タクシー運転手 約束は海を越えてのレビュー・感想・評価
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情報錯乱の中、自分自信で見極めなければならない事は今も同じ。
1980年実際に起きた軍主体の国家と民主化運動を進めた光州民間人の闘いを、ソウルから来た運転手とドイツ人のジャーナリストが現地を体験する方法にて「光州事件」を映画化。
私としても小さい頃の話だが、日本でニュースを報道していた記憶は無いし、この歳になるまで隣国にてこの様な騒動があったなんて知って心が痛んだ。
光州以外の韓国には民主化暴動と情報が流され、真の場所では軍が民間人を赤呼ばわりで暴行行為。
先日までめげずに明るく食卓を囲んでいた人間が、数日後には拷問死体。何とも哀しくなる状況。
後半になればなるほど目を背けたい実情なのだが、これをしっかり伝えなければと頑張る主人公2人の背中を観ているとこちらもしっかり観なければと思った作品だった。
満点に近い点数を出したかったが、車バトルがいかにも「友情お涙ちょーだい」的で事実に付け足した感があり、私には要らなかった。検問のみにしとけば良かったのに。
情報操作なんて方法違えども、今も溢れている。
この映画から、何事にも都合良い情報だけ入手するのでは無く、時には自分自信で別角度から判断し、他から煽られず、一個人として見極めて行きたいと実感した。
ジャーナリズムものが好きな方にはオススメします。
知らなかった隣国の史実
1980年5月に起こった「光州事件」を描いた韓国映画。
どこまでが史実かは分からないけど、韓国映画らしい迫力とアツさに溢れていて、胸がいっぱいになった。
だらしなくてしょーもなくて憎めない、ソン・ガンホの「小市民のオッサン」感が本当に素晴らしく、それがあるから観客はこの重いテーマをエンターテイメントとして受け入れられるし、事件の凄惨さや後半の彼の葛藤や苦悩もより引き立つように思う。
私はこの事件についてほとんど知識がなかったので、映画を見てからネット記事などで背景を少し読んだ。
今やアジア有数の民主主義国で、日本以上に開かれているようにすら思える隣国が、ほんの40年前まで民主化運動でこんなに苦しんでいたとは…今となっては信じがたい。
そして、この事件が世界中で報道されるようになっても、国内では長年正しい情報が伝えられず、今でも真実について不確実な点が多いらしい。
自国の民衆にためらいなく銃口を向け、丸腰の市民を棍棒で殴る軍人たちに葛藤はなかったんだろうか。
市民側には自分の家族や友達や知り合いがいるとは思わなかったんだろうか。
それにしても、彼のいいかげん英語でのいいがげんなコミュニケーション、「うまく話さなきゃ」とおどおどして口ごもってしまう私には羨ましい限り…。
緑色は自由の色
主役はちょっと昔の緑色のタクシーだ。
スピードもあんまり出なそうだし、馬力も大きくなくて、わりとすぐ具合が悪くなる。
だけど、何でも手動で、メカニカルな楽しさと自由度は今の車よりずっと高い。車に乗せられてる感より、乗ってる感を存分に味わえることでしょう。
緑色は自由の象徴だ。仲間のために疾走するちっちゃな緑色のタクシーは、そのままあの頃の市井の人々だと思った。
20年後、ソン ガンホの運転するタクシーは小綺麗だけどなんだか均一化されたような印象の車だった。
私は自分と照らし合わせ、はたと思った。心の中はいつまでも緑色のタクシーでありたい。
世界の眼
「韓国ほど住みやすい国はない。親に金を出してもらって勉強するために大学に入ったのに、デモなんかするなんてバカバカしい。」みたいなことを言ってるソウルのタクシー運転手の眼から見た世界の光景が、ものすごいテンションとスピードで変わってゆく。軍事政権が市民を凄惨な暴力で弾圧し、マスメディアを統制し、嘘の情報で世論をコントロールする腐りきった世界が、彼のナイーヴな世界の幻想を塗り替えてゆく。その丁寧な描写が素晴らしかった。
タクシー運転手達の、生活感とプライドと愛をあぶり出すような会話とアクションにも胸を打たれた。
過去の政治の酷い過ちを描くことで、世界の今を鋭く批判する。今の日本の映画界にこのような作品を産み出す知性と力があるだろうか?
