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映画「相棒 劇場版II 警視庁占拠!特命係の一番長い夜」 相棒 劇場版II 警視庁占拠!特命係の一番長い夜
劇場公開日 2010年12月23日
解説
2000年のテレビ初放送から10周年を迎えた大ヒット刑事ドラマ「相棒」の劇場版第2弾。主役コンビの水谷豊と及川光博のほか、ゲスト陣には小西真奈美、小澤征悦らがそろう。警視庁本部内で、警視総監や副総監ら幹部12人を人質とした立てこもり事件が発生。犯人からの要求がないまま時間だけが過ぎていくなか、いち早く事件に気づいた尊と右京は、鑑識の米沢らの協力を得てある奇策に出る。
2010年製作/119分/G/日本
配給:東映
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2022年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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いきなりの緊迫したテロ組織への突入事件(7年前)と警視庁立て籠もり事件。犯人は警察を依願退職した元刑事・八重樫だったが、特殊班と機動隊が強行突入した直前に幹部の誰かに射殺され、正当防衛が認められめでたしめでたし、一件落着!
ところが特命係の杉下右京と神部尊は引き下がらない。動機を調べるため八重樫が人質にとっていた警察職員・朝比奈圭子や八重樫の自宅を捜査するにつれ、7年前に起こった中国系反米テロリストの存在や上海系マフィアの曹良明の存在が浮かび上がる。7年前には米国VIPを殺害計画が計画されたものの、彼ら上海系マフィアはテロを起こすはずがないから、曹を操っていた者がいるのではないかと推測する。
「影の管理官」!もはや警視庁内部で自作自演のテロが行われようとしていたのか?そうして警察庁と警視庁の対立構造や隠蔽工作などの警察の闇が暴露しようとする内容だ。
この頃のTV版相棒は何本か観たけど、岸部一徳を中心とした構図が理解できないでいたけど、この劇場版2を観てスッキリ。警察庁を警察省に格上げ?警視庁の幹部を刷新?とにかく警察の存在意義や正義について、警察内部にあっても色んな考えがあることがわかる。特に公安部の存在意義はテロが日本では起きにくいので自殺自演しようとする陰謀やその事件の告発文を握りつぶそうとする動きが醜い。他の作品では“公安”がもてはやされている風潮もあるが、この作品ではその存在意義については的を射ているように思う。ただ、警察庁長官も警視総監も内閣総理大臣の承認が必要なので簡単には人事を変えることはできないと思うが・・・
官房長の小野田(岸部)の立ち位置もseason9と10のドラマを見ないとわからないけど、さすがに大臣がトップに立つ警察省という考えはヤバいだろう。お粗末な大臣たちの存在もそうだが、戦前の体制に戻ってしまいそうな気がするぞ。
2020年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
「相棒」の2本目の劇場版。
実は私は「相棒」のTVシリーズは一度も観た事がない。
仕事で今回の「相棒Ⅱ」に多少絡みがあったので、興味持ってとりあえず1作目の劇場版「相棒-劇場版-絶対絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」だけ観てみた。で、結果、ぜーんぜん面白くなかった。1作目は駄作。なので、その時点で興味失って、TVシリーズを観る気を無くしてしまったのだ。
ただ、TVシリーズの方はかなり面白いという話はちょこちょこと聞いてたので、今回、映画「相棒Ⅱ」を観て、「相棒」のTVシリーズ観る価値が本当にあるかどうか、判断しようと思ったわけ。
結果・・・いやー、面白かった!!
そして後味がすごく重たい映画だった。。
全体的にかなり骨太な作品。
練りになった脚本。最初の事件現場や警視庁籠城のシーンでも、全てを明かすわけではなく、色んな伏線を貼って、最後にすべてを明かす。推理小説によくある展開。推理小説好きな自分には、それが良かった。
それに、役者さんの演技も素晴らしかった。
片山右京の相棒を、現在はミッチー(神戸)が務めているが、意外にしっくり合う。前の寺脇さんは演技がわざとらしくて個人的に(役者として)嫌いだったので、ミッチーの方が観たいと思える。
ただし、副題の「あなたの正義を問う」。
マイケル・サンデルの「これからの正義の話をしよう(Justice)」でも最近話題の「正義」だけど(笑)、まぁ、立場によって「正義」は変わるってのは当たり前の話だ。今更映画でテーマとして取り上げるほどのことでは無い気がするんだけどなぁ。。
私はTVシリーズを観てないが、おそらくTVシリーズでずっと登場していたであろう人物が、この映画の最後で殺されてしまう。なんというか、かなり思い切った脚本。これからのTVシリーズにも大きな影響与えるだろうに。。
その展開も含めて面白かった。
何より、フジテレビ制作の「踊る!大捜査線」シリーズのような、テレビ局のエゴで装飾された結果、TV版の面白さの原型すら感じられなくなり、ファンを多いに失望させた劇場版3作目のような形にならず、ファンの求める骨太の作品を作り続けている姿勢が嬉しい。
なるほど、「相棒」シリーズは面白い!!
