タクシー運転手 約束は海を越えてのレビュー・感想・評価
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たった40年前にこんなことが起こっていたなんて
恥ずかしながら全然知らなかった。
なんとなくパッケージをみて、
南国でタクシードライバーしてる
ほのぼのストーリーかと思って再生してみたら
思いの外シリアスな社会派で、
唾をごくりと飲みながら観た。
ものすごい良作やないかー!!
主人公のUターンのシーンはグッときた!
(もちろん2回目のほう)
すばらしい映画
恥ずかしながら、お隣の韓国の歴史には全く詳しくなく、光州事件も寡聞にして知らなかった。しかし、私ののような無知な人間をも打ちのめすだけの力を本作は持っている。
いい加減だが人の良いタクシー運転手キムは、食堂で耳にした割りのいい仕事を横取りし、ある外国の客をソウルから光州まで送り届けることになる。おいしい仕事にウハウハなキムだったが、光州に近づくにつれ、検問が設けられ、物々しい雰囲気に。軍が市民を無差別に殺傷する光景を目の当たりにすることになる。
本作は史実に基づき作られた。エンドロールでドイツ人記者ヒンツペーター氏本人が登場し、キム氏との再会の希望を訴える。しかし、その夢は叶わず、ヒンツペーター氏は亡くなったという。
本作でも名優ソン・ガンホのすばらしい演技が光る。彼なしではこの映画は成立しなかっただろう。本当にいい映画を観た。
後日談になるが、映画公開後、キム氏の息子が、本作の主人公は自分の父であると明かした。キム氏本人は光州事件の数年後に癌で亡くなっているという。実際のキム氏は映画で描かれたような人物ではなく、英語も日本語も堪能で、主体的に民主化運動に関わり、ヒンツペーター氏とも従来からの知人だったそうだ。今頃2人は天国で再開しているかもしれない。
出会いはキムを変えた。
映画の最後で、ピーター(配役トーマス・クレッチマン)は2016年1月に他界したと、何度も、キム(俳優ソン・ガンホ)に会いたく連絡をしてみたが会えなかったと。そして、彼本人、ユルゲン・ヒンツペーターが、『キムに会いたい、とんていって会いたい。そして、キムの運転で新しい韓国を見てみたい。』とキムにメッセージを送っている。こんなに感謝の気持ちがあるのに、キムに直接会って感謝ができない。これはピーターにとって心残りだろ
う。正直なところ、私感だが、なぜ名乗り出てあげないんだろうと不思議に思う。キムはピーター、本名、ユルゲン・ヒンツペーターだけにコンタクトができるんだから。私は不幸にもキム側に立っての気持ちが理解できなかった。なぜ、すぐ連絡してあげなかったんだろう?
あとで、調べて分かったことだが、キムは1984年に他界したそうだ。
金大中と全斗煥とのこのへんの歴史は今でも覚えている。全斗煥が主に若者の軍隊を指揮して、民主化に歯止めをかけるため、市民を殺し光州市内でで銃撃戦が行なわれたことは記憶になかった。ピーター(ユルゲン・ヒンツペーター)が世界に知らしめたのだと言うことが、ここでわかるが、言語を含めての文化がわからないピーターにとっても、この光州への旅はキムなしでは考えられなかったはずだ。キムや他のタクシーの運転手、それに、ある学生の功績が誠に大きい。彼らの力がなければ、光州でのこの事件は迷宮入りしてしまったろう。軍事体制は民主化を阻むことは明らかだし、国が軍備に力を入れすぎると、全斗煥政権のように恐ろしいことになる。
この映画で好きだったのは、光州のあるタクシーの運転手(ユ・ヘジン)の家族に一泊泊まらせてもらうシーンで、キムが横になりながら、自分の家族のことを独り言にように話しているシーンがあるが、ここで、ピーターは目を開けて静かに聞いている。二人は眠れない夜を過ごしているが、韓国語が全くわからない、ピーターにとって、キムの話が理解できたかどうかは私たちが想像するしかないが、この映画では、ピーターがキムの気持ちを理解してあげられてお互いが同じ気持ちで一つになったように感じた。だから、朝一番でキムがピーターを置いて去ってもピーターはなんとも言わなかった。一番泣けるシーンだった。
この映画を以前、高崎のシネマテークという小さな映画館で見た。私の父がこの映画館の賛助会員というので毎年1万円寄付していた。父のボケが進んでからも、父を連れてここで映画を見た。一人じゃ用が足せなくなっていたので、私が一緒にいたから、映画館も入れてくれたんだと思う。その父が他界してからも、高崎に行った時は、私は父のために賛助会員になる。地元で父が一番好きな映画館だったから。
面白かった、ソン・ガンホ!!
