ブレードランナー 2049のレビュー・感想・評価
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35年ぶりの続編をピカデリーで鑑賞。
ブレードランナー2049。
封切りと同時にまずは有楽町の丸の内ピカデリー、続いて午後にはトークイベント付き新宿ピカデリー上映を見てきました。
カルト映画の代名詞になった前作から35年。
舞台だった2019年が間近に迫る中公開された本作は、"前作の世界観から地続き"の30年後の世界が描かれていた。
環境破壊が進み雪原と砂漠が混在する未来世界で、ゴズリング演じる"K"が旧型レプリカントを"解任"するシーンから映画は始まる。
VRの女性が唯一の理解者であるKはどこまでも孤独で現代人的だ。前作から更に荒廃した世界観もあいまって救いようのない虚無感すら感じる。
そんな彼がとある理由で自身のルーツの手がかりを見つけ、アイデンティティを取り戻す旅に出る。
その道中デッカードに出会う所からストーリーは大きく動き出す。
自分はどこから生まれたのか?
自分の意識とは何か?
自分の記憶は本物なのか?
自分が生きている意味は何か?
あらゆる苦悩がKを襲い揺さぶりをかけ問う。このキャラクター造形は前作以上に原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」に忠実で、実にP.K.ディック的だ。
デッカードと対になる存在として彼の人生を見ても実に興味深かった。
全てをやり遂げ隣に立つデッカードに爽やかな笑みを見せるK。
きっと彼もロイと同じように、美しく舞う雪の中に魂の手応えを感じていたに違いない。
ちなみに今日までに4回劇場で見ました。
見るたびに新たな発見があり更に深く楽しめてます。
これは酷いし長過ぎ
前作の雰囲気を手前勝手に強調した演出で、過剰感大あり。さして重要とも思えない場面で長回しで尺ばかり取って長い長い長い上映時間。
前半で不可解な部分をばら撒いたのはいいが、後半で謎解きをうまく提示出来ておらず中途半端な印象。
やはり監督の力量なのでしょうか。
世界観が、いいね。
最初、複雑な状況に戸惑いましたが、ブレードランナーのリドリースコットの世界観と複雑された男的フレンチな内容に痺れました。Kが、CGの女性にしか、心開かないのは、悲しいなあ。しかしアナデアルマスちゃん。ベイビードライバーの美人さんなら許します。
ハリソンフォードもしっかり頑張ってるし。ハンスジマーのサウンドも良かった。
期待はしてなかったけど
ロボット刑事Kが
自分のアイデンティティに悩み
バーチャル子ちゃんに慰められ奮闘しながらも
最後まで酷い目に遭い続ける映画。
上司になじられても
世間に奇異の目で見られても。
刺されたり、どつかれたり、撃たれたりしても
愛しのバーチャル子ちゃんさえいれば大丈夫。
レプリの姉さんにバーチャル子を投影してSEXする、どれ一つとして本物が存在しないラブシーンもいっそう悲壮感が漂います。
こんな酷い目にあいながらも、自分はひょっとして特別な存在なのかも知れないと期待をもって核心に突き進みますが…。
なんかもうね、K君がかわいそうでかわいそうで。
「おしん」とか「ごんぎつね」とか「マッチ売りの少女」を観てる気分。
サイバーパンクSF映画の金字塔の続編ってより
かわいそうなKってだけで
僕は高得点です。
ヴィルヌーヴ作品として観ればシンプルな話
難解だとか退屈だと言われている今作ですが、『ブレードランナー』の続編としてではなく、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品として見れば、意外とこれまでのヴィルヌーヴ作品と同じ様なテーマについて語っており、理解しやすくなるんじゃないかと思います。
ヴィルヌーヴ監督作品は『メッセージ』、『ボーダーライン』、『プリズナーズ』など、ジャンルがバラバラで作風に一貫性が無いように思われていますが、どの作品も「親子」について語っている映画です。
彼の映画のテーマを説明するならば、「親子(特に母子)という絶対的な繋がりが原因で、歪んだ運命に捕らわれてしまった人々の話」ということで一貫しています。
例えば『ボーダーライン(原題の『sicario』は殺し屋の意味)』は表面的にはメキシコ麻薬戦争の話ですが、映画のラストで殺し屋に父親を射殺された子供が映り、この子が次の殺し屋になることが暗示されることで、殺し屋という歪んだ運命を歩むことになってしまう人物を浮かび上がらせます。
さらにヴィルヌーヴ監督作品には強烈な「母性」が登場します。『メッセージ』、『灼熱の魂』はもちろん、『プリズナーズ』では事件の中心人物として、『複製された男』では主人公を支配する人物として登場します。
上記のような「親子(特に母子)という絶対的な繋がりが原因で、歪んだ運命に捕らわれてしまった人々の話」として今作を観れば少しは観やすくなるかなと思います。
