恋人たち

劇場公開日:2015年11月14日

恋人たち

解説・あらすじ

「ぐるりのこと。」で数々の映画賞を受賞した橋口亮輔監督が、同作以来7年ぶりに手がけた長編監督作。橋口監督のオリジナル脚本作品で、不器用だがひたむきに日常を生きる人々の姿を、時折笑いを交えながらも繊細に描き出した。通り魔事件で妻を失い、橋梁点検の仕事をしながら裁判のために奔走するアツシ。そりがあわない姑や自分に関心のない夫との平凡な生活の中で、突如現れた男に心揺れ動く主婦・瞳子。親友への想いを胸に秘めた同性愛者で完璧主義のエリート弁護士・四ノ宮。3人はもがき苦しみながらも、人とのつながりを通し、かけがえのないものに気付いていく。主人公となる3人はオーディションで新人を選出し、橋口監督が彼らにあわせてキャラクターをあて書きした。リリー・フランキー、木野花、光石研ら実力派が脇を固める。

2015年製作/140分/PG12/日本
配給:松竹ブロードキャスティング、アーク・フィルムズ
劇場公開日:2015年11月14日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画評論

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6

(C)松竹ブロードキャスティング/アーク・フィルムズ

映画レビュー

4.5 川が人を隔て、橋が人を繋ぐ。

2015年11月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

いい映画を観ると、すぐさま外に飛び出して、日の光を存分に浴びたくなる。けれども、この作品は、エンドロールで絶品の光と青空を惜しげなく用意してくれていた。そのあたたかさとまぶしさに、とても満たされた。映画が終わり、客電が点いてしまうのが惜しいような気さえした。
あちら側とこちら側をふらふらとしている主婦、こちら側にしがみついている弁護士、あちら側とこちら側を結ぶ「橋」を点検している男…。特に、深い傷と闇を抱えざるを得なくなった男が、「橋」に関わる仕事をしていることに心撃たれた。ずぶずぶと底の見えない淀んだ水、折り重なる高架線と橋で光を遮られた、薄暗い場所。そんな中を、彼は日々這いずりさまよっている。出口の見えない毎日を、綱渡りのように生きるため…。そんな彼を、そっと見守る同僚たちの存在に、じわっと救われる気がした。特に、先輩格(「滝を見に行く」でツアコンを演じた黒田大輔さん)が、仕出し弁当を下げて男の家を尋ねるシーンは忘れ難い。ずずっと男の独白に迫っていくカメラの勇気に、思わず息をのんだ。
一方、主婦は滑稽なまでのいじらしさと可愛らしさで物語に動きを与え、頑なな弁護士は人の心に巣食う臆病さを見せつけ、わだかまりや苛立ちをくさびのように打ち込む。人を疑わず、気持ちのままに新たな世界に飛び込もうとする女と、傷つくことをどこまでも恐れて人と繋がりを持てずにいる男は、一見両極にいる。けれども、次第にそれぞれの痛みと声にならない叫びが切実に響き出し、共に光をつかんでほしい、闇に落ちてほしくないと願わずにいられなかった。(「サッドティー」に続き、内田慈(ちか)さんがいい味を出していた。)
私事ながら、前作「ぐるりのこと」も、本作も、奇しくも人生の節目に出会えている。とてもありがたいことだと思う。きっと本作も、繰り返し観返すことだろう。とことんまで落ち込みたいとき、そっと背中を押してほしいとき、ただただ劇場の闇に身を置きたいとき、などなど。…本作を劇場でちゃんと観ることができ、これで、お腹の子がいつ産まれても心残りはないな、という気持ちになった。(とはいえ、予定日近くまでは慌てずに居てほしいけれど。)
久しぶりに出会えた良作に、どこまでも感謝。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
cma

5.0 リリー・フランキーさん出演

2025年7月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

単純

☆☆

リリー・フランキーさんの
登場から
話のテンポが良くなります。

愛する人が不条理な亡くなり方したら
誰だって負のスパイラルに
陥ります。

自分の負の気持ちをぶつける相手がいて
少し救われましたね。

良い演技どころでた。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
tendo

3.5 意外な救い

2025年7月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

楽しい

 橋梁点検の仕事をしているアツシは、通り魔により妻を亡くし、心は荒んだままだった。つまらない夫とソリが合わない姑と暮らす瞳子は、弘に誘われついていく。パートナーと暮らす弁護士の四ノ宮は、親友の聡をずっと想っていた。
 メインはアツシの部分と思いました。もがき苦しむ彼にとって、カルキと黒田が救いとなっていくのが意外で、気分が軽くしてくれました。
 サブの二人の話に加え、助演の名優たちの存在も、様々な味を添えていてよかったです。あのラベルの写真は、本当に安藤玉恵なのかな。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
sironabe

2.5 美女水

2025年6月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 弁護士パートがどうもしっくりこない。漫画や小説を書いてる割りに夢を追わない瞳子パートも雑。唯一、無差別殺人の遺族となったアツシパートだけはグサリとくる。しかし、国民健康保険のエピソードはちょっとおかしい・・・

 素人俳優を使った点だけは素晴らしい出来映えだったし、それぞれの苦悩もよく伝わってくる。それぞれの相手(ベテラン俳優)の中では光石研と安藤玉恵が光っていた。

 これがキネ旬ベストテンの1位?と読み間違いかと思ってしまい、調べてみると2位以下は順当すぎるくらいで納得できた。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
kossy