ソン・ガンホさん主演の映画ということと、評価が高いので鑑賞した。
時代は1980年。暴動が起きている事実を世界に伝えるべくやって来たドイツ人記者をソン・ガンホ演じるタクシー運転手がソウルから光州へ送迎するという実話。ただし、光州事件については不明なことも多いようで、どこまで事実かはわからない。結果、無事に記者を帰国させ、世界に情報を発信できた。記者が帰国する際にタクシー運転手との再会を約束するも、後に再会できず亡くなってしまう。
今も
ほのぼのコメディータッチで始まって、光州に入るとホラー映画のようになって、実話が元になっていて、という、凄い映画です!と映画評を聞いてたからその通りだった、何も知らずに観たかった!でも何も知らなかったら観なかった・・・光州のことも知らなかったし。
今香港で起きていることを考えてしまう。
情ったらしの運転手
国に隠された闇を報道する外国人記者と、偶然に送迎同行することになったタクシー運転手。
世界に衝撃を与えた報道者が主役になるような物語だが、そうではなく、偶然にもこのような境遇に関わることになったタクシー運転手が主役。
どこにでもいそうな家族思いでも自分本位なヤツ。
それが、人との交わりや境遇を体験する中で、考えが変わっていく。韓国人の人柄を感じられる。
家族の元に帰るか、現場に引き返すか、
葛藤の場面にはとても共感する。
同じ立場だったら同じように判断できるか?
国の残虐な行為を、身近に感じるタクシー運転手達が救う場面はなんとも言えない、慕わしさと尊敬を抱く。
一見ダメ人間が、人に触れながらいつの間にか、大きなことにつながっていく。
不思議と親近感のわく映画だった。
後半ギアチェンジする話に感動!!
僕的にはね、
ストーリーと余韻が高評価な印象を
持った作品でした(。☬0☬。)
この作品は、
韓国映画の中でもトップ10に入るくらいの
観客動員になった作品らしいですが、
いやぁ、
泣けますね〜🥺✨
これはね、
事件そのものに対して
何か訴える作品というより
あくまでこの事件を背景に
外国人記者とタクシー運転手の
心の変化を中心とした作品なので、
事件については詳しくなくても
問題ない作品でしたー🤗!!
とはいえ、
背景となる事件も凄く残酷で
2度と繰り返してはならない史実を
テンポ良く描いているので、
凄く引き込まれます💪✨
デモに対して韓国政府が
どう対処したのか‥‥.
メディアはどう動いたのか‥‥.
国民の気持ちや
立ち向かう外国人記者は
どう行動したのか‥‥.
事件現場のリアルを凄く感じるし、
観ていて凄く怖かった(ʘᗩʘ’)!!
残酷でリアルな史実を目の当たりにした時、
タクシー運転手や記者が
いかに勇敢だったか‥‥.
そこに凄く感動出来るお話でしたーщ(゜ロ゜щ)💓.
正直、
作品ジャケットのほっこりした雰囲気と
作品内容とは掛け離れていて、
凄く勇敢なお話に感動するので、
余韻は最高なんですが、
リアルな残酷さに
リピートしたい気持ちはそこまで
高まらない‥‥.
そんな印象もある作品でした(ノ゚0゚)ノ~.
やっぱり韓国作品のエネルギーは
凄いですね〜🤔!!
インスタグラム@yoshiki5291で映画レビューもやってますので、良ければそちらでも宜しくお願いします!
そんなことがあった80年、知りませんでした
『パラサイト』があまりしっくりこなかったので「韓国映画、自分には合わないのかも?!」って思っていましたが色々な人からこの映画を薦められ観てみました。
韓国映画界を代表する『ソン・ガンホ』さんの演技が、こんな思い題材なのに能天気な雰囲気に「???」と思いながら進んでいくと涙なくしては見られない状態に!