心が震えた
めちゃくちゃ良かったです。心が震えました。光州事件を初めて知りました。社会派メッセージを中心に描きながらエンターテイメントに優れていて笑いあり、泣けました。軍が市民たちにひどい暴行を加えているシーンはまるでドキュメンタリーを見ているかのようです。
韓国って、、、
韓国に旅行したときに、見知らぬ人々から受けた親切が甦る。韓国の人ってほんとに損得なしに親切で、よくも悪くも感情の吐露が激しくて、同じような顔をした我々日本人とはずいぶん違うなと、知れば知るほど不思議な気持ちになる。
この国は大国に挟まれだいたいいつの歴史を見ても戦っている。だからなのか、市井の人々は耐えることも知っているし、時には無謀な戦いにもあえてでる。そんなことがたった一本の映画からはわかるはずもないのだが、俳優の演技が自然で、この映画での出来事すべてが事実に思える。いい映画だった。
でも色々思い出すにつれて、この国で女性として生きていくのは本当に心根がよくて、堪え性があって、主義主張にいきる男性を支えなくてはいけないなーと暗澹たる気持ちになったことも甦る。だからといって他の国、ましてや我が国がそうではないわけではないのだけど、、、、
盛り過ぎはマイナス。
久し振りの韓国作品(DVDの「フェイク」以来、嗚呼「新感染」も封開けてないや)、
しかも久し振りのガンホ兄貴、ハズレの訳はな買った期待通りの一本。
十二分に映画として良作なのだが、「事実を基にした」という点では終盤30分辺りからの演出が過剰でクドく感じてしまったのが残念。
兄貴が聖人君子ではない小市民を見事に演じているだけに、余計に。
歪んだ国家vs人の温かさ
大雑把な描きでも、脚色していても、この作品に込められた思いはストレートに伝わってくる。この映画、素直に受け入れる。今ある自由は、あまりにも大きな犠牲を払ってのこと。ほんの38年前に悲惨な出来事が、隣の国で起きていたことを改めて知ることができた。日本が経済的に浮かれていた頃、広州では軍が市民に銃を向けていた。映画では、広州市民の人間的なあったかさが随所に描かれているのが救われる。それと主演のソン・ガンホの表情に好感。
タクシー仲間達が良い奴過ぎる‼︎
特にファンが‼︎
ソンガンホがご機嫌で歌いながら運転してる
平和なシーンから始まり
お金目当てに記者を乗せてから
あれ?何かおかしい?
何が起こってる⁇
それからラストまで
緊迫感半端ない
迫力ありました。
検問所で見逃してもらえたり
仲間の命がけの助け(里見八犬伝ばり)があったにしても
よく無事に帰れたなと...
世界に真実が報じられて
沢山過ぎる犠牲が
少しは救われたのかな...
光州でこんな惨い事が起こってたなんて
この映画を見て初めて知りました。
ソン・ガンホ
悪いけど史実は凄いがこの映画は凄くない。
既視感連打ゆえか長く感じた2時間強に付き合ったのは、ソン・ガンホを見続けたかったからだ。
同種「デトロイト」より格段に良いのはソン・ガンホのお陰だ。
映画を一人で輝かせる稀有な俳優。
さすが!
我が韓流スター、ソン・ガンホにハズレなし!序盤は軽快に物語が進んでいき、中盤、終盤と進むにつれ、重く深い人間ドラマになっていく。映画的演出がかなり加えられているとは思うが、この展開はグッと胸に迫ってくる。
この🎥映画は本当お薦めです。
自分も先月中旬に渋谷アップリンクで観てきました。
最初はコメディタッチで始まり、段々と阿鼻叫喚の地獄絵、そして最後に出てきたドイツの記者のメッセージ、本当に人として何が出来るのか考えさせられました。
世界中では毎日、格差、高齢化、環境、平和問題が深刻化してかつ、2020年問題等山積しています。
この映画も世界中で起きている上記問題をテーマにしています。
また観に行きます。
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