ウルフ・オブ・ウォールストリートのレビュー・感想・評価
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これを観たら簡単に「ヤバすぎる人生」なんて言えなくなる
3時間もある長尺だが、観ればこれ以上切りようがないと納得する濃縮されたジョーダンの生きざま。
たった10年の間に周りの誰よりも多大な富を得、湯水のごとく金を使いまくり、ドラッグに溺れるジョーダンの人生。所詮、成り上がりの馬鹿な行動と見るのは簡単だが、たった一度の人生をあそこまでハジケさせたら本望だろう。
狂気の沙汰を演じさせたらディカプリオは超一級だ。あの淀みなく流れる話術、とことん行き着くところまで突き進むバイタリティ、己自身に陶酔しやがては破滅へと向かう形相、「J・エドガー」あたりからディカプリオは二段目のロケットに点火した感じがする。
法をかいくぐったビジネスだけでなく、四六時中ドラッグと酒浸りで、やることなす事、常人には計り知れない行動が大爆発。とくに、ランボルギーニの迷走、大型クルーザーの無謀航海、ファーストクラスでの乱行は最たるもので、呆れるを通り越して笑ってしまう。陸はもちろんのこと海へ空へと、まさにヤバすぎる人生とはこのことだ。
家庭人としては、何事も無難にこなし無事に家路につく夫が理想だろう。ただ、誰しもがそれだけで人生いいのか?と自問するはずだ。すべてを失い収監されたとしても、想像の枠を超えた体験をした男に一抹の羨望を覚えたとしてもおかしくない。
堅実という名の壁のどちら側に立つか、やはり人には持って生まれた分というものがある。望んだからといって、誰もがジョーダンのように破格の人生を手中にできるものではない。ましてや、ジョーダンがやってきたことは法に背いた犯罪だ。
それが分かっているから着実に道を歩く人間が大勢を占める。家路を急ぐ地下鉄の車中、これでいいのだと自分を納得させる。デナム捜査官の目が、万人の思いを象徴する。
人は何かしらの奴隷ですよ…
「マネー・ゲーム」とはよく言ったものだね…
スコセッシ×ディカプリオ作では、間違い無く一番の出来でした。
見応えアリ、ディカプーの演技力も改めて再発見出来る力の入れ具合。
だけど作中でディカプー自ら「こんな話、退屈だろ?」とのたまう通りで。
そもそものネタに興味が無ければ退屈なだけの、しかも3時間…
作品の出来以前に、客足が向かないスコセッシ作品を抜け出せないもどかしさもあり。
力作、良作だけに…
本当に、勿体無い作品です!涙
ただ…
ディカプーにアカデミーは無いかな。
ほぼ同い年だけど、顔に苦味が足らないんだ!と気付いたのも本作。
「苦悩の顔」が備われば、一皮剥けるのかな…
今度こそアカデミー主演男優賞を!
3時間の長い映画だ。
21秒に一度「FUCK」というマスコミでは使用禁止の粗暴な言語が出てくる。その数、506回。「GET FUCKING PHONE!」受話器を取って株を売って、売って売りまくれ、というわけだ。ディカプリオが、女の肛門のまわりにコカイン粉を振りまいて、ストローでそれを鼻から吸引するシーンで、映画が始まる。禁止言葉の羅列、ドラッグ、ヌードと暴力シーンが多いために、18歳以上でないと観られない。ドラッグはコカイン、マリファナ、アイスにエクスタシー、、と何でも出てくるし、女の全裸姿も嫌というほど出てくる。
粗悪株を 口八丁の巧みなセールスで、小市民に売りつけて老後のたくわえを情け容赦なく取り上げる。名もない会社の株を強引に売りつけて得た金をスイス銀行でマネーロンダリングする。250人の証券会社の社員に株の不正取引を伝授して、売上が達成できると、職場では40人の娼婦やストリッパーや楽隊やアルコールやドラッグが待っている。オフィスで馬鹿騒ぎの末、小人症の人を目標達成ボードに体当たりさせて面白がる。デスクに金魚鉢を置いているような軟弱社員から、取り上げた金魚を全員の前で副社長が呑み込んで見せる。会社を酷評した書類には皆の前でジッパー下げて、小便をかけて馬鹿にして見せる。お金が欲しい女性社員を社員全員の前でバリカンで髪を剃って大はしゃぎする。250人の証券マンが仕事中でも楽しめるように、娼婦達を職場において、机の下でもエレベーターの中でも、ジッパーを開けさせる。何でもありだ。
公然と弱い者いじめをし、障害者を笑いものにして、公共の場で平気でドラッグを吸引し、女性を性奴隷としか扱わない。人としてのモラルをすべて全否定してくれて、獣よりも下劣な男の欲をこれでもか、これでもか、と見せてくれる。いやー、、、悪酔いしそうでした。
監督のマーチン スコセッシはニューヨークのイタリア移民の街、リトルイタリーで生まれ、父親はシチリアからの移民一世、母親も移民の2世、子供の時からマフィアの本拠、シチリアの文化の中で育った。彼の作風は「徹底して見せる」ところだ。暴力シーンは徹底的に暴力的に撮る。情け容赦ない。彼の代表作「タクシードライバー」(1972年)、ボクシングファイターを描いた「レイジングブルー」(1980年)、イタリアマフィアの世界を描いた「グッド フェローズ」(1990年)を見ればその暴力の徹底ぶりがわかる。「ギャング オブ ニューヨーク」(2002年)など、アイルランド移民たちの手造りのナイフやナタで殺し合う血しぶきが飛び肉がちぎれるシーンなど、暴力描写が徹底している。
そして、今回の「ウルフ オブ ウォールストリート」では、無一文の男が事業に成功するとどれだけ馬鹿ができるかを徹底して描いてくれた。モデルだった美しい妻を持ち、子供たちに高い教育を受けさせ、家をいくつも買い、別荘、運転手付きのロールスロイス、自家用飛行機、船、とエスカレートしていき、ドラッグとアルコールをあびるように飲み、女遊びする。きりがない。ヌーボーリッチ、成り上がり者の俗物極致、金銭至上主義で、下衆の三流趣味。消費することが快楽でたまらない、消費中毒。人としての品性も、道徳も品格も、叡智もない。人格の尊厳も、上向志向さえない。でも、これがアメリカ人であり、アメリカの消費文化のなれの果てなのかもしれない。そういった男をスコセッシが徹底して描いた。
そんな男を演じたのは、ディカプリオ。「僕がこれだけのお金を手にしていたら環境保全のために使いたいよ。」と、のたまう、しごく真面目な役者だ。炭酸ガスを出さないバッテリー電池の自動車ハイブリッドが発売されたら、すぐに手に入れて売上宣伝に力を貸し、自然破壊を食い止めるための映画を自費制作した。この映画、アル ゴウ元副大統領の作った「不都合の真実」の影になって、あまりヒットしなかったが、カナダの環境保護活動家、デビッド鈴木博士のインタビューなどを含めた とても優れたドキュメンタリー映画だった。
環境保護活動家は、アメリカでは大企業から嫌われるから、スポンサーがつかない。ディカプリオは日本では人気があるが、アメリカでは実力に反して評価されずにきた、不遇の役者だ。映画史上最高の興行成績をあげた「タイタニック」を主演したにもかかわらず、相手役の女優ケイト ウィンスレットがアカデミー主演女優賞を取り、映画作品賞など、その年のアカデミー賞を総なめしたが、なぜか主演の彼だけが、何の賞も与えられなかった。「アビエーター」でも 相手役のケイト ブランシェットがアカデミー女優賞をとり、主演のディカプリオには、何も与えられず、また、昨年の「華麗なるギャッピー」でも、作品は受賞したが 主演の彼は、賞の候補にさえ挙がらなかった。ハリウッドでは、わざと彼だけを避けているのかと思えるほど、ディカプリオは、賞に関しては不運だった。今回のこの映画で、彼は初めてアカデミー主演男優賞の候補にされた。是非、受賞してもらいたい。「熱演」、というか、「怪演」している。
この原作を映画化する権利を、ディカプリオは、ブラッド ピットとの入札で競り合って獲得したそうだ。主役に求められる、「無教養で、節操のない上えげつない男」を、ディカプリオがやっても、ブラッド ピットがやっても、あきれるほどうまく演じたことだろう。
マーチン スコセッシは、この映画の前に、「デパーテッド」、「アビエーター」、「ギャング オブ ニューヨーク」、「シャッター アイランド」の4作で、ディカプリオを主役に使っている。よくできたコンビだ。中では、「シャッターアイランド」が一番好き。夢か現実か、わからない狂気の世界を彷徨うディカプリオがとても良かった。
スコセッシ監督の作品ではないが、「キャッチミー イフ ユーキャン」(2001年)という映画がある。高校生のくせに、ツイードのジャケットなど着て、先生に間違われれば、そのまま教壇で滔々と授業をやる。口がたつ天然の詐欺師だ。
今回の映画でも250人の社員を前に、演説を始めると熱が上がってきて、アジりまくる。彼のアジテーションに 社員全員が総立ちになり熱狂する。そんな役がとても 彼にはよく似合う。FBIが動き出したのを機に勧められて、社長業の引退を決意して、社員たちを前に涙ながら最後のあいさつをしていたのに、話し始めると止まらない。社員を叱咤激励するうちに、そうだ、引退なんか、くそくらえ。僕はこれからも仕事にばく進して、稼いで稼ぎまくるぞ ということになってしまって社員たちを熱狂の渦に巻き込んでしまう。このシーンが映画のクライマックスだろう。
金、女、ドラッグに固執する執念が、この男を駆り立てる。この役を演じたくて、版権を自分で買い映画化するのを待ち望んでいたディカプリオの執念が達成された。アカデミー賞受賞の価値はある。
冗談みたいな生き様。
スコセッシ&ディカプリオの作品で上映時間がほぼ3時間!!
うっわ~!ナニこの長さ。他の作品と抱き合わせで観れないし、
いつ観ようか、どうしようかなんて、グダグダ悩んでいたのが
鑑賞後にスパーっと解決!(爆)面白さ大爆発の長丁場作品。
…とはいえ、ほぼ全編に渡りディカプリオ出ずっぱりのうえに、
ドラッグでぶっ飛んだ奴、セックスをしまくる奴、エロとバカと
あとはナンだろ、騙し騙され隊が出てくるばかりの作品なので、
そういうのはダメ。っていう良識人には向いてない作品かも^^;
アカデミー賞にもノミネートされている本作、私は是非コレで
とらせてやりたいけどなぁ~。ディカプリオに。
最有力候補といわれる某作も観たけど、主演俳優の身体改革は
確かに頑張ってる、でも演技と面白さでは明らかにこっちがいい。
さすがのディカプリオもコレを撮り終えたら、そりゃ~休みたく
なるでしょうよ~。いやホント頑張ってるもん、偉いわよアナタ。
監督も今作では悠々快適に演出を繰り広げてる模様。
型に嵌らないものを好む人間にうってつけの?トチ狂った作品
だけど、こんな長丁場を飽きさせず魅せる演出は賞賛に値する。
しかし主人公のジョーダン氏、冗談みたいなその生き様はナニ?
