タクシー運転手 約束は海を越えてのレビュー・感想・評価
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ソン・ガンホの絶望的な表情が素晴らしい
1980年5月に韓国で多くの死傷者を出した光州事件を舞台に、喜劇的な要素をちりばめながらも、次第に胸に染みるドラマにしてしまう韓国映画のレベルの高さを堪能できる新たな良作の一本。
「義兄弟 SECRET REUNION」のチャン・フン監督が、ソン・ガンホと再びタッグを組んでいる。事件の実態を世界に伝えたドイツ人記者を事件の現場まで送り届けたタクシー運転手をソン・ガンホが演じているのだが、彼のための役と思えるほどのはまり役で、飄々として、ズル賢く、無責任そうでありながら、実は子供思いで正義感に熱い父親を演じさせたら右に出るものはいない。
光州で民主化を求める大規模な学生・民衆デモのシーンは迫真に迫り、市民を暴徒とみなした軍が発砲する様を目の当たりにした時のタクシー運転手、ソン・ガンホの絶望的な表情は、「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「パラサイト 半地下の家族」などで見せた表情に匹敵するほど素晴らしい。
実話をベースにしながらも、手に汗握るカーチェイスシーンなども盛り込み、しっかりとエンタテインメントにまで高める作りはお見事。韓国で1200万人を動員する大ヒットを記録したのも納得の笑って泣けるヒューマンドラマだ。
Indie Thriller of a Lesser Known Asian History Flashpoint
As an Asian Studies major, and having lived in South Korea for some months, I had only a couple people mention the coud d'etat that happened in the 1980's. It's interesting to see this subject covered in a mainstream Korean film here--a civic duty hero's tale--when there's a worldwide trend for films on state affairs to fall in line to nationalistic bravado. Has a few plot holes.
メッセージとしての映画
本作に限らず、社会派と言われる映画は社会に訴え、残すメッセージとして価値を感じる。脚色されたエンタメとしての側面を持つことで、観やすく分かりやすいものになる。映画の良さは、面白いか面白くないかだけではないと再認識した。
ソンガンホの演技は安定感があって、作品を親しみやすくしてくれる。
本作に関する「ザ・シネマ」の記事も良かった。
軍事政権と衝突する光州へと独記者を送迎したタクシー運転手
歴史に埋もれたひとりの英雄。
タクシー運転手のキム(ソン・ガンホ)と、ドイツ人記者ピーター
(トーマス・クレッチマン)の
《光州取材》に命懸けで検問を越え死線を超えた友情を描いた
実話ベースの映画でした。
ソン・ガンホが妻を亡くして11歳の娘を育てる
優しい父親を演じています。
ラストで思ったことですが、娘を一人にしたくないなら、
光州から一人でサッサと変えるべきですよね。
美談の主と名乗らなかったのもある意味で家族の身の安全を優先しての
事だと思います。
それにしても韓国の歴史的に民主化への布石となった《光州事件》
1980年。
韓国は軍事政権でした。
《光州事件》の背景には後の大統領になる金大中氏の思想と深く関わりが
ありました。
光州事件の直前に軍事政権に刃向かい民主化運動をする金大中氏などが
逮捕される。
金大中氏の生まれ故郷に近い光州では、金氏を支持する人民が多く、
金氏の釈放を求める運動が大きく膨らみ暴動化するのです。
それに対して警察や軍隊が出動して、人民に銃弾を向ける。
公式発表では死者44人とありますが、実際にはその
20倍の犠牲者が出たそうです。
ソウルの個人タクシーが外国人を乗せて検問をくぐるのは、スリルがあり、
とてもハラハラしました。
特に帰り道です。
なんとか検問を通った途端、
「外国人は通すな!!」と軍のジープが何台も追いかけてきます。
そこへなんと応援のタクシー仲間の車が加勢に来るのです。
このカーチェイスは凄かったですね。
ジープに体当たりするタクシー。
横っ腹に突っ込むジープ。
そんなこんなでソウルにやっと到着。
ピーターを早く日本に帰す事。
そして肝心の撮影したフィルムをいかにして持ち込むか?
クッキー缶の下の段に隠すのです。
ピーターの脱出も危機一髪。
世界に《光州事件》の実際が報道されたのです。
ソン・ガンホの親しみやすさと映画のエンタメ性もあり、
とても良い作品でした。
考友情
DVDのパッケージでしょうか、ソン・ガンホさんの満面の笑顔からほんわかした映画なのかなと思いきや、とんでもなかったです(汗;)。1980年にあった光州事件を基にした実話は、想像を絶する激しいものでした。命懸けで自由を、人間の尊厳を守ろうとする若者たちの姿は、最近もニュースになっていた34年前の6月、中国であった天安門事件を想起させるものでした。何度も何度も繰り返される悲劇に、いたたまれない気持ちになりました。対立し、反発していた主人公たちが深い絆で結ばれていくところが見所で、本物の友情について考えさせられました。
トーマス・クレッチマン
トーマス・クレッチマンは「戦場のピアニスト」でも「アーニャはきっと来る」でもこの映画でも不思議といつも良い人役だね!
