ダークナイト ライジングのレビュー・感想・評価
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お前が弱いんじゃない、俺が強すぎるんだ
まずはじめに、
どうか前作「ダークナイト」とは別ジャンルの映画と考えて観て頂きたい。
評価としては
数ある三部作映画の最終章としては☆5つ
映画としては☆4つ
前作「ダークナイト」と比較しては☆2つ
作品を見終わったあと、最初に頭に浮かんだのは
「気にすんな、お前が弱いんじゃねえ、俺が強すぎるんだ」 by 伊達臣人
とはいえ、あのバットマンシリーズの最終章。まずは劇場で見ないわけにはいかないでしょ。
暴力と暴力が織り成す破壊のシンフォニー
前作でヒース・レジャー演ずるジョーカーと繰り広げた壮絶なる死闘を、どう引き継ぎ、どう超えて、完結させるかに注目して劇場に馳せ参じたが、フィナーレに相応しい地獄の大河ドラマに仕上がっている。
前作で街の平和のために、敢えて悪の汚名を被り、バットマンを封印したにも関わらず、彼を再びリングの上に引きずり出した最後の敵は、悪魔の申し子・ベイン
グロテスクな容姿とは裏腹に、株式市場に乱入して企業を破産させたり、地下のハイテク兵器はおろか核までゴッソリかっぱらう姑息で用意周到な兵糧責めは、現在世界をはびこるテロ組織の頂点を想わせ、闇の深さを突きつけるに充分な存在感を放つ。
敵が握る核爆弾なぞ元々は、ブルース・ウェイン財団所有やったし、ゴッサム・シティの悪党を取り締まっていた新法も嘘塗れの背景をごまかし成立させたモノだ。
戦争を終結させるは、多くの人命が犠牲になると覚悟せねばならない。
暴力は暴力を以て征するしか根本的に不可能なのだ。
正義と悪とは明確に二分化なぞ絶対に不可能であり、常に表裏一体の世界で絡み合っていく複雑な縮図であると、両者の背負いが明らかになり、死闘が熱を帯びるに連れて痛感させる。
全ての流通を遮断され、政府に見離されたゴッサムシティの凄惨なる無法地帯は、これまで軍事介入し、殺戮を繰り返してきたアメリカそのものに対するツケが凝縮されていると、私なりに受け止めた。
核まで引っ張り出す展開は、今の日本にはかなりヘビーな味付けだが、これほどまで濃密に練り固めなければ、私のような鈍感な日本人は平和について見つめ直そうとはしないだろう。
束の間の平和は、多大なる犠牲から成り立つ悲劇の1コマに過ぎない。
そんな壮大な血生臭さに染まる絵巻の完結に立ち会えた瞬間こそ、私にとって束の間の平和なのである。
まあ、キャットウーマン演ずるアン・ハサウェイの妖艶なる色気を堪能できれば、私は充分平和なんやけどね。
結論:地球を救うのは愛よりも先ずは、エロである
あと、やっぱり長いね
相変わらずワケのわからない結論でサゲたところで、
最後に短歌を一首
『傷を剥ぎ 仮面の目覚め 影と舞う 平和売り買う 奈落の街へ』
by全竜
前作を凌駕してみせたノーラン監督に拍手!!