80年、世界中で暴動や戦争、色々な事件が起こっている年でもありモスクワオリンピックの問題もあったりと激動の時代、日本では山口百恵さんの結婚・引退やら松田聖子さんのデビューやら平和な世の中のさなかにお隣の韓国ではこんな大事件が起こっていたとは、自分自身いい年してたのに能天気だったなあって反省します。
『パラサイト』よりこちらの方がアカデミー賞でいいんじゃないかと個人的には思ってしまいます。順番は後先ですが韓国映画に対する偏見が取れてよかったと思います。とってもいい映画です。
タクシー運転手 約束は海を超えて
タイトルを見て カーアクション?
でもちょっと笑えそうそんな感じで観ることに、、、
やはりいろいろなトラブルに巻き込まれる展開、
想像どおり
笑うつもりが感動してしまいました
やはり心を掴むのは人と人との絡みですね
今の香港に重ねてみると
2008年に訪ねた5・18民主化運動記録館での衝撃がよみがえった。昨今の香港は、民主化への道のりという希望ではなく、逆に民主主義から共産党一党独裁への恐怖であることを感じています。
後世に伝えたいもの
こういう作品がどんどん世に出たらいいのに、と思う。
歴史に埋もれてしまう、知るべきこと。ポスターの笑顔からは、光州事件という重たいテーマを描いた作品とは思いもよらず、しかし、この表情が、キャラクターの特徴を良くとらえたワンシーンだということを、映画を観たあとで理解した。
ひょんなことから光州事件に巻き込まれたソウルのタクシードライバー、決死の思いで韓国に取材にやって来たドイツ人記者、民主化を訴え闘う学生、彼らを助けた現地のタクシードライバーたち。
ごくありふれた人々の、ごく日常の表情と、ごく普通の幸せのために死と隣り合わせで闘う姿、その描かれた対比が何とも切ない。
偶然芽生えた友情と自国への愛国心から共に闘うことを決意した主人公に、己の使命を全うせんとする記者に、若さという武器を超越して信じた道を突き進む学生に、地元を愛するドライバーたちに、引き込まれ応援している自分がいた。
実際には外国からの記者ももっといたらしいので映画的に描かれている部分もあると思うが、名も無き市民の多くが犠牲になり闘った光州事件の事実を、緩急ある展開で描いた。
ちなみに、この映画が公開されたことで、ソ・マンソプ(キム・サボク氏)の子息が判明し、後日ピーター(ユルゲン・ヒンツペーター氏)の家族と面会したそう。
この映画が持つ、もう一つの意義になったのでは。
観てよかった!
見応え十分な2時間18分でした。
ポスターにうつる、ソン・ガンホさんと映像の中の彼ではいい意味で、ギャップがありました。今更ですが、なんと良い俳優さんなんだーと惚れ惚れしました。
韓国の歴史に残る事件、光州で起きた出来事。
ただただ、内容が酷すぎて、恐ろしくなりました。
平和な日常(とはいえ、我が国もいろんな深刻な問題とおかしな政治家を抱えていますが)を過ごせることに心から感謝できました。
ドイツ人記者と韓国人ドライバーのお話。
前半は何かと分かり合えない、通じない2人でしたが、
中盤からだんだんと2人の見ている方向が同じになっていき、また最後には離れているのにお互いの存在に感謝をする2人を見て感動しました。
いつの時代も、暴力でどうにかしようと考え、弾圧しようとする人間がいます。その結果、犠牲になるのは一般人。映画のな中では、たくさんの尊い命が暴力によって奪われています。こんな事が今の日本で起こったら、、、と考えると怖すぎます。
ほんとーに間違った権力者というのは愚かですね。
これは実話をベースにしているとのことで、あんな勇敢なタクシー運転手さんがいたのかと思うと、韓国タクシー界からすれば英雄ですね。
笑いのあった前半から、涙がでてくるような悲しいシーン続きの後半。どちらも見応えあるのであっという間に終わってしまった、、、
映画を観ると、普段考えもしないような事を改めて考える時間を作ることができます。映画に感謝です。
コメディかと思いきや→重い作品でも本当に良い映画
実話を基にした作品。エンタメ作品ではあるが韓国で起きた光州事件を基にしていて、全体的には重い。