そしてソンガンホさんは演技が上手い!
結局本名を告げず最後まで会わなかったのは誹謗中傷などを断つ為だろうと思う。
政治的な風刺だけではない
呑気な人情タクシーロードムービー。
かと思いきや、全然違いました。
政治的なアプローチを全開にした作品です。
何も事情の知らないタクシードライバーの目を通して、混沌とした光州の実情を写していく。
どこの国でも通ったでろう軍事政権による弾圧や、民主化運動下での政府の蛮行。そんな時代に芽生えたほのかな友情を描いた作品。
これが中々に巧み。そして作りがいやらしくない。
マンソプの役所もありどこかコミカルで、かつそのギャプでよりシニカルな描れていました。
そしてこの物語が実話であったこ事を最後気付かさられます。
最後に出る本人からのメッセージ、もし目にしたら涙せずにいられないでしょうね。
そう思うと、政治的な風刺だけでなく、とても暖かい作品でもありした。
軍隊とは自国民を守る存在ではない。それは歴史が語っている。
疲れる映画だ。実話に基づく映画たが、実話ではない。どこまで本当なのか分からない。光州事件の被害者は200人と言われるが、この映画では、それてはすまないし、軍部による暴走は性的被害者(17人の性的暴行)まで出している。国防省が正式に謝罪(?)している。この映画は勧善懲悪の戦争活劇になってしまっている。
自国の軍隊とは厄介なもので、こう言った事件は光州事件ばかりではない。
済州島4/3事件や台湾の2/28事件また中国の天安門事件。全部、自国民に向かって、弾圧を企てている。
日本で何もなかったのは、多分戦争に負けたからで、今後そんな事が無いように、シビリアンコントロールをしなければ駄目だ。まぁ、軍隊とはそう云うものだと覺悟すべきだ。軍隊とは自国民を守る存在ではない。それは歴史が語っている。
光州事件は全斗煥の軍事クーデターだと先ずは断って、話を進めなければ駄目だ。この映画は残念ながら評価出来ない。
ヘイ!タクシー‼︎
最初はほのぼのロードムービーかと思って油断してたら、韓国の歴史を知らずに観てみたらまさかの市民と国の争いが同国内で起こってる内戦に巻き込まれるなんて(*_*)
多分、運ちゃんと同じように光州市以外の人たちは自国の事なのに国に情報操作されて他人事にみたいに思ってた人もいたかも知れないなぁ…
ジャーナリスト魂と運転手の人情と市民の希望に向けて戦う姿が心に響きました。。。
完全に和名タイトルと写真に騙されたわ!
でも他のタイトルで争いを醸し出したやつだったら見なかったかもなぁ(/ _ ; )
史実とフィクションの狭間で揺れる
タイトルのとおりで、とても良い映画です。
日本人ですし、過去の事件ですし
真実はわかりませんが、
ひとつ、言えるのは
某 慰安婦問題などから、あまり良い感想を抱いていなかった、かの国の国民感情について
非常に義理堅い国民性があるのだと理解できたのが、いちばんの収穫で
なるほどなぁ
彼らは感情面で、未だ納得出来ていないのだなぁと
そこを上手に外交するのが、政府の仕事だと思いますが
妙な偏見はやめよう、と、ふと、この映画を通じて、感じました。
近しい隣人、似たような文化圏で、普遍的な苦悩を、彼らも抱くのならば
信じてみようと思える作品でありました。
期待を裏切るよさ、
うん、序盤は、検問など越えるとこあたりまではゆるいかんじでほのぼのとさえしてたけど、中盤からは「ホントにこんなことが起きてたのか」という展開。
思ってたのとはまるで違う、すごい展開、ストーリーだった。
当時の、発砲なり暴力なりをやってる軍やら警官らもなんの良心もなくやってたんだろうか。
丸腰の市民をなんでそこまで。。。
終盤には普通のタクシーなのに撃たれたり、カーチェイスまでやったり。
演出なのかホントにあった事実なのか、実話ならそのシーンも事実なのか、それにしてもひどい。
そして、さらには韓国(軍部)で隠そうとしてたことを、同じ韓国で映画化したこの作品が、よく制作され公開されたな、と、それにも驚く。
国も変わろうとすれば変われるんだな。
なんにせよ、いつの世も、どこの地域でも、自由、民主化を求める市民の気持ち、熱意は、理不尽な軍や警察に「弾圧」されるんだな、と。
そういう国は典型的な後進国で、それが世界に広まると結局は自分たちが不利になるのに、そういう基本的なことに気付かない。
凄い映画だ。こんなことが起きていたんだ。