165分という長さをまったく感じさせない。
豪華で多彩な俳優陣を無駄なく使い切る脚本と演出が素晴らしい。
ストーリーに秘められた情報をしっかり伝える撮影と編集も文句なし。
前作「ダークナイト」を観ていないとしても、ダークナイト(=バットマン)とゴードン市警本部長が置かれた苦境、そして執事のアルフレッドの主人ウエインに対して抱く危惧が充分に理解できるはずだ。
「ダークナイト」の悪役・ジョーカーは亡くなったヒース・レジャーの鬼気迫る怪演で、作品のレベルを押し上げた。はたして、それを乗り越えられるのだろうか、期待と不安がよぎるが取り越し苦労だった。
今作の悪役・ベインはジョーカーよりも現実的なタイプながら、その異様なマスクと強靭な肉体でダークナイトのハイテク武器が通用しない。肉弾戦でしかケリがつけられない。しかも組織を束ねる統率力と揺るがない精神力を併せ持ち、その圧倒的な強さはジョーカーを凌ぐキャラクターに仕上がっている。クリストファー・ノーラン監督に“限界”という言葉はないのだろうか。
音楽もいい。ノーラン監督と組んだときのハンス・ジマーは別人のようにいい仕事をする。この作曲家は自身が担当したほかの映画の楽曲に似たようなスコアを書くことが多いのだが、「ダークナイト」「インセプション」そして本作の音楽は作品の世界観を作り上げる効果を充分に担い、観る者の心を高揚させる。
アン・ハサウェイのセリーナ・カイル(=キャットウーマン)は、その身体能力に加え知的な優雅さを持ち、そしてなにか暗いものを引きずっている。ブルース・ウェインと同じ血が流れていると感じさせる、今までのキャットウーマンとは違った人物像に作り上げた。
若き熱血警察官・ジョン・ブレイクのジョゼフ・ゴードン=レヴィットが、案外に物語が持つテーマ〈法が足枷になることもある〉の中心的な役割を持つ。
二組のエンディングの処理も、伏線が活きた着地でピタリと決まる。
二組のエンディングは一つの予感に結びつく。だが、ほかの監督によく見られる、せっかく決まったフィニッシュをエンドロール後に遣らずもがなのショートフィルムでお茶を濁すような真似はしない。
最後まで3Dにしなかった硬派の監督ならではだ。
これはもうアメコミじゃないね
素直に面白かった。IMAXで見た甲斐がありますね。今までもそうですが、内容がシリアスすぎていまいちアメコミ見てる気がしませんね。さすがに乗り物が出てくると思い出しますけど。
それにしてもバイク乗ってる時のキャットウーマンは目茶苦茶格好良かった。アンハサウェイ自体はそれ程好きでも無いけど、この役は良かったな。
基本、全体的にダークな印象ですね。他のアメコミのような派手さも有りません。でも僕的にはそこが良かったです。
最後のどんでん返しについては、正直予想がついていました。途中ちょっとヒントが有りますから。監督も分かるようにヒントを作ってるんでしょう。だから、予想が当たってしまってもガッカリ感は無かったです。
なんかいまいちまとまりの無いレビューですが、まぁ、普通のアクション見るつもりで見に行くといいかもです。
何度でも観たくなる作品
今回でノーラン版バットマンは完結ですが、全体としてすばらしい出来だと思います。ただ、 影の同盟でのベインの修行シーンをカットしてしまったのが少々残念。 あと、タリア黒幕後のベインの威勢のよさが無くなりあっさり退場はあまりにも不憫。もう少し粘ってほしかった。
でもまぁ、終盤のバットマンがゴードンに正体明かす流れからは何申し分ない素晴らしく、それまで感じたつまらない不満も吹っ飛びました。特にバットシグナルが修復されてるのに気づいたゴードンの笑顔とアルフレッドとブルースの会釈、そしてブレイクの足場が上昇してエンドロールって流れもタイトルのRisesと合わさっていてより深い味が出てて感服しました。
