間)にプレミア上映され、瀬々監督、主演の岡田将生と榮倉奈々が、舞台挨拶を行った。観客は若い世代が多く、岡田は「今日はありがとうございます。歴史あるモントリオール世界映画祭に来ることができて良かったです。この映画では、人と人がつながっていく大切さを描いていますが、今、みなさんとつながれた気がします。またモントリオールに来たいです」という内容を、すべてフランス語で堂々とスピーチ。会場からはあたたかい拍手が起こった。
海外版タイトルは「Life Back Then」。原作は、さだまさしの同名小説で、去に傷を負った若者2人が、“遺品整理業”という職業を通じて出会い、人と人とのきずなに触れ合ううちに再生を遂げていく姿を描く。「余命1ヶ月の花嫁」「Life 天国で君に逢えたら」などで、命というテーマに向き合い続けてきた製作チームが手がけた。
榮倉も、岡田に負けじと仏語で自己紹介し、「今、日本の人たちが、命や、生きることについて考える機会が多くなっているこの時期に、この映画に出会えて、私はとても幸せです。みなさんにも同じ気持ちになっていただけたら、すごくうれしいです」と観客へ呼びかけた。
同作を鑑賞した20代の女性は「ふたりの演技、表現力に心が動かされました。みんな泣いていたと思います。私の周りでは泣いているのが聞こえました」と話す。また、20代の男性は3月11日に起きた東日本大震災についても触れ、「家族の間でさえ連絡を取ることがなくなってしまうこともあり、自分の父、母、妻、子どもと話をすることの大切さを教えてくれました」と感想を語った。
瀬々監督は、前作「ヘヴンズストーリー」が第61回ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞とNETPAC(最優秀アジア映画)賞をダブル受賞するなど、国際的に認知度が高く、今回も受賞の期待がかかる。なお、昨年は李相日監督作「悪人」に出演した深津絵里が主演女優賞を受賞。2009年は「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」の根岸吉太郎監督が監督賞に輝き、08年には滝田洋二郎監督作「おくりびと」がグランプリを獲得している。
「アントキノイノチ」は、11月19日から全国で公開。