タクシー運転手 約束は海を越えてのレビュー・感想・評価
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知らなかった隣国の史実
1980年5月に起こった「光州事件」を描いた韓国映画。
どこまでが史実かは分からないけど、韓国映画らしい迫力とアツさに溢れていて、胸がいっぱいになった。
だらしなくてしょーもなくて憎めない、ソン・ガンホの「小市民のオッサン」感が本当に素晴らしく、それがあるから観客はこの重いテーマをエンターテイメントとして受け入れられるし、事件の凄惨さや後半の彼の葛藤や苦悩もより引き立つように思う。
私はこの事件についてほとんど知識がなかったので、映画を見てからネット記事などで背景を少し読んだ。
今やアジア有数の民主主義国で、日本以上に開かれているようにすら思える隣国が、ほんの40年前まで民主化運動でこんなに苦しんでいたとは…今となっては信じがたい。
そして、この事件が世界中で報道されるようになっても、国内では長年正しい情報が伝えられず、今でも真実について不確実な点が多いらしい。
自国の民衆にためらいなく銃口を向け、丸腰の市民を棍棒で殴る軍人たちに葛藤はなかったんだろうか。
市民側には自分の家族や友達や知り合いがいるとは思わなかったんだろうか。
それにしても、彼のいいかげん英語でのいいがげんなコミュニケーション、「うまく話さなきゃ」とおどおどして口ごもってしまう私には羨ましい限り…。
緑色は自由の色
主役はちょっと昔の緑色のタクシーだ。
スピードもあんまり出なそうだし、馬力も大きくなくて、わりとすぐ具合が悪くなる。
だけど、何でも手動で、メカニカルな楽しさと自由度は今の車よりずっと高い。車に乗せられてる感より、乗ってる感を存分に味わえることでしょう。
緑色は自由の象徴だ。仲間のために疾走するちっちゃな緑色のタクシーは、そのままあの頃の市井の人々だと思った。
20年後、ソン ガンホの運転するタクシーは小綺麗だけどなんだか均一化されたような印象の車だった。
私は自分と照らし合わせ、はたと思った。心の中はいつまでも緑色のタクシーでありたい。
世界の眼
「韓国ほど住みやすい国はない。親に金を出してもらって勉強するために大学に入ったのに、デモなんかするなんてバカバカしい。」みたいなことを言ってるソウルのタクシー運転手の眼から見た世界の光景が、ものすごいテンションとスピードで変わってゆく。軍事政権が市民を凄惨な暴力で弾圧し、マスメディアを統制し、嘘の情報で世論をコントロールする腐りきった世界が、彼のナイーヴな世界の幻想を塗り替えてゆく。その丁寧な描写が素晴らしかった。
タクシー運転手達の、生活感とプライドと愛をあぶり出すような会話とアクションにも胸を打たれた。
過去の政治の酷い過ちを描くことで、世界の今を鋭く批判する。今の日本の映画界にこのような作品を産み出す知性と力があるだろうか?