ここからは余談ですが、邦題は不用意に変えるべきでないと改めて思いました。あと、よく前作と比較される人いますけど三部作まとめて一つの話なのだから比べるのは野暮だと思います。
さらば、漆黒の正義。
ティムバートン版が序盤なら、90年代の実写版は茶番。
そして『ビギンズ』でバットマンは本番を迎え、『ライジング』で全てのシリーズの一番となり、ウロボロスの如く完結した。
打ち立てたヒーロー映画としての金字塔は墓標ではなく、崇高なシンボル。
さらばブルースウェイン。また22世紀で会いましょう。
まとめでした。
DVDは持ってるけどあえて見たくない三部作が、エクソシスト、
シックスセンスそしてダークナイトです。
それほど前作ダークナイトは怖かった。
ジョーカーの顔も怖いけど、その人間の内に潜む感情の闇をみごとに描いたストーリーに恐怖を覚えた。
どうあがいても抜け出せない金縛り的な恐怖。
「悪はとことん悪いほど面白い」持論です。
そして等身大のヒーロー、バットマンの登場です。
ダークナイトライジングでまず忘れていたのは、シリーズだと言うこと。
前作があまりにもショッキングな傑作だったので、単体で見てしまって、見事に暗示にかけられていました。
そう今作は三部作のラストなのですね。
楽しかったけど、ちょっとまとめにするためにはしょった感はありますね。
バットマンの復活は二カ所、8年後の復活と奈落からの復活。
ちょっと弱いかな。
ベイン、強いけど弱い。本当の立場が明かされてからは、急に弱くなってキャットウーマンに一瞬にして・・・。
ただしバットマンを取り巻く人たちがすばらしい。
(以前からだけど)
結局影の同盟に戻って、まとめ。
そしてジョーカーの勝ちのシリーズとなりました。
キャットウーマンのお陰で一番気楽に楽しめました。
ベイン
結構なインパクトでした。
だって自分の軍隊を用いて、都市に潜入、破壊、占拠して法を押し付ける。
そして、あのスタジアムでのスピーチ。
寒気がしましたよ。まるでアラブにおける米軍じゃないですか。
それだけに展開に胸躍らせたのですが
まぁ正直、黒幕発覚以降はパンチに欠けるかな?
ビギンズを観ていないので、それを観てもう一度劇場へ行こうという気持ちが
現時点での感想です。ただ、間違いなく前作と同じような内包する闇がこの映画にはあります。
未見の方はビギンズをレンタルしてから劇場へ
結局はアメコミヒーロー
色々期待値が高かっただけに私には普通だった…
監督はラストが初めから決まっていたと言っているが… このラストはある意味お決まりではなかろうか…?
やはりダークナイトを超える作品には及ばない。
見終わった私個人の感想は
『ビギンズ並』でしかない。
せっかく前作でお決まりの『アメコミ映画』から脱したと思っていたのに…今作で見事に「あ、そういえばバットマンはアメコミだったな」と思い返ざるえなかった。
冒頭〜中盤にかけてのキャットウーマンとの絡みはとてもよかった… キャットウーマンはある意味今作での唯一の救いだな
日本で言う「藤子ちゃん」的な位置の彼女。
深追いせず我が道を行く悪女のままなのがとても良かった。
そうだ、とにかく原点にある
彼らの役目を果たせばよかったんだ…
バットマンは復活ですら登場は良かったものの…
ベインに向かって何も堂々と自らアジトに一人で向かっていくのが気にくわない。
あんなに当初は闇夜で待ち伏せしてそうな彼が
キャットウーマンを使ってまでも歩いて向かう意味がわからない。
彼は闇に潜んでこそ彼なのだ。
闇を見方にせず、白昼堂々と警察と一緒に戦う姿がどうもバットマンらしくなく…
正義にも悪にも属さない そんな彼が私たちは観たいんだ!
