エイリアン2 完全版

劇場公開日:

エイリアン2 完全版

解説

リドリー・スコット監督の「エイリアン」(1979)の続編として、「ターミネーター」のジェームズ・キャメロン監督が手がけたシリーズ第2作「エイリアン2」(86)の完全版。未公開シーンが加えられ、上映時間はオリジナル版より約20分長い155分になっている。DVDやブルーレイに収録されていたが、2013年に初の劇場公開が実現。エイリアンとの死闘から生き延びた宇宙船ノストロモ号の航海士リプリーは、催眠カプセルで眠り続けながら宇宙をさまよい、57年後にようやく救助されるが……。リプリーとエイリアンが再びまみえる姿を描いたSFアクション。

1986年製作/155分/アメリカ
原題または英題:Aliens
配給:ハリウッド・クラシックス
劇場公開日:2013年6月14日

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映画レビュー

4.5戦う母、リプリー!

2024年10月17日
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鑑賞方法:DVD/BD

最新作『エイリアン ロムルス』鑑賞前にBlu-rayで復習。
前作から7年後に公開された続編の、さらに4年後に公開された「完全版」は2時間半に迫る長尺だが、ジェームズ・キャメロンはこれこそが本来見せたかったものだと語っている。

初期版でカットされた場面のうち、最も復活させたかったのはリプリーの娘について語られる場面だと思う。
11歳の誕生日までには帰ると約束した愛娘は、既に2年前に66歳で亡くなっていたという…。(夫についての言及はない)

惑星LV-426の開拓基地と開拓民の様子が追加されていて、ここでウェイランド・ユタニの社名プレートがハッキリと映し出される。
開拓基地内には『シャイニング』(’80)のダニー君を思い起こさせる三輪車を漕ぐ少年がいたりして、後に唯一の生存者として登場する少女ニュートが唐突に感じないようになっている。
このシークェンスで、例の馬蹄型宇宙船の残骸をニュートの父母が発見し、父親がエイリアンの幼体に貼り付かれる。その後は描かれていないが、父母と、一緒にいた兄まで犠牲になったことは明白なのだ。

リプリーたち一行がLV-426に到着してニュートを保護したあと、リプリーが娘の話をニュートにする場面も追加されている。

これらによって、リプリーとニュートの疑似母娘関係が構築されていく背景がより印象深くなっている。

1970〜80年代だと2時間を超える長い作品はあまり歓迎されなかったから、アクションとして面白い場面を活かした劇場公開版の編集は妥当だったのだろう。
リプリーが前作よりも強くなったと感じるのは、前作は自身が生き残るために恐怖と戦いながら頭脳戦でエイリアンを排除したことに対して、本作は少女を助けるために肉弾戦でエイリアンを倒す戦いをしているからだ。
その力の源に、我が娘を投影した少女ニュートを救うというリプリーの強い母の意志があったのだ。

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kazz

5.0ホラーからアクションへ―。ハリウッドの教科書大作

2024年9月29日
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鑑賞方法:DVD/BD

リドリー・スコット監督の打ち出した1作目は完全なホラーだった。元々"宇宙が舞台のホラー映画"という形で企画が始まったのだが、あちらはSFホラーとして君臨し続けている。
それをがらりと方向転換して戦争アクションへと変貌させたのが、低予算ながら口コミで話題沸騰となった「ターミネーター」のジェームズ・キャメロン監督である。後に全世界興行収入トップに躍り出る「AVATAR/アバター」の監督である。世界観がまるっきり違う様にも思えてしまうが、それが良くも悪くも途中で監督が変ったシリーズものの宿命なのだろう。だが、本作に関しては良い方向に進んだのではないか。ジェームズ・キャメロンならではの様々なガジェットが多く登場し、SF心をくすぐるネタが豊富である。監督のお気に入り俳優、ランス・ヘンリクセンがアンドロイドのビショップ役で登場し、すっかりイメージが定着した様に思えるが、実は「ターミネーター」にも刑事役で出演した彼だが、元々T-800を演じる予定だった俳優だ。その後は誰もが知るアーノルド・シュワルツェネッガーがその役を受けたが、そのイメージで監督がアンドロイド役で呼び戻したという逸話がある。劇場公開版が138分、完全版が155分という、当時の「映画は短く」の概念をかなぐり捨てた長尺でVSエイリアンを描いている。それでもダレる事なく勇敢な兵士達には興奮でき、その屈強な男たちをたやすく殺害するエイリアンはやはり圧倒的に強く、完全生物だと痛感させられる。
本作の目玉キャラでエイリアン・クイーンが登場するが、リプリーの乗るローダーとクイーンとの対決は鳥肌が立つ名シーンだ。また、クイーンを除いて成体のゼノモーフが多数登場するのだが、1体でノストロモ号の船員をほとんど全滅させた前作の個体と比べると沢山出てくる為か1体1体の強さをあまり感じることが出来ない。だがその分集団で襲い来るという怖さと、施設の電源を落としたり、エレベーターを利用したりなどの賢さの部分がより際立ってきた印象だ。この賢さがリプリー含め隊員らを追い詰めて行く事になる。

パート2は失敗したりなどのリスクも伴うが、そういう意味でも本作は大成功を収めている歴史的作品である。物語の展開等も含めて、本作はSF映画の教科書的な位置付けの作品だ。

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Mina

4.5今度は戦争だ!

2024年8月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

完全版でない『エイリアン2』の初公開時は、鎌倉在住(大船撮影所の裏)だったので、なかなか映画館に行けずにレーザーディスク購入して観た。
その後27年を経た2015年8月、『エイリアン2~完全版』を初めて観たが、日本初公開版の細部は憶えておらず、改変を気にせずに楽しんだ。
あれから9年、また完全版を観た。長い付き合いである😄笑

この『エイリアン2』は「今度は戦争だ!」の宣伝文句どおり、リプリー(シガニー・ウィーバー)が戦いの最前線に出て活躍するシリーズ中の傑作✨
キネマ旬報ベストテンでも、1986年外国映画第9位。

物語は、『エイリアン』(1作目)のエンディングからの続きで、宇宙を漂流していたリプリー(シガニー・ウィーバー)が57年後に回収されたところから始まる。
これがオープニングだが、音楽面で、あの『2001年宇宙の旅』と全く同じ音楽【アラム・ハチャトゥリアン作曲のバレエ音楽『ガイーヌ』より「ガイーヌのアダージョ」】を使っているが、この曲は『2001年~』において「コールドスリープ(冬眠装置)を映す場面で使っていた曲」なので、ジェームズ・キャメロン監督がスタンリー・キューブリック監督にオマージュを捧げたもの……と思って良いだろう🤗

そして、リプリーは大損害を与えた「宇宙船ノストロモ号を爆破した件」で神経科へ当面入院となる。誰もエイリアンを見ていないので信用されていなかった。
ただ、リプリーがエイリアンの卵があった星=LV426には、現在、60~70人が家族で暮らして植民地開発していると聞いて驚く。「彼らがエイリアンに殺される…」
リプリーの話を聞いた地球人たちは、エイリアンを信じなかったが、海兵隊をその星に派遣することに決め、リプリーも「エイリアンを見たことあるから…」という理由で連れて行く。
そして、その星でエイリアンとの全面戦争が始まる。
本作での極めつけは、やはりエイリアン・クィーンとの戦い。盛り上がる。

この完全版は2時間34分と少々長めだが、何回観ても面白い🙂

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たいちぃ

5.0何度観ても、やっぱりこれがシリーズ最高傑作!!

2024年8月25日
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鑑賞方法:DVD/BD

高校生だった1986年の初公開当時、あまりの面白さに劇場で観終わった後、暫く放心状態になったのをしっかり覚えています

1作目のリドリー・スコット監督に替わり、本作はカルトSF映画の傑作「ターミネーター(1984)」を世に送り出したばかりで注目されていたジェームズ・キャメロン監督の作品、自分としてもメチャクチャ期待して観に行ったのですが、これがとてつもないレベルで予想を遥かに超えてきた、とんでもない大傑作だったわけです

前作に比べ本作はキャメロン監督作品らしくエンターテインメント色が強く、装甲車・飛行艇・パワーローダーなどクールで凝りに凝ったメカが多数登場、それらを使って前作と同じ惑星LV426に戻ったシガニー・ウィーバーさん演じるリプリーが同行した海兵隊と協力し前作同様の狭い空間の中で大量のエイリアン達と再び死闘を繰り広げるSFアクション巨編

本作も中盤からの盛り上がりがとんでもなく面白く、特にエイリアン・クイーンが出てきてからラストバトルまでの怒涛のアクションはSF映画史上屈指の展開、これによってキャメロン監督は超一級の監督の座を獲得したといっても過言ではないでしょう

そして前作に輪をかけてリプリーのエイリアンとの闘い方が凄まじく、リプリーもまた前作・本作によって映画史に名を刻む“強い女”の代名詞にもなったんだと思います

キャラクターでいえば海兵隊員ヒックスを演じるマイケル・ビーンさんは「ターミネーター」に続きキャメロン監督作品出演でカッコよかった、そして本作でも登場のアンドロイド“ビショップ”を演じるランス・ヘンリクセンさんのアンドロイドぶりも素晴らしく、エイリアン・クイーンに胴体真っ二つにされ白い液体まみれになっているビジュアルが印象的でした

脚本や演出の素晴らしさに加え、勿論映像も凄くいい中で特に印象に残った画としては、少女ニュートが腰まで水に浸かりながら恐怖におののく背後に水中からゆっくりとエイリアンが現れるくだり
そしてラストバトルでエアロックにエイリアン・クイーンと一緒にパワーローダー共々落ちたリプリーがハッチを開け、その猛烈な気流でクイーンを宇宙空間に葬り去るくだり
これらのシーンはSF映画史上に刻まれる最高の名シーンだと思いますし、個人的にも高校生以来 大好きなシーンです

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Jett