心が震えた
めちゃくちゃ良かったです。心が震えました。光州事件を初めて知りました。社会派メッセージを中心に描きながらエンターテイメントに優れていて笑いあり、泣けました。軍が市民たちにひどい暴行を加えているシーンはまるでドキュメンタリーを見ているかのようです。
韓国って、、、
韓国に旅行したときに、見知らぬ人々から受けた親切が甦る。韓国の人ってほんとに損得なしに親切で、よくも悪くも感情の吐露が激しくて、同じような顔をした我々日本人とはずいぶん違うなと、知れば知るほど不思議な気持ちになる。
この国は大国に挟まれだいたいいつの歴史を見ても戦っている。だからなのか、市井の人々は耐えることも知っているし、時には無謀な戦いにもあえてでる。そんなことがたった一本の映画からはわかるはずもないのだが、俳優の演技が自然で、この映画での出来事すべてが事実に思える。いい映画だった。
でも色々思い出すにつれて、この国で女性として生きていくのは本当に心根がよくて、堪え性があって、主義主張にいきる男性を支えなくてはいけないなーと暗澹たる気持ちになったことも甦る。だからといって他の国、ましてや我が国がそうではないわけではないのだけど、、、、
盛り過ぎはマイナス。
久し振りの韓国作品(DVDの「フェイク」以来、嗚呼「新感染」も封開けてないや)、
しかも久し振りのガンホ兄貴、ハズレの訳はな買った期待通りの一本。
十二分に映画として良作なのだが、「事実を基にした」という点では終盤30分辺りからの演出が過剰でクドく感じてしまったのが残念。
兄貴が聖人君子ではない小市民を見事に演じているだけに、余計に。
歪んだ国家vs人の温かさ
大雑把な描きでも、脚色していても、この作品に込められた思いはストレートに伝わってくる。この映画、素直に受け入れる。今ある自由は、あまりにも大きな犠牲を払ってのこと。ほんの38年前に悲惨な出来事が、隣の国で起きていたことを改めて知ることができた。日本が経済的に浮かれていた頃、広州では軍が市民に銃を向けていた。映画では、広州市民の人間的なあったかさが随所に描かれているのが救われる。それと主演のソン・ガンホの表情に好感。
タクシー仲間達が良い奴過ぎる‼︎
特にファンが‼︎
ソンガンホがご機嫌で歌いながら運転してる
平和なシーンから始まり
お金目当てに記者を乗せてから
あれ?何かおかしい?
何が起こってる⁇
それからラストまで
緊迫感半端ない
迫力ありました。
検問所で見逃してもらえたり
仲間の命がけの助け(里見八犬伝ばり)があったにしても
よく無事に帰れたなと...
世界に真実が報じられて
沢山過ぎる犠牲が
少しは救われたのかな...
光州でこんな惨い事が起こってたなんて
この映画を見て初めて知りました。
ソン・ガンホ
悪いけど史実は凄いがこの映画は凄くない。
既視感連打ゆえか長く感じた2時間強に付き合ったのは、ソン・ガンホを見続けたかったからだ。
同種「デトロイト」より格段に良いのはソン・ガンホのお陰だ。
映画を一人で輝かせる稀有な俳優。
さすが!
我が韓流スター、ソン・ガンホにハズレなし!序盤は軽快に物語が進んでいき、中盤、終盤と進むにつれ、重く深い人間ドラマになっていく。映画的演出がかなり加えられているとは思うが、この展開はグッと胸に迫ってくる。
この🎥映画は本当お薦めです。
自分も先月中旬に渋谷アップリンクで観てきました。
最初はコメディタッチで始まり、段々と阿鼻叫喚の地獄絵、そして最後に出てきたドイツの記者のメッセージ、本当に人として何が出来るのか考えさせられました。
世界中では毎日、格差、高齢化、環境、平和問題が深刻化してかつ、2020年問題等山積しています。
この映画も世界中で起きている上記問題をテーマにしています。
また観に行きます。
近い将来朝鮮半島は赤化統一される!
今韓国では北朝鮮宥和派のムン・ジェインが大統領を務めているため、保守派の大統領であったイ・ミョンバクとパク・クネを逮捕して裁判を行っている。
ムンの師匠に当たる左派大統領だったノ・ムヒョンは検察の手が及びそうになり自殺したが、2人の公判開始日をわざわざ1年違いでノの自殺した5/23にしているので、復讐の意味合いまでこめている。
さらに本作の主題となった光州事件で住民を虐殺した罪で、ムンはチョン・ドファンとノ・テウの2人の軍事政権大統領をも時代を遡って裁いた。
本作では、善良で無抵抗な市民が一方的に軍に殺されているように描かれているが、実態は違う。
たしかに市民の死者は150人を超えるが、市民の一部が暴徒化して武器庫を襲って武器を奪い軍人や警察官にも少なからず死者が出るなど、なかば内戦状態に拡大している。
映画の演出も扇情的なので、本作だけを見れば軍はなんとひどいのか?当時の大統領のチョンはなんとひどい大統領なのか?とすりこまれそうである。
光州事件の市民運動は民主主義の名を借りた暴力革命に近い動きなので、当時から今まで北朝鮮の関与が疑われている。
『みずきの女子知韓宣言』という人気ブログがあり、韓国の記事とそれに付いたコメントを日本語に翻訳、掲載している。
このブログでは、現在の韓国の現状を憂えるバンダービルドというハンドルネームの韓国人の投稿をよく掲載しているのだが、それによると韓国で観客動員数1000万人以上の映画16本のうち、7本が反日か左翼傾向の映画だという。
もちろん本作は左翼映画として分類されていた。
なおバンダービルドの投稿は韓国は右派左派問わず全員が反日なので自由主義陣営の国家として恥ずかしいし、反日ではない韓国人の自分は韓国で生きるのがつらいといった内容である。
光州がある全羅道は韓国でも左翼傾向が強い地域として保守的な韓国人から嫌われていることをこのブログを通して学んだ。
実際に現在70%以上の支持をほこるムンでさえ、保守的な政策を掲げると全羅道でだけ15%ほど支持率が下がるらしい。
ムン政権のもと本作のような左派映画が大手を振って制作されているところを見ると、朝鮮半島は北朝鮮主導で統一されていく過程にあると見てまず間違いない。
また在韓米軍の動きもそれを裏付ける。
先日63年ぶりに司令部を竜山基地から50キロ南の平沢基地に移動させ、徐々に他の部隊も移し2020年までに100%移転させるようだ。
平沢は三方を川に囲まれている上、不自然なほど水泳施設や野球場・バスケ場・ゴルフ場が数多く設置されただだっ広い敷地のようで守りやすいとの話があるし、移転にともない人員の削減は大きく考えられる。
おそらくアメリカは韓国に自由主義の防波堤としての役割をもはや期待していないのだろう。
北朝鮮に対して主戦派といわれるボルトンはかねてから在韓米軍の撤退を主張している。
なぜなら在韓米軍があると北朝鮮を攻撃しても米軍基地に報復されるおそれがあり、人質みたいなものだからである。
どれほど先になるかは判然としないがいずれは共産主義の防衛ラインは38度線から対馬まで後退するだろう。
現在の日本国民にその意識があるかははなはだ疑わしいが、時計の針は回り始めた。
北朝鮮と韓国という2つの反日国家が1つの強力な反日国家になるから、我が国も今以上に強気で対応していく必要は出てくるだろう。
トランプ政権の間は北の核兵器は日本向けというよりもチャイナ牽制の意味合いが強いのでそこまで心配する必要はなさそうだが、わが国としては北朝鮮を口実に核武装する(「核武装する」と宣言して牽制する)チャンスではある。
現在ほとんどの韓国人は韓国主導の朝鮮半島統一を夢見ているし、日本人の一部も平和統一がされるかもしれないと淡い期待を抱いているが、アメリカが韓国を見捨てて北朝鮮を有効利用し始めただけである。
なお本作を観た日はたまたま『オンリー・ザ・ブレイブ』『ゲティ家の身代金』と史実を基にした作品を3本続けざまに観た。
最近はこの手の史実系作品では映画の始まる前に必ず「史実に基づく」とことわりが入るようになったし、エンドロールを見ていると一番最後に「事実から触発されて一部はフィクションである」といった内容が書かれていたりする。
「事実と違う」という批判をあらかじめ排除するための口実だが、逆を言うならどこが史実と改変されているかに作者の意図が読めるということである。
本作であれば市民が武器庫を襲って武装して軍人や警察官を殺したことだろう。
また市民だけが血の通った人間で、軍人には血も涙もないこともそうだろう。
映画はあくまで映画であり、本作のように国粋主義とは真逆のプロパガンダも世の中には存在する。
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