なのに今回はただの敵との戦いになっていたな
ベインも薄い。
ただの筋肉バカではないか。 ジョーカーとは真逆のキャラと言うが…あまりにも力任せだ。
なのにいざバットマンに与えた拷問と言うのが甘い甘い。
もっといたぶりだして観るのも辛いくらいを期待していただけに…あの中盤の這い上がるまでの件が正直、つまらなかった。
どん底から這い上がるなら
ある意味Vフォーみたいに究極まで落として欲しかったよ…(ナタリーを見習え!) あの這い上がるシーンはある意味ヒーローものの王道な気がする。
あの中盤さえなければ 私はもっと評価出来た。
後半の皆が団結して頑張っていたのはわかるが、 真の悪役はミランダだったわけだ。
それはインセプションを観ていた人間からすれば大体わかってしまうだろう…
あの女優さんしばらくトラウマだよねυ
にしてもまぁ 最後の役目を果たしたバットマン。
それからロビン誕生を残してのラスト。
これはまさに新シリーズの匂いがするのは…私だけだろうか? もしあるなら次回こそ私は期待したい
脱アメコミを。
ベインの言うてること、正しいよね。
後半の前回を彷彿とさせるカットバック。そこでの伏線の回収はスカッとしたものの、そこまではモヤモヤ。
とにかく今回はバットマンに感情移入しにくかった。
気づくとベイン側で観ている自分がいて、その度に頭の中で善悪の修正をしなければいけなかった。
もし非暴力なベインがいればバットマンに肩入れできないもんね。
3.11以降の日本人なら観客の中に私のような者がいておかしくないでしょう。ゴッサムシティの警官にもそういう者がいておかしくないし、それは黙殺される数ではないはずだ。警官も市民の集合体なのだから。
その視点があれば物語は前作のようにもっと複雑な展開にできたのではないかと思う。
クリストファー・ノーランでもステレオタイプな善悪構造と退屈なカーチェイスからは逃げられなかったということでしょうか。
結果、普通のシネコン映画になってしまった。
可能であれば、IMAXでの鑑賞がお薦め!!
3時間弱の長尺。
IMAX想定で作られたと言うこともあって、IMAXでの鑑賞。
映像は最近のデジタルシネマであれば、そんなに違いはない気がするものの
重厚感のある音響で、静けさとの対比が出来て睡魔負けする暇はないかと
お近くでIMAXシアターがあればそのほうが、世界観に浸れる気が・・・
高評価の中他界したヒースの後
ヒールを演じるのは、相当大変だと思う。
あくまでジョーカー=ヒースは前作の別物で、
それベースで今作のトム・ハーディをどうこういうのも違う気が
作りこんだ体といい、今作のベインを好演しているのだから・・・
御大マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン変わらず代えがたい演技。
クリスチャン・ベール、ゲイリー・オールドマンも安定してるし
マリオン・コティヤールのミステリアスで何かを予感させる雰囲気。
何より、ジョセフ・ゴードン・レビットとキャットウーマン=アン・ハサウェイが良い感じ。
前作との対比でう~んな方もいるでしょう
でも多々あるシリーズモノのの完結編を思えば、
脚本もよく練られていますし、
華麗なる終焉に相応しい作品ではないかと。
確かに壮絶
トリロジーの完結編としては満足できるストーリー。これまで同様、CGに出来るだけ頼らず徹底して実写にこだわった迫力の映像をIMAXで堪能して欲しいと思います。
前2作に比べると圧倒的に興奮できる場面が多い。バットマンの活躍を見るとアクションヒーローという原点へ回帰したように感じられます。原作漫画を知っていると楽しめるシーンも多いはず。
アメリカ社会の世相を反映したかのようなストーリー内、冷酷なベインのもとでゴッサム市民が陥っていく状況は、前作のジョーカーの言葉が現実となったものであり、背筋が寒くなる場面もあります。マスクを通して聞こえるトム・ハーディのくぐもった声が魅力的。アン・ハサウェイ演ずるセリーナ・カイルは妖艶でハマり役。文句のつけどころがありません。バットマンリターンズのキャットウーマンに負けず劣らず。
ただ、前作のようなハードボイルドな作品を期待すると落胆するでしょう。ブルースの心理の描き方は表面的でありきたり。エンターテイメント重視なのか俳優陣の演技力を最大限活かすような作品ではありません。
時間の扱い方で評判が高いノーラン監督のはずなのに、時間経過をいかに感じさせるかという点でも粗っぽく感じられました。またあくまで「ダークナイト」であるはずのバットマンに、ややコウモリらしさが欠けていたような気もします。マリオンの演技には明らかに1ヶ所欠点がありました。
あっという間の3時間でした…
バットマンはいつも暗くて重くて見ていて大変でした。
今回もどっしりでした…が、3時間弱があっという間。正義は正しいと信じながらも全てが信念通りにいかない世の中の不条理さ…。ヒーローなのに悩みを克服しながら立ち直っていく術が見ていて感動しました。熱血警官とキャットウーマンのからみも最高。ラストのまとめ方も最高によかったです。三部作と言わず、また次が見たくなりました。
見応えあり。続いても良さそうですが、これで完結なんですね?
