インスタント沼
劇場公開日:2009年5月23日
解説
担当雑誌が休刊になって出版社を辞めた沈丁花ハナメは、泥沼のようなジリ貧人生をやり直そうと思っていた矢先に、自分の父親が“沈丁花ノブロウ”なる見知らぬ男だと記された手紙を発見する。事実を確かめようと手紙の住所を訪ねると、そこには“電球”と名乗る骨董屋の店主がいた……。監督は「転々」の三木聡、主演は深夜ドラマ「時効警察」でも三木とタッグを組んだ麻生久美子、共演は風間杜夫、加瀬亮、松坂慶子。
2009年製作/120分/日本
配給:アンプラグド、角川映画
スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る

- ×

※無料トライアル登録で、映画チケットを1枚発行できる1,500ポイントをプレゼント。
2023年2月27日
Androidアプリから投稿
小さい頃の嫌な思い出まで、何でも飲み込んでくれる「沼」は、生きていくための精神衛生上とても大切なものかも知れませんね。
そういう沼を、簡単に、どこにでも作り出せる「土蔵の中の土くれ」(そのものズバリ、インスタント沼)は、まさに100万円を投ずるに値する優れものだったのかも知れません。
あたかも、しおしおミロを作るみたいに(水道の蛇口をひねって)水を加えるだけでOKなのですから。
土蔵にいっぱいとは言わなくても、何回か分はほしいと思うのは、決して評論子だけではないと思います。(笑)
評論子は、あまり本数を見ていませんが、これが「三木ワールド」の醍醐味なのでしょうか。
興味深いいっぽんに、また出会えたと思いました。評論子は。
2022年8月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
■雑誌が休刊になり、出版社を辞めることになった沈丁花ハナメ(麻生久美子)。
男にも振られ、泥沼のようなジリ貧人生をやり直そうと身の回りの荷物を処分した矢先、衝撃の手紙を発見。そこには、実の父親が“沈丁花ノブロウ”という全く知らない男(風間杜夫)だと書かれていて…。
◆感想
・今作は、とりわけ大仰な物語が語られる訳ではない。
主人公の沈丁花ハナメ(麻生久美子)の生き方自体も、行き当たりばったりで、共感できる部分は少ない。
だが、今作が公開された2009年というのは、バブル崩壊後、徐々に経済が復活している時代でありながら、虚無感が漂っていた時代である。
今作が受け入れられた状況が良く分かる。
<三木監督の今作を含め、私が非常に好きな「転々」はその様な時代背景を意識しながらも、ポップで、キッチュな世界観を上手く映像化していたと思う。
三木監督が、その後超低評価映画を立て続けに公開し、(特に記載しない)私の居住区の映画館では、一番大きなシアターで鑑賞した際の、殆ど観客が入っておらず、笑いも全く起こらなかった事は良く覚えている。
今週末、三木監督の最新作が公開されるが、上映館は異常に少ない。
だが、私は一縷の想いを込めて、わざわざ一時間駆けて車を走らせて鑑賞予定である。
頼むよ!三木監督!と思ってしまうのである。>
2022年2月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
Amazon Prime Videoで鑑賞。
「時効警察」シリーズや「熱海の捜査官」のファンで、三木聡監督のつくり出す世界観が大好きな私ですが、監督の映画を観るのは恥ずかしながら今回が初めてでした。
オフビートな独特の世界観が炸裂し、ゆるいギャグにクスリとさせられ、散りばめられた小ネタのひとつひとつが刺さって来て、やっぱこの感じ好きだなぁ、と改めて思いました。
個性豊かな登場人物もいい感じ。電球は果たしてハナメの父親だったのか? ガスくんとハナメの関係は今後どうなるか? 想像したり考察するのが楽しくて仕方無かったです。
人生、幸せとは?
その答えは意外と近くにあるのかも…
辛い時は水道の蛇口をひねるのだ!
2022年2月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
何とも意味不明なタイトルだが終盤に来て納得。
ストーリーはジリ貧OLと瞼の父の奇妙な出会い物語と単純なのだが、元々、三木作品はキャラクターありきで、おかしな登場人物同士が絡んで起きる化学反応を愉しむ作風ですね。
テーマは沼、そのものずばりの泥々感、主人公の好物のMILOの練り物や妙な塗料など、また嵌ると怖いことから派生して骨董、占い、UMA、オカルトなど嵌りそうなもの全般が出てきます。
TVバラエティを作っていた名残りなのでしょうか、一般に言われるくだらないとか如何わしいことが好物で、珍品だらけの骨董屋、錆びた折れ釘に拘ったり徹底しています。
登場人物もしかり、いちいち胡散臭い、ニンニク臭を吐きまくったり水道を出しっぱなしにしてハラハラさせたりあえて顰蹙を買うようなことを織り込む中二病のような作風が持ち味ですね。
それにしても沼が出来るほど水道を使ったらいくら請求されるのか、無茶苦茶です。
このいい加減さや嘘っぽさが魅力でもあるのでしょうが個人的には嵌りませんでした。