ナミヤ雑貨店の奇蹟 : 特集
「温かな気持ちになりたいあなたに」映画.comが今秋イチオシする日本映画
「時を超えた手紙」が日本中を幸せに──東野圭吾史上《最も泣ける感動作》
「探偵ガリレオ」や「新参者」シリーズ、「白夜行」「手紙」など著作が次々と映像化されてきたベストセラー作家・東野圭吾。その作品群の中でも「最も泣ける」とひときわ人気の高い「ナミヤ雑貨店の奇蹟」が、山田涼介と名優・西田敏行の初共演で映画化(9月23日公開)。1980年と2012年、2つの時代をつなぐ“時を越えた手紙”が起こす奇跡を描いた、心温まる物語だ。若手実力派からベテランまでオールスターキャストが集結した注目のヒューマン・ストーリーが、この秋、スクリーンに舞い降りる。
「泣きたい」「人の温かさに触れたい」「いい映画を見たい」あなたに贈る──
現在と過去が手紙を通してつながり、そして起こる《奇跡の数々》
にぎやかな夏の大作映画ラッシュも終わり、秋はふっと肩の力を抜いて、心を癒してくれる落ち着いた良作が見たくなる季節。そんなあなたに映画.comが今秋薦めたい日本映画が、本作だ。住人の悩み相談を請け負う雑貨店に届いた不思議な手紙を軸に、異なる時代を生きる人々の「思い」がまるで1本の線のようにつながり、かけがえのないきずなを育んでいく。紡がれる“奇跡の一夜”を見ているうちに、自然と心が軽くなる。映画館を出たとき、ほかにはない温かな幸福感があなたを包んでいるはずだ。
とある商店街に建つ「ナミヤ雑貨店」は、心優しい店主・浪矢雄治(西田)の行う「悩み相談」で人気を博していた。浪矢の元には、進むべき道を見失った大人の真剣な悩みから、子どものたわいない疑問までが手紙で寄せられ、浪矢はその1つひとつに真しに回答。その人柄は、人々から愛されていた。
32年後の2012年。今は廃業して空き家となったナミヤ雑貨店に、敦也(山田)、翔太(村上虹郎)、幸平(寛一郎)の3人の若者が忍び込む。孤児院出身の敦也たちは、ある目的から女性企業家の自宅を襲ったのち、誰も寄り付かなくなったこの場所に身をひそめ、捜査の目から逃れようとしていたのだ。
誰もいない店内で夜を過ごす3人の元に、突然手紙が届く。驚いた敦也たちが封を切ると、なんと32年前から来た悩み相談だった。「一体どういうこと?」、3人は、不思議に感じながらも差出人の青年(林遣都)に返事を書こうとする。それは、本人たちもまだ知らない壮大な奇跡の始まりだった――。
《原作》《役者》《主題歌》《監督》日本映画界“良作”印がそろい踏み
家族、カップル、友達、1人で──探している“いい映画”はきっとこの作品
原作がベストセラーというだけでなく、出演者、主題歌ミュージシャン、監督……映画の作品力を保証する豪華なメンバーが顔をそろえた。東野圭吾の原作小説に共鳴した山田涼介と西田敏行を中心に、10代からシニアまで、どの世代も共感できる幅広いキャストが集結。年齢・性別を問わず支持を受ける実力派監督・廣木隆一がまとめ上げ、珠玉の物語に仕上げた。さらに主題歌が山下達郎となれば、“品質保証感”は最高潮に。誰と見ても、もちろん1人でも楽しめる全方位に向けた一作が、ここに誕生した。
日本のみならず、世界的に評価される人気作家・東野圭吾。これまでにも数多くの名作を世に放ってきたが、累計800万部超を記録した「ナミヤ雑貨店の奇蹟」では、複数の時代の出来事を交錯させ、1つの物語につなげていくという巧みな構成とハートウォーミングな物語で新たなファンを獲得した。
躍動感の山田涼介と円熟味の西田敏行、異なるタイプの2人が持ち味を発揮することで、鮮度と渋さの両方が楽しめる。加えて、村上虹郎、寛一郎、成海璃子、門脇麦、林遣都、鈴木梨央、山下リオ、手塚とおる、PANTA、萩原聖人、小林薫、吉行和子、尾野真千子と世代を超えた実力派が華を添える。
「サマーウォーズ」「陽だまりの彼女」の主題歌も手がけた山下達郎が、「あなたはいつだって私のそばにいる」という歌詞が涙を誘うエモーショナルな新曲「REBORN」を本作のために書き下ろし。劇中では、克郎(林)とセリ(門脇)という2人のミュージシャンをつなぐ曲として重要な役割を果たす。
「PとJK」「ストロボ・エッジ」といった人気コミックを原作としたラブストーリーや、「余命1ヶ月の花嫁」「きいろいゾウ」など多くの話題作を手がけ、キャラクターの細やかな心情描写に定評のある名匠・廣木隆一監督が、柔らかな映像と確かな演出力で“いま”を懸命に生きる人々の姿を映し出した。
《気鋭の若手俳優×ベテラン名優》──この組み合わせが名作を生んできた
映画ライターが裏付ける「本作もまたその系譜に連なる感動作」
本作をけん引するのが、24歳の山田涼介と69歳の西田敏行の初共演コンビ。近年の日本映画を見渡してみても、若手俳優とベテラン名優のコラボレーションは、名作を成立させるための絶対条件の1つといっても過言ではない。人気ライター、新谷里映氏が、本作にも流れる“名作の遺伝子”を解説する。