クリストファー・ノーランのバットマンシリーズ第三作目=完結編。前作『ダークナイト』の8年後という設定。
正直、これまでの1作目、2作目を見ておけば良かったと思いました。少なからず、前作から話が続いているので、マッサラな状態でみると情報が欠けた状態で理解がイマイチ。物語自身は重厚で、深みのある話で非常に面白いと感じたので、情報不足が残念。
今回は、キャットウーマンとしてアン・ハサウェイが出ています。清楚なイメージの彼女が演じるダークな役どころは、非常に興味深いです。
ですが、今回私が一番注目したのは、マリオン・コティヤール。単に、彼女が好きということもありますが、小悪魔的だったり、キャリアウーマンだったりと様々な役を演じる彼女は、真の女優ですね。今回も、「えっ!でも、やっぱりそうか。」と言う役を演じます。ネタバレになりますが、核融合炉起動の件で、「なんか変」と思ったんですよね。
それと、トム・ハーディにもビックリ。『Black & White/ブラック&ホワイト』で演じた役どころとは一変。怪物を演じています。知っていても、同一人物とは思えないです(苦笑)。
その他、ジョゼフ・ゴードン=レヴィットにも注目。ラスト近くで語られる、彼の本名に注目です。
いやぁ、それにしても、壮大な世界観ですね。1作目・2作目とちゃんと繋がって、話が完結しています。素晴らしいです。クリスチャン・ベールのバットマンとしては、一応完結していますが、バットマンの主要出演者がこれで出揃ったので、本当ならばここから物語が始まるんですけどね。
繰り返してしまいますが、見応えのある映画です。
英雄譚の完結
クリストファー・ノーラン監督の3部作の完結編
今回は前作から8年経っているという設定です。
噂では相棒のロビンが登場するのではと言う話も有ったようですが、あくまでも噂です。
その代わり、今回はキャットウーマンがバットガール的なポジションで登場します。
その彼女のアクションが凄かったです。
今回の悪役のベインは原作でもバットマンを再起不能に追い込む位強かったのですが映画でもその強さは健在です。
今回の黒幕はちょっとビックリします。
なおも僕らはヒーローを信じる。邪悪と恐怖のサーガ、ここに完結!
前作のプレッシャーに耐えてよくぞここまで!と舌を巻く完結編だった。
新生バットマンシリーズは恐怖が人にどんな影響を与えるか、
恐怖とは、邪悪とは何かを一貫して描いてきたシリーズだったと思う。
『バットマンビギンズ』は
主人公ブルース・ウェインが己の恐怖を乗り越える姿と、
恐怖を相手に植え付ける事で悪を抑圧するという後ろめたい正義を描いていた。
ドラマ性は高いが、アクションエンタメとしての完成度は
今ひとつという印象(アクション演出のせわしなさ等)。
『ダークナイト』は善悪の境界線をズタズタに切り刻んだ混沌の傑作。
神出鬼没・無差別・交渉不可能。ジョーカーは9.11以降の世界を席巻した新世紀の恐怖の化身だった。
そして、モラルという枷をものともしない圧倒的な悪意に対抗する為、
人はどこまでモラルを侵す事が赦されるか?という恐るべき問いをも含んでいた。
故に勧善懲悪モノとしての爽快感は棄てざるを得なかったと言える。
そして『ダークナイト・ライジング』は
前2作を足して2で割り、エンタメ性を増強したような映画。
つまり、『ダークナイト』級の混沌を望む方々には物足りないかもだが、
社会派アクションエンタメとして最大最強レベルの映画だ。
最後の敵ベインは、バットマンを肉体的・精神的に完膚無きまでに叩き潰す。
今まで悪を抑圧してきたバットマンの恐怖などものともしない、バットマン以上の恐怖。
彼の目的は、人々の疑心暗鬼と自己保身の心を利用した恐怖政治だ。
(動機はまた別な訳だが……ごにょごにょ)
格差社会への怒りを起爆剤に、『自分達が助かるなら他人の命など
どうでもいい』という人間の醜悪な部分を曝け出させるのだ。
(その点でベインには、民衆の心に恐怖を植え付け服従させるだけの
圧倒的な暴力性・残虐性が欲しかったが、そこはあと一歩だったか)
それでも物語の結末が語るのは、人を救う為に自己犠牲も厭わない善良さ。
誰もがどこかに有する高潔なヒーローの心を信じる気持ちだ。
重量感のあるチェイス、戦争映画かと見紛うようなスペクタクルシーン、
幼少のブルース・ウェインを暗い井戸の底からようやく這い出させた、胸を打つ結末……。
正直、不満点が無い訳では無い。作品単体の印象は判定4.5という所。
だが、見事な完結編だったという満足感も含めて判定5.0としたい。
スタッフの皆様、ありがとうございました!