思わず日本人のあの御方をフッと思い浮かべてしまったけれど、
こういう人っておそらく一生凝りない人生を送るんだろうなぁ。
現にご本人は(今作でも最後に登場している)消える気配全くなし、
だけど彼が詐欺で騙した賠償金は、一生かかっても返せない金額
だそうだ。もう返さないでしょうね、この人はおそらく。
一体お前はナンなんだ!?と言いたくなるほどのバカなんだけど、
どうしてだかこの男のカリスマ性に人々は惹かれてしまうという、
ラストの行なんて、お見事!!というくらい魅力のある講義ぶり。
成るべくしてそうなった人物って、こうかもしれないよな…ところ
変われば、違う方面で人々を騙せた(あ、失礼^^;)魅了できた人間に
なったはずの人物。コネも学歴もない人間の為り上がり講座だ。
しかし、こういうバカに騙されてしまう人間の浅はかな決断が、
今作を見るとまるで自分のことのように思えてしまうところが妙。
バカなオトコほど可愛い。という女性心理がよく分かる。女から
見ると、羨ましい生き方の総テンコ盛りというか、私も男だったら
こんなこと一度してみたい、そりゃあ気持ちいいだろうよ、の一例。
憎み切れないロクデナシ。を地でいくジョーダンには、いつ何時も
部下たちの熱い信頼が集まってくる。人望が網で初仕事の時から
先輩の仕事ぶりに教訓を得て、自分で掬い取っていくジョーダン。
そういや彼に仕事を教えたあの上司は、その後どうなったのかな^^;
時代も時代だったのだろうが、よくぞそこまでやれた(プラス面でも
マイナス面でも)という意味では本当にスゴイ人物。あまりの半生に
観る者がぶっ飛んでしまうほどの威力と面白さがあるが、騙された
被害者側は、この作品の出来映えをどんな風に観てるんだろうなー。
キャスト陣も最大の魅力。ディカプリオ以下、乱痴気騒ぎが満載。
(監督には今後もこの路線でいって欲しいなぁ。子供向けはもう勘弁)
狂気に彩られた栄光と破滅
ウルフオブウォールストリート。
日本風に言えば『兜町の風雲児』。
一介の証券マンが如何にして巨額の
富を得、登りつめたか。
その裏には人の心を操る天才と狂気に
彩られた金への渇望があった。
背景や原作を考えるとプロットや題材自体は
特に優れた、奇抜なものとは思わない。
しかし、この作品の素晴らしさは
幾つものポイントで整理すると解りやすい。
まず、スコセッシ監督の見事な手腕。
作り方によっては只の下品なB級作品に
なりがちなものを見事にまとめ上げた。
次に脚本。
前半の土派手なサクセスストーリーから
後半のエンディングまで陽と陰の描き方。
二時間半を感じさせない様、細かな話題を
はさみつつ、観客をグイグイ引き寄せる。
次に主人公を演じるディカプリオとその
仲間たちのキャラが魅力的である。
何となくではあるが、主人公の持つ
強烈な個性が、むしろディカプリオを
狂気と共に動かしたと言えるかも。
最後にテーマ。
金と欲望。
これほどエンターテイメントとして
使いはやされ、かつ、難しい題材を
強烈な俗物作品として昇華させたこと。
娼婦やセックスシーン、様々なコカインを
始めとするドラッグ類の数々。
通常はこれらをテーマとするだけで
成立する禁断の題材なのだか、スコセッシ
監督はそれらを単なる彩りとして使いこなす。
よく、オスカーにノミネートされたな。
とにかく下品だし、登場人物はまず、
一分間に一度は「ファ○ク」という
言葉を放ち、時には連呼。
まさにR18当たり前の作品。
とても永遠にテレビのロードショーには
出すことができない(笑)過激作品。
これらの類を見ない、ファクターの数々が
この作品を魅力的なエンターテイメントと
して成り立たせている。
これほど、えぐい、面白い、まさに超ド級の
エンターテイメントと呼べる作品は少ない。
主人公がドラッグと欲望に酔いしれる様に
さあ、皆さん、この作品に酔いしれましょう!
スコセッシってこんなに面白かったっけ?