1980年代のお隣の国韓国で起きた光州事件を基にした実話が、ベースになっている映画。
実際に起きた光州事件を再現した映画。
作り物とは思えないリアリティーには、すごいと言うしかない。
制作費用に相当かかったんじゃないかと思われる。
2日間着て、暴行を受けたにしては、着衣が綺麗なのは、いささか不自然だったが。
緊張感が半端ないバディ物
この運転手の消息が分からないなか、優れたドラマに仕上げたスタッフの才能に拍手。
ソン・ガンホはやっぱり優れた役者だと再認識。役柄のバリエーション、存在感といい韓国映画に欠かせない。日本だったら誰かなあ? いったんソウルの戻る途中から光州に戻るプロセスが良いね。
タクシー運転手とドイツ人記者の珍道中でなく、全斗煥軍政下の光州事件を取材するという命がけのロードムービー。ドイツ人記者は、行きが後部座席で、最終段階では助手席に座り、二人の関係と信頼度・親密度の変化の象徴かな。
のんきな少年期に隣の国でこんなことが起きていたんだねえ。驚きと衝撃。香港やウクライナの現状を憂う。
真実の報道の大切さ!
《お知らせ》
「星のナターシャ」です。
うっかり、自分のアカウントにログインできない状態にしていまいました。(バカ)
前のアカウントの削除や取り消しもできないので、
これからは「星のナターシャnova」
以前の投稿をポチポチ転記しますのでよろしくお願いいたします。
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宣伝ポスターもライトだし、最初は軽い人情喜劇っぽく始まるけど
だんだん、とんでもない状態になって行きます。
久しぶりにソン・ガンホをちゃんと観た!!良かった!!
ごく普通の小市民で日々を暮らすのが精一杯の
政治にそれほど興味も無いタクシー運転者が、
真実を目の当たりにして初めて事の重要性に気付き
迷いに迷って、ありったけの勇気を振り絞って
行動を始める姿に泣けるわ〜〜
うまいな〜〜流石にソン・ガンホ!!
光州の町の気のいいタクシー運転者仲間や
さえない学生達も、何?そこらへんの兄ちゃん?
と思えるほど普通の顔の役者さん。
全然イケメンは出てこない〜
だからこそ、余計にこの事件の悲惨さが際立ちます!
自分たちを守るはずの銃口がいきなりこっちに向く!!
本当に恐ろしい〜
歴史的な出来事はみんなズッと遠い昔の話で、
光州事件?ああなんか聞いたことあるな〜と言う程度だった。
だけど事件の起こった年が1980年5月
なんだよ!私もう生まれてるじゃん!
こんな恐ろしい事がすぐ隣の国でつい数十年前に起きてたなんて!!
結構な衝撃です!!
で、月に8本ほど映画館で映画を見る中途半端な映画好きとしては
解説のページにも書かれている通り
これは実際にあった、タクシー運転手と外国人記者の
命がけの取材と逃亡のドラマ。
町山智弘氏によれば一つ大きなフィクションが入ってるそうですが、
そこがどこか?みたいな詮索は野暮だと思います。
この映画では、韓国で起こったことの恐ろしさと
やはり、人間は権力や武力では押さえつけることはできない!
権力や武力で押さえつけようとすると必ずそれに反対する力が
たとえ弱い民衆であっても、
湧き上がってくる!と言う事に感動します。
それと「ペンタゴンペーパーズ 最高機密文書」も同じだけど
真実を正しく報道することの大切さ、
人々は報道によっていかようにも踊らされてしまうと言う
危うさも同時に感じて欲しいです。
戦争映画や銃撃戦の映画は多々有れど
べトナムとか遠い宇宙のどこかみたいな場所と違って
日本の普通の地方都市の街並みによく似た光州の街、
普通に毎日暮らしてるその場所に弾丸が飛び交う恐ろしさ!
殺戮される人々の容赦ない描写は流石に韓国映画!!
唸ってしまいました〜〜
@もういちど観るなら?
「事実を忘れないために数年後にリバイバルで映画館で!」
実話を元に
ストーリーの先入観なしにみた映画
コメディタッチなのかと思っていたら、なんの、なんの。
民主化運動を報道できるかどうかのスリル満点だった。
実話を元しているそうでそのタクシー運転手が名乗り出なかったのが 残念だけど、やっぱりそうきたかと
思わず唸ってしまうラストだった
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