今作における「子」はKであり、彼は自分を「特別な存在」かもしれないと思い込んでしまったため、結局「おとり」だったということを知ってしまうことで自分の空っぽな存在意義に苦しみます。
今作における「親」はラヴではないでしょうか。彼女はウォレス社を仕切っている特別なレプリカントであり、全てのレプリカントの母親的存在と言えます。ジョシと対面する場面では、Kのことを「子ども」と例えています。ですのでラヴがデッカードを捕らえた時もKを殺しませんでした。ラヴという名前は「母性愛」を意味しているのかもしれません。
Kが最終的にラヴと闘うのは、ラヴはKにとってレプリカントという自分の呪われた運命の象徴であり母親的存在でもあるからです。
ラヴによってKの愛するジョイのデータは破壊されましたが、ジョイはKのことを特別だと認めてくれた唯一の存在でした。愛するジョイが認めてくれたように自分は特別な存在であるということを証明するために、Kはラヴと闘い、そして彼女に勝つことで自らの手で「特別な存在」へなることが出来たのです。
「自分は特別な存在なんかじゃない」と感じたことがある人なら充分共感できる、実はとても普遍的な物語だと思います。個人的にはとても大切な作品になってしまいました。
また、前作を「親」、今作を「子」として考えると、「『ブレードランナ』の続編という絶対に批判される運命に逆らって自分らしさを出したヴィルヌーヴ」というメタ視点で見ても通じているのが面白いところでもあります。
!!!
期待以上の面白さだった。単なる続編に飽き足らず、新たな地平線を模索した結果の内容に絶えることのない拍手を送りたい。SFの枠を外れ、真相を追いつつ、エンディングへと向かう巧みさはとても良かった。
ただ尺が長く、静かな映像をゆっくりと辿って話が進むだけに、眠りかけてしまうシーンがいくつかあり、もう少しカットして編集し、短くタイトにした方が見やすいと思う。
ま、そうこう難癖を付けても、素晴らしい出来の作品には違いがないのだが…
蛇足だが、恐らくもう一本、続編を作るつもりではないかしらん…
天才と凡才の深い谷間
嗚呼、観るんじゃなかった。「2010年」が「ソラリス」が「地球が静止する日」(これは噴飯もの)が前作と別物だった様に私の記憶からキレイさっぱり消去したい。ハリウッドリメイク・続編物、連戦連敗だな。こんな退屈なSF映画は初めて見た。タルコフスキーから一切の芸術性を除いた感じ。只ひたすら退屈なのである。SF映画が与えてくれるワクワクする世界観、魅力的なビジュアルが無い。全て灰色かセピア色。ブサイクではないがゴスリングの脇役顔と全編付き合うのも辛かった。グラスルームの娘も印象に残らない。タルコフスキーと違った意味で私は、全力で睡魔と戦っていた。
ディレクターズカット版を待つ!話はそれからだ。
Forget it Jake, it's Chinatown.
一作目が目指そうとしていた、フイルム・ノアールな例の作品にかなり寄せてくるとは意外でした!
ゴズさん、ジャック・ニコルソンそのものじゃん(笑)
あと原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
の物語背景としてあった、核戦争とか(あの破壊された建物にはどっきりしましたね)、ペット(電気羊は何故電気なのか)の件とか、全体的な印象としては、リドスコ監督一作目で省かざるを得なかった、もしくは目指したけどできなかったことを、ようやっとやった印象でした。
リドスコ臭が、邪魔でした。
また妙なシーンがあって、あぁ、これリドスコ監督がまた変にカットしてるって思いましたもん。
そうだなー。
これ、ディレクターズカット版が出るでしょう(出ると信じている)?
いや、出さないと駄目でしょう!
それ観てからだな。
詳しい感想書くのは。
(蛇足)
ネタバレになるのかな?
『ブレードランナー2049』に変なイメージを持たせたらごめんなさい。
Blu-ray出た頃に詳しく語ろうっと。
そもそも「ブレード・ランナ-」の原作である、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」は、SF小説の巨匠である「スタニスワフ・レム」著の掌編集「泰平ヨンシリーズ」の影響が、かなりあるんだよ。
そう、レムとは、「惑星ソラリス」の原作者ですよねー。
もともとレムは、脳(思考)だけになった人間がコンピューターに接続して、いわゆる「電脳化」する話なんかを書いていた。
私が好きな「コングレス未来会議」もレムの原作で、観た方はお分かりになると思うが、夢、現実、妄想、過去、未来と、思考がワープする話だ。
そして、自分が一体、どこに存在しているのか、激しく混乱・不安になる物語を軸に、親子愛などを描いている。
アリ・フォルマン監督、応援してます!
レムがいなかったら、ブレードランナーも、攻殻機動隊も、マトリックスも生まれなかったかもしれない。
哲学者のフランシス福山が「歴史の終わり」という本の中で言っていた。
「歴史は繰り返す」とは、同じ過ちを繰り返してしまう、人間の愚かさを表している言葉ではなく、”経験したことからしか学べない、人間の悲しい性を表している”
目指してるのは、1カ所。
開祖はすげえ。
文句なし
本当に「素晴らしい」の一言。
待望された続編でありながら、誰も予想しなかったストーリーが、絵画のような映像と感情を揺さぶる音響で語られる。
これは単なる娯楽映画の域を超えて、芸術作品と呼べる完成された映画 🎞
映画館で観るべき映画とは正にこの映画こと🎬
重厚な映画体験
劇場で観なければならない映画です。ランニングタイムは3時間近いのに、全然飽きずに最後まで楽しめました。今年いちばんの満足感です。
『ブレードランナー2049』は、主人公“ K ”が賞与でジョイをバージョンアップしてる姿が非常に滑稽でした。。。でも“ K ”に感情移入してしまって全然笑う気にはなれません。ライアン・ゴズリングが“ K ”の存在に説得力をもたせています。主演俳優がライアン・ゴズリングであることが、この物語をよりいっそう輝かせています。
後半にハリソン・フォードが登場します。長いキャリアを感じさせてくれるさすがの演技力でした。圧倒的な存在感を放っていることが、前作のファンは嬉しいのではないでしょうか?
ロマンチックな映画ではないのに、“レイチェル”のシーンを思い出すと泣きそうになります。まさかこんなに切ない映画だとは予想がつきませんでした。本物のヒューマニズムが描かれています。
あまりにも有名な『ブレードランナー』の続編に相応しい納得の完成度でした。
「彼女の瞳は緑だった」
必ず、もう一回観ます。
前作公開当時、小学生高学年だった私。
のちにレンタルビデオで観る機会はあったはず。
がこの歳まで結局観ていない。
「前作は必ず観る」
この鉄の掟の大切さは
今夏、前作を観ずに劇場に行って大失敗した
「ガーディアン・オブ・ギャラクシー・リミックス」
でも痛感したはずなのに。
こういう時に限って
観たい映画と時間が合わず
時間的に観ることができたのが
この作品しかなかった。
劇場のロビーで慌てて
YouTubeの
「5分でわかるブレードランナー」
を観てから、いざ鑑賞。
結果。
この監督って、やっぱチョット難しい?
「メッセージ」の時も感じたのだが
叙情感というか映像美というか。
「冒険活劇」ではなく
「純文学」っぽい感じがした。
なので正直、何回か寝ました(^^;;
でもね。
観終わって三、四日経って思うけど。
日が経つにつれ
どんどん印象が濃くなっていく。
余韻が深くなっていく。
このパターン、たまにあって、
最近では「パターソン」がまさにソレだった。
初見で少々重く感じていた
重厚感・叙情感を、もう一回観て観たい。
そう思うようになってきた。
今度こそはしっかりと予習してから
ぜひもう一度観てみようとおもう。
PS
物語の本筋ではないけれど。
ホログラム美女のジョイが
むちゃくちゃかわいい。
だからこそ
バグってフリーズするシーンとか
コールガールとプロジェクションマッピング合体?
するシーンで、胸をえぐられるような思いだった。
ホログラムと恋をする時代。
そんな時代はやっぱり嫌だと思う自分は
2049まで生きられないのかな。
切ないラスト
「誰もが確かな何かを探し求めてる」
作中のマダムの言葉通りのお話しでした。
主人公が自分の存在意味を探し求めて荒廃した世界を放浪します。その果てにあったのは甘い夢と残酷な現実。そして自分が何者であったのかという答え。
いろんなところに散りばめられていた伏線が、ラストで綺麗につながって、その結末から読み取れるメッセージが胸に刺さりました。
「あなたは特別なのよ」と人工知能の恋人が囁き、「特別だと思いたかったから、そう信じたのね」とレプリカントを率いるレジスタンスリーダーが宣告する。
自分は愛されて生まれてきた子供なのだ、と思いたかった主人公が、そうではなかったという事実を知り絶望する表情に、人間とレプリカントの境界線がわからなくなります。
ラストの主人公と高性能レプリカント・ラヴの存在意義をかけた戦闘から伝わってくる凄まじい自意識への執着には恐ろしさすら感じました。
「私は最上の天使だ!」レプリカントとしての誇りと共に生存しているラヴの叫びがすごかった。
彼女はきっと人間より、強く「生きて」いたんだろうなと感じました。
地上で魂の抜け殻のように生きる人間と、地下で革命を夢見て懸命に生きるレプリカント。果たしてどちらが世界を支配するべきか?