認識変わりました。
寺脇版じゃないシリーズだけ今度観てみようと思う(笑)
・・と思ったら、ちょうどブログ書いてるこの時間に「相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿」をTVで放映してる。これも結構面白いな。私と同じ苗字なので親近感湧いてるから贔屓目ってのもあるかもしれんけど(笑)
私のようにTVシリーズ観てない人でも、今回の「相棒Ⅱ」は楽しめる構成になってます。
オススメです!!
あんまりなさそうな話ではあるが面白い。脚本がいい。戸田山雅司氏と協力執筆なだけある。演技派俳優が募り、まるで一つの舞台を見てるかのような、素晴らしい作品だった。最後のあのしーんは、後々スタッフは後悔してるんじゃないかなあー。相棒ってこれだ!ってくらい面白い。及川光博と水谷豊の掛け合いは絶妙。
2018年5月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館、TV地上波
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「相棒」劇場版シリーズ第2作。
「相棒」シリーズ10周年記念作品。
祖父と観に行きました(旧ワーナー・マイカル・シネマ高の原)。
ノベライズは既読です。
前代未聞の警視庁内人質籠城事件が発生。犯人射殺により事件は終息するかに見えたが、その裏には警察上層部の思惑と陰謀が…。過去の公安マターの影がちらつく中、組織が振りかざす正義の壁に、警視庁特命係の杉下右京と神戸尊が挑む!
劇場版シリーズでいちばんのお気に入りです。「相棒」らしい推理劇としての面白さ。事件に秘められた哀しみのドラマ。警察組織の抱える問題に鋭く切り込む社会性。それらのバランスがほど良く取れているなぁ、と感じたからです。物語の重厚さも、豪華キャストの熱演によって見事に補強され、社会派エンターテインメントの良作だなと思いました。
それになんと言っても、本作の白眉は衝撃的過ぎるラストでしょう。初見の時は思わず客席から身を乗り出しました。我が目を疑いました。シリーズのターニングポイントとなった展開を劇場版でやると云う大胆さに恐れ入りました。
加えて、「これまで観てくれてありがとう!」と云う製作側からのファンへの感謝状だなと心の底から感じました。
とにもかくにも、官房長の死はファンにとって最大のサプライズ。ドラマも含めてシリーズを通して観ていないと、その死にどう云う意味合いがあるのか?―右京さんが官房長に捧げた最後のセリフに籠められた想いなど、胸に迫るものがあまり無かったではないかと思われ、一見さんお断り映画になってしまっているのは、ちょっとばかし残念でしたが…
とは言いながら、映画と云う広い間口が要求される媒体で、ファンに向けてここまでのことを仕掛けた製作側の賭けに感服すると共に、敬意を表したい気持ちでいっぱいでした。
ストーリー的には2時間スペシャルで充分事足りるような気がしないでもなかったですが、シリーズにとって特別な作品なので、映画として観るのがスペシャル感があっていいなと思いました。まさに記念碑。しかもそこそこヒットしたので、国民的ドラマになったんだなぁ、としみじみ思いました。
様々な立場に立った正義と正義のぶつかり合いがメインテーマでした。組織の力学のために大切な仲間を奪われ、自らの正義を懸けて警察組織の闇に挑む八重樫たちの行動に、社会の理不尽さに踏み潰されようとしている個人の悲哀を感じました。
警察庁上層部と官房長が進める計画は、その立場になれば正しい理論ではありますが、自身の中に絶対的な正義の基準を持つ右京さんはやはり揺るぎませんでした。勝てば官軍の社会において、己の信念を貫くのは難しい…。それでもぶれない右京さんの姿はