伊ウディネでファーイースト映画祭開幕。日本映画13本が一挙公開
2009年4月30日 12:00

[映画.com ニュース] イタリア北東部の町ウディネで、アジアの人気映画を集めた第11回ファーイースト映画祭が4月24日に開幕。タイのアクション映画「マッハ!!!!!!!!」の続編となるトニー・ジャー初監督・主演の「Ong Bak 2(原題)」が同映画祭のオープニングを飾った。
9日間の開催期間中、日本からは日本アカデミー賞受賞作「おくりびと」を筆頭に、「ヤッターマン」「ハンサム★スーツ」「クライマーズ・ハイ」「ドロップ」「百万円と苦虫女」「愛のむきだし」など計13本が出品。三木聡監督の「インスタント沼」がワールドプレミア上映されたほか、「ジェネラル・ルージュの凱旋」の中村義洋監督特集、さらにはピンク映画の上映などバラエティ豊かなラインナップで上映される。
27日に行われた「K-20/怪人二十面相伝」の上映では、佐藤嗣麻子監督、阿部秀司プロデューサーが舞台挨拶に登壇。1400席の会場が超満員に膨れ上がる盛況ぶりで、上映後にファンに囲まれた佐藤監督は「ウケて良かった! 単純なストーリーだから分かってもらえるとは思ってましたけど。温かい映画祭で楽しいです」と笑顔を見せ、阿部プロデューサーも「日本で公開された時以上にリアクションがすごい!」とヨーロッパプレミアとなる今回の成功を喜んでいた。

観客のほとんどはイタリア人だが、日本版DVDは値段も高く、英語字幕すらないことが多いため、日本映画の上映を心待ちにしているファンは多い。中には、日本のJホラーの大ファンでベネチアから2時間かけて毎日通っている学生や、以前この映画祭で見た「デスノート」で松山ケンイチのファンになったという10代の女性などもいる。
アジア映画マニアだという30代の男性は「日本映画の魅力は漫画的なユーモア。『ハンサム★スーツ』は大笑いしたね! アニメ版も見ているし、大好きな三池祟史監督が撮った『ヤッターマン』がとても楽しみ」と語り、また「K-20」を見に来た日本映画初体験だという50代の男性は「日本映画を劇場で見たのは初めてだが、すごく大掛かりなエンターテインメントで楽しめたので、正直驚いている。この映画祭のおかげでこれまでは憧れていただけの日本文化にも触れることができるようになった」と語っていた。
小さな町をアジア一色に染めた今年のファーイースト映画祭は、5月2日に幕を閉じる。
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