ヒトの記憶とは?存在とは??
そんな強いメッセージ性だけでも十分面白いですし、
何より映像と音楽が素晴らしかったです。
この監督の作品はまだメッセージに続いて2作しか観ていませんが重厚なSF映画を作るのが得意なのかな?
デッカードの「俺は何が本物かわかる」という言葉。本物として生きていきたい、と思います。
BRのある世界
フリークではないけれど、世代としては見届けねばならぬ2049。
imdb は 8.5のハイスコアをヒットしているものの、興行的には振るわないと言う。
興行成績ってのは、対制作費で語られるわけで、オリジナル関連のインタビュー番組でも、うるさく言われたってたっぷり出てきてた。
それもあってか、劇場入口でのっけからのリピ煽り、ちょっと引くw
さて、ビルヌーヴ。
緻密なオマージュ作品でありながら、全く別世界ーーというかビルヌーヴ作品であった。
映像技術の違いもあるんだろうけれど、画面が滑らかで 統一された上品なトーン。
美しい。
エレガントと言ってもいいくらい。
この美しさが 抑えた台詞と相まって 164分といういささか長すぎる時間を難なく乗り越えさせてくれる。
話も、よく練られている。
手堅いといえば手堅い。
Rachel という名前は最初からその意であったのか?と思うくらい。 映像とともに、前作の突飛さというか猥雑さと言ったものは感じられない。
むしろ既視感の連続。
聖書との関連も描かれているし、昨今の日本の小説も思い出させる。
高野和明の ジェノサイド とか
万城目学の とっぴんぱらりの風太郎 とか....
人は 自分ではないだれか他の人のために生きることに人としての存在価値を見出す、という普遍のテーマが中心に座る。
出産というモチーフの使い方も効果的だ。
ひとつの身体から別の命が出でるという体験の確かさは、レプリカントを意のままにし神となろうという意思を一蹴する強さがある。
そういう人間的な何もかもから切り離されて存在するKのはかなさ、寂しさ、終始そういう気配を漂わせるゴズリングは圧巻。
いい俳優さんですね〜〜
老いたフォードは逆に、人間性をそぎ落とすようにして暮らしているけれど、前作よりもはるかに人間的に見える。
相変わらず強いけど(笑)
あと人間として登場するのは、ジャレッド・レトとロビン・ライトだが、レトは盲いた目を補うテクノロジーを多用してアンドロイドを側近に使っているせいか、あまり人っぽくはない。
ライトはゴズリングの上役としてぴったり。
シャープで強靭だが、この世に希望を持っているようには見えない。
我欲も薄そうなところは House of Cards のクレアとは違うかな。
それにしても、2049年かぁ .......
あっという間に来そうだなぁ
がっかり
SFものはあまり興味が無かったものの、昔のブレードランナーを観てなかなかいける!と思い、今回のブレードランナー 2049を観たけれど、まぁ、退屈すぎて途中退席してしまった。
確かに映像やアクション等以前の比にはならないくらいグレードアップしているけれど、ストーリーのテンポはダラダラしているしそのくせ上映時間が長い。
ファンにはたまらないのかもしれないけれど、私は苦痛以外の何物でもなかった。
雰囲気に浸る映画
正直、設定もストーリーもいまいち理解できないし、展開も不自然なところが散見するけれど、何といってもここから始まっている世界観というものは絶大なものがあり、続編といえども、確固たるオリジナリティを感じるし、ここから始まっているワールドを思う存分楽しめる、長いだけに尚更、それが快楽か苦痛かは人それぞれだろうけれど…
監督も音楽も違っていても、荒涼とした未来に鳴り響く電子を感じただけで、前と変わらない世界を勝手に妄想して、ノスタルジーに近いカタルシスにずっと浸り続けることができた。
音と映像だけで満足できる作品だった、あくまで個人的な見解だけど─。
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