まさかコメディ映画だったとは。
どちらかといえば出鱈目な犯罪映画なのかと思っていた。
しかし!映画館で何度も爆笑が起きました。
信じられないくらい長い映画ですが、全編にわたって下ネタとブラックジョークの連続。
教訓とか知性とか考えたら負けの映画ですね。
ニューヨークがここまで狂っている、とは思いたいくないですが、怖いな。
レモン714という鎮静剤を一度は飲んでみたいような。飲みたくないような。
時間を感じさせない秀逸な作品
3時間と長いの覚悟をして観にいったのですが・・・・
あっという間の3時間。
予想以上に集中して観れました(良い映画かどうかは別にして)
レオナルド・ディカプリオは最近こんな役が多い?ような気もしますが、良い役者になったと思います。
見応えあり。
ちょっと皆さんの評価が低いのが以外でした。
こんな人生も経験したいものですね。
ディカプリオファン厳禁!破格のスケールのぶっ飛びムービー!!
実話です…実話がベースだそうです!
アメリカってらやっぱすごい!
そして、ディカプリオとスコセッシ最強ですね!と思える破格のぶっ飛びムービーです。
「ディカプリオ様の映画だ」なんて思ってる人は見に行かない方がいいでしょう笑だって、幻滅するもん。
お話は、中流家庭に育ったジョーダンがアメリカでも有数の証券会社に入社。一攫千金を夢見ていよいよ資格も手に入れたその日に、ブラックマンデーで会社は倒産…。
逆境にめげず、小さい株を売って仲間とともに証券詐欺で金を稼いで、巨万の富を築き上げる。
その派手なやり口についにFBIだっけな?が調査をはじめ、破滅の一途へ…。
金とSEXとドラッグと破滅と…これ以上にない当たり前の組み合わせがこれ以上にないほどハマる。ジョーダンを取り巻く異常な環境がすごすぎて、実話ベースということを忘れてしまうほど…。そして、描写そのものもSEXとドラッグばかり笑。もう暴力のないバイオレンスムービーですね。
とにかく、ジョーダンのクズっぷりが半端ない!!
SMプレイもそうだし、スイスに行く飛行機の中でのご乱行も、奥さんのおばさんをファックしちゃうのも…とにかくクズ!!極めつけは、奥さんのおばさんが亡くなった時に、その事を傷む訳ではなく、おばさん名義の口座の名義を帰るためにおばさんの葬式に行かず、スイスへ…その時に放った一言が「おばさんは大切だが、既に死んでいる。僕らが急いで行ったところで彼女は蘇らない。もっと大切なことがある」的な…完全なクズすぎてもう笑うしかない。彼には金とクスリ以外に大切なものはないのです笑
ただ、唯一思うこととすれば、ディーラー?になってすぐのジョーダンは、奥さんを愛して裏切らず、薬も手に染めなかった青年は、金にまみれ、薬と女にまみれて行くことになったということ。
そして、不正が暴かれ、嫁に見放され、仲間に裏切られ、仲間を裏切り…。
金に憧れて、金に溺れて、金に滅ぼされた小市民っていうのが、なんだかせつないなぁ…と感じてしまいました。
おばさんの葬式に行かずのくだりも、白いフェラーリをベコベコにして帰って来てからの相棒との一悶着も、ジョーダンは金はもっていて派手に遊ぶけど、とにかく小物で、つねにビビっている感があるのは、やはり小市民が成り上がりで急にお金を手にしてその生活に慣れていなかったから、お金についてくる女と薬を断りきれなかったのでしょうか、と思う時に、この話ってやっぱ実話なんだよなぁとしみじみと感じてしまいました。
ディカプリオ!
レオ様と呼ばれ、若さと美しき故に演技派として認めてもらえず、アカデミーのおじ様たちにイケズされ続けたディカプリオ…。でもね、私はギルバート・グレイプやボーイズ・ライフの演技、キャッチミー・イフ・ユー・キャンの演技!何故今まで、アカデミー貰えんのか不思議だった。タイタニックなんて他の誰も真似できん見事なまでの超絶イケメンヒーロー演じたのに、ノミネートもされず…オヤジの嫉妬って怖いわね。でもさ、この、この映画のこのディカプリオのこの演技に誰が勝てるというの?私は彼のセミナーだったら行くわよ。ええ、金持ちになりたいもの!犯罪者?運が悪かっただけよ。彼は私の救済者なの!…って思わされる…この演技力…恐るべし!どう考えてもサイテーのクソヤローなのに、ついて行きたくなるの!中毒になるの!あー、やっぱディカプリオってレオ様なのね!
特異稀な構造のジェットコースター
「貯金ゼロから年収49億円 ヤバすぎる(実存:ジョーダン・ベルフォートの)人生へようこそ。」ということで、「たったの179分間」、彼の人生を追体験できる...わけがない。
金持ち自慢から始まり、金持ち自慢で終わる。もっとも貯金ゼロからヤバい手段でもってウォール街を騒がせ飛ぶ鳥を落とす勢い、果てはFBIに「撃ち落とされ」逮捕・刑罰の転覆といった物語の起伏があって単純ではありませんが、言うなれば、世界中何処にもないだろうジェットコースターに乗った感覚がお土産でした。
というのも、序盤のテンポは素晴らしく、そのギャグ調のせいもあって、まるで超高速漫才を見ているかのように感心してしまい、まさにエンターテイメント。経済学なんて分からなくとも大丈夫、一気にジェットコースターの頂まで上昇します。
しかし、その特異稀なジェットコースターの構造とは、「わ!ヤバいことをした報いが来るぞ!とんでもない急降下で皮や肉もろとも吹っ飛ぶぞ!」なんてことはない角度的に10°ないし20°ほどの緩い坂だったのです。
これは彼に対する「皮肉」でしょうか。
本作はジョーダン・ベルフォートという一人の生き様を彼の自伝を基に描いています。その内容は知りませんが、恐らく自虐調であったことは想像するに難くなく、その自虐が本作でギャグないしエンタメ性に富んだ脚本へと昇華したのかも知れません。彼を賞讃してはないでしょうし。とすると、やはり後半のズルズル感も制作者の意図するところで、結局は、料金1800円の「アトラクション」としては中々楽しめたのではないかと思い返すわけです。
(『マグノリア』のトム・クルーズを思い出す人も多かったのでは…)
この男、ハングリー過ぎる……!
飢えた狼の如く、ウォール街を食い荒らす主人公、ジョーダン・ベルフォート!
映画チラシのキャッチから「サクセスストーリーか?」みたいなイメージが浮かび、イマイチ気が進まなかったのですが……トンでもない!
欲望を貪るどこまでも汚れたウルフを見よ!
いい意味で騙され、どえらいモンを見せ付けられました。
とにかく本能のままに生きるジョーダンに度肝を抜かれる!
レオナルド・ディカプリオの演技が凄すぎる。
演説の迫力、キメ倒したその様、あらゆる苦境から足掻く姿、それら全てに圧倒されてしまいました。
しかし、その仲間達が寄せる絶大な信頼を築き上げたジョーダンに、同情を覚える感覚が不思議でなりません。
社員の面々が映るシーンは実に感慨深い。
邪悪に満ちた欠陥人間としての描かれながら、その不思議なカリスマに魅せられる、とても刺激的な映画でした。
しかし、チラシの煽りは認めない。
金は天下の回りもの、ではないのか?
まさに疾走する映画であった。
マーティン・スコセッシの映画でいうと「グッドフェローズ」や「カジノ」の系譜に連なるものであった。
ジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)が大手の証券会社に就職し、トレーダーの資格を取得したその日、ブラックマンデーに襲われ、ベルフォートの会社は倒産してしまう。
そこからベルフォートは見事な話術と度胸で、みるみるのし上がっていく。
3時間の長尺を感じさせない、スコセッシのマジックはさすがというほかない。ベルフォートの語りが有効にはたらいて、時折ディカプリオがカメラ目線で話す演出も気がきいている。
レオナルド・ディカプリオは、自分で企画しただけあって、入魂の演技となっている。これも長尺を引っ張るだけのエネルギッシュな人物像を作り出し、観る者に金の魔力を見せつける。
欲望ははてしない。
いいことはいつまでも続かない。
示唆に富む映画であった。
演技派ディカプリオ!
ディカプリオが良すぎた!とくに社員の前での演説のシーンはトリハダものだった。序盤で出演のマシュー・マコノヒーも存在感があって映画を盛り上げた。テンポもよくあっという間の179分だった。ただsexとクスリの描写が多すぎたのが少し気になった。
狼になりたい人々 【スコア修正】
20代半ばで年収50億円近くを稼ぎ出す株屋となった男、
ジョーダン・ベルフォートの波乱万丈の半生
(まあ実際には1/3生くらい)を描いた作品。
主演は今や貫禄付きまくりのL・ディカプリオ。
監督は『NYの裏側なら俺に任せろ』な名匠M・スコセッシ。
……ところでスコセッシ監督って今いくつだっけ?
72歳? え、マジで? いやいや 年齢詐称でしょ、それ。
2~30代じゃないの、こんなギラついた作品撮るのって。
何すか、この超エネルギッシュなブラックコメディはッ!
このテンポの良さと、全編にみなぎる推進力!
3時間近い上映時間にも関わらず、まるで退屈しなかった。
あ、けど、R-18指定も納得のお下品&不謹慎描写も満載なので、
そういうのがニガテな人は要注意です。
* * *
ディカプリオ演じる主人公ジョーダンは欠点だらけ……というか、
あまりにクズ過ぎて笑えてくるほどの超絶クズ人間。
電話越しに山ほどの人々の人生を破滅させながら、それをネタに
仲間と爆笑してるような奴を善人と呼ぶのは難しい。
加えてセックス&ドラッグ依存症とくればもう手に負えない。
いつでもどこでもありとあらゆるクスリでキメながら、
金儲け→パーティ→セックスの無限ループ(最後の方では
ぜんぶ同時(爆))を年がら年中繰り返すイカれた日常。
天井知らずのウルトラハイテンション。
開巻早々◯◯を墜落させるアホっぷりに驚愕。
モラルそっちのけの荒稼ぎの数々に引きつり笑い。
終盤のレアな“レモン”のくだりなんて笑い転げそうになった。
* * *
その仲間もゴロツキみたいな連中ばっか。
ジョナ・ヒル演じる悪友はいつ何をやらかすか分からない
アブない雰囲気があるし、他の1人なんて“アブない雰囲気”
どころか実際にヤクの売人だし(笑)。
なのに、狼少年ジョーダンのテクニックを学んだ彼らは
ガンガン儲けて高級スーツと信頼感を着こなすようになっていく。
これ、冷静に考えればかなり不気味な話である。
しかもこんな奴らが世界のカネの1%を所有してる富裕層の
一部だなんてさ。連中が買ったヘリも船も豪邸もクスリも
コールガールもみぃんな誰かからむしり取った金で買った物。
ムカッ腹のひとつも立ってくる。
観ている分には笑える連中だが、彼らがスカンピンに
なろうが投獄されようが少しも同情は感じないっす。
* * *
けれど。
ジョーダン逮捕に意欲を燃やすFBI捜査官。
彼が地下鉄に乗って黙って座るシーン。
主人公らの狂乱ぶりとは打って変わり、
地下鉄の人々は静かに座席に座っている。
普通の人々の普通の日常。
彼らを見つめる捜査官は、あの時何を考えていたのだろう。
人生を変えられるだけの金があったら。
あんなイカれた熱狂までは望まなくても、
せめて生活に苦労しなくて済むだけの金があったら。
たとえ世間の評判が最低最悪でも――騙してきた人間に
殺されたっておかしくないほど憎まれていても――
そんな男に教えを乞い、一獲千金を夢見る人々は後を絶たない。
あのセミナーのシーン。
狼少年ジョーダンを、期待を持って見つめる羊の群れ。
彼らも、僕らも、もしも大金を手にするチャンスがあったら、
他人を破滅に追いやってでも金を手に入れようとしてしまう
のだろうか。そうしてジョーダンのような、底無し胃袋の狼
みたいになってしまうのだろうか。カネの魔力は抗い難し。
〈2014/02/02鑑賞〉
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