実在したタクシー運転手の話ではあるが本人が今となってはどこにいるかわからないので事実はわからないが、彼を主人公にすることで、その当時の韓国人の考え、そして、光州事件の衝撃を観客と共に味わう作品。
今からわずか40年前で、このような残虐な事件があったとは。軍事独裁下の韓国を知らないのでいろいろやばいところがあったし、国家はいつそのようになるかわからない、という普遍的な歴史的事実でもある。
主人公にとっての「タクシー運転手」という役割の意味
主人公は独裁にも戒厳令にも全く関心がない。娘に靴も買ってやれず、家賃も払えない貧しさから、金を稼ぐことしか頭にない。光州に到着してからも、デモ隊を軍が強制排除するさまを屋上から見て絶句するドイツ人記者たちを尻目に、主人公はデモ隊の女性からもらった握り飯を食べては、「これがこの辺の味付けか」などと感心している。主人公にとって、「タクシー運転手」とは、金をもらって人を運ぶ仕事だ。乗客が金を払えるかどうかは重要だが、乗客の目的はどうでもよい。デモに参加した息子が負傷したのではないかと心配し、病院まで乗せてくれと懇願する母親に対してさえ、「金はあるか」と確認する。「おいおい、この状況で金を取るのかい」とつっこみたくなる。
あまりの無邪気さに、ソウルに残してきた娘を案じドイツ人記者たちを残してソウルへ戻るという頃には、そういう生き方もあってよいと思えるようになってくる。だから、光州を脱出し、近郊の街で食事を摂りながら、主人公が迷い始めると、「せっかく脱出できたんだぞ。余計なことを考えるな。早く娘のところに帰れ。光州に戻るんじゃない」と叱りたくなった。
物語が終わりに近づくにつれ、主人公にとっての「タクシー運転手」という役割の意味が急激に変わる。弾圧への抵抗を描く映画では、弾圧の中でも職業上の使命を貫く人々に感動することが多いが、弾圧によって職業の意味がこのように変わるという描き方に心を揺さぶられる。
軍人だって、国民。
・光州事件?なにそれ?な人にとってもわかりやすくしてる親切さ◎
・「事実に基づき再構成してます」の域を遥かに超えた超絶カーチェイス。
そこにエンターテイメントにするんだッッという覚悟を感じる。
・韓国の田舎の一般道で、マッドマックスとスターウォーズをやった試みが素晴らしい
・タクシー運転手は基本全員バック技術が超絶
・兵士の中にも早く内乱終わらせたかった人もいたのね
・単なる勧善懲悪じゃなく、軍事政府側にも花を持たせてることに感心
(兵士も国民だしね)
・前半で主人公の心の貧しさをちゃんと描いてる(周囲の人の好意を味わえない、感謝できない)
・そこからの主人公の成長の見せ方と演技が素晴らしい(周りの好意にまみれていることに主人公がやんわり気づく食堂のシーン、素晴らしい)
・映画の中で再会させるなんて、粋だなあ。
・この事件自体を過去と割り切ってからきしエンターテイメントに仕立てた思い切りの良さが素晴らしい。
・光州の運動に関わっていた人は、後に韓国の重要なポストについている。例えばノ・ムヒョン元大統領やムン・ジェイン現大統領。(へぇボタン連打)
・朝鮮半島の歴史が動いてる時期に観れてよかったぜ!
韓国って。。。
映画やドラマを通じて韓国の歴史に触れると、韓国人や朝鮮人って、本当に時代に翻弄されたことがよくわかる。久しぶりにヒヤヒヤハラハラしたなぁ。今巷ではまた韓流ドラマブームが来ているらしい。映画もドラマもあらすじが面白いんだよなぁ。そして、名優ガンホさん。見ている方が主役に乗り移りそう
史実が胸に迫る
素晴らしい映画でした。
前半は笑い、後半は泣きっぱなし。
程よくエンターテインメント性を持たせ、
話に引き込ませつつ、
悲しい史実をしっかりと伝えています。
この映画がなかったら、
私はこの事件を知らなかったと思う。
どうしても泣けてしまうのは、
事件の悲しさやそれに立ち向かった人々の姿なのですが、
もう一つの理由は今でもどこでも起こりうること(もしかしたら起きているかもしれないこと)だからでしょう。
昔の遠くで起きた出来事として片付けられない。
ジャーナリズムの大切さも改めて感じさせられます。
とにかくいい映画でした。
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