<2012/7/29鑑賞>
すごい良い!
ストーリーがとても良く、この映画のメッセージが強く伝わってきました。
最初から最後にかけてシーンが、どんどん面白くなっていき、時間の長さが全然感じませんでした。
アクションも良く、バットマンとベインの殴り合いがリアルで最高でした。
スノーモービルなどのメカのカーチェイスも度迫力でとても楽しめました。
キャストが豪華で、一人一人が光っていました。
クリストファー・ノーラン監督のどくとくな作風が今回もでていて、また一つの傑作が誕生しました。
ノーラン監督の腕は確か
コミック原作という部分を立てるか、またはダークでシリアスな内容に陥った本作品を『インセプション(2010)』ばりに創り上げるのか。監督の迷いを感じました。
前半は伝説の悪役・ジョーカーに打ちのめされて8年も引きこもったブルースと今回の敵・べインをつなぐところまで綿密に計算してダークに描いています。が、バットマン再登場と共にコミックの軽快さとユーモアもちらつかせないといけない。執事のアルフレッドや身近な人々(レギュラーキャラクター)をないがしろにしてまでも立てないといけない豪華キャスト。さっきまでの喪失感はどうやってぬぐえたのか・何が決め手だったのかイマイチ見えてこないブルースの立ち直り。軽いノリの作品ならこんなにこだわることもないけれど、ヒース・レジャーが残した痕跡はあまりにも大きすぎてストーリーが追い付いていない気がしました。
公開前から大注目だったアンちゃん(アン・ハサウェイ)はシリアスもコメディもイケる演技派なので、居てくれてありがとう。だけどストーリーが飛び過ぎてエンディングに“なぜそこに納まったのか”訝しい。
こちらも注目を集めていたトム・ハーディ。演技もマスクで覆われて、悪の部分もヒースの面影に隠れて損な役どころ。後半のファイティングシーンは『Warrior(2011)』(レビュー書いてます)を思い出させてちょっと笑えました。
大どんでん返しを披露したマリオン・コティヤール。死に方がヘタクソ(場内では笑い声も…)。実は収容所の子役ちゃんの目がトムではなくマリオンに似ていたので、私は気づいていました。その子役のジョーイ・キングちゃん。『ラブ・アゲイン(2011)』(レビュー書いてます)でスティーブ・カレルの娘役をしていました。
第二のキー・パーソンを演じたジョセフ・ゴードン=レビットは一番良い役をもらって、生き生きしてました。で、引き継ぐんでしょうか?
その他、レギュラー陣(ゲイリー・オールドマン、モーガン・フリーマンなど)に加えて神様(リーアム・ニーソン)も再び出演。
最後にクリスチャン・ベール、お疲れ様。
いろいろ言ってみても、165分もの長時間を飽きさせずに見せてくれる、やっぱりノーラン監督の腕は確かだと思います。
目に映るのは英雄の姿 心に残るヒーロー
完璧な3部作であり、見事なまでの最終章
これは究極の娯楽映画でこれ以上のヒーローはない
3本を通して真の英雄の姿、精神を心底に叩き込まれる
普通の人間が犠牲を払い人々を救う
単純だがバットマンこそ真のヒーローにふさわしい
IMAXでの映像は1時間以上もの専用のカメラでの撮影を行っているのもあり、
圧巻の一言
それにノーラン監督が実写にこだわるので、CGでは表現できない迫力は
視覚、聴覚、肌から直接伝わり腹の底から沸いてくる興奮と感動が全身を走り抜けます
ストーリーも3作通して素晴らしいですが、この作品は別格
人の深い闇、純粋なまでの悪、本来の人間の姿を見て、恐怖すら感じる
マスクとはただ顔を隠すものではなく、人を変貌させるものであると、善にも悪にも
日本人にはあまり好ましくないシーンもありますが、そういう感情なしで素晴らしい作品であることは間違いないです
全てが完璧なまでの仕上がり 映画史に残る面白さはすでに歴史的記録が表しています。これを傑作を思えないのは見る目がないと思えるほどの名作
是非IMAXで鑑賞していただきたい文句なしのエンターテイメント
この作品を作り上げた人たちに喝采を送りたい
しびれた!堂々たる最終章!流行りのリブートとかで、バットマンをもうこれ以上作って欲しくないほど!
前作「ダークナイト」はあらゆる意味で伝説と化した。
見た後深い深い余韻が残り、それは今も消えない。
その続編に挑むのは、劇中さながら奈落の底から這い上がるほど高いのだが、クリストファー・ノーランは見事に登り切ったと言えよう。
堂々たる完結。
これほどの三部作は「スター・ウォーズ」や「ゴッドファーザー」や「ロード・オブ・ザ・リング」の他にそうないだろう。
ジョーカー事件から8年。
ゴッサムは平和を取り戻していたが、新たな脅威=ベインが現れ、ゴッサムの壊滅を目論む。
ジョーカーとの戦いで心身共に傷付き引退していたブルースだが、ベインの野望を阻止する為再びバットマンとして戦う決意をする。
しかし、肉体的にも精神的にも上回るベインに完全に打ちのめされる。
バットマン=ブルースは立ち上がる事が出来るのか?ゴッサムを救えるのか?
そしてベインの野望の真相とは?
全編息をもつかせぬノンストップな展開で、2時間45分、全く飽きさせない。
タイトルにも付いている“ライジング=立ち上がる”がキーワードになっており、「ビギンズ」でのブルースの父の言葉と繋がる。一貫したテーマの一つと言えよう。
ストーリーも設定もリンクも「ビギンズ」と大きく関わっているので(特に影の同盟やラーズ・アル・グール)、「ビギンズ」を再度見てからの鑑賞をオススメしたい。
新キャラクターに、キャットウーマンとベイン。
キャットウーマン=アン・ハサウェイが実に魅惑的。
ベインはジョーカーほどの魅力は無いにせよ、トム・ハーディの堂々とした演技でインパクトと恐ろしさを残す。ジョエル・シュマッチャー版にも登場していたが(「バットマン&ロビン」でポイズン・アイビーの用心棒)、以前の変なイメージを軽く払拭させてくれた。
マリオン・コティヤールもただの添え物ではなく(驚きの設定)、ジョセフ・ゴードン・レビットの存在も大きい(ラストがナイス!)。
色々書きたい事があるのだが(クリストファー・ノーランの完璧な演出、深いストーリーとテーマ、役者たちの重厚な演技、超一級の映画技術…)、残り文字数の限界で書き切れない。
敢えて言うとすれば、絶対見る事!
見て、深い余韻と興奮と衝撃と感動を味わって欲しい。
最後にもう一つ。
コロラドでの銃乱射事件の犯人に対して本当に憤りを感じる。
遺族から大切な人を、映画ファンからは楽しみを奪い、映画の品格も傷付けた。
厳しく罰せられるべき!
全257件中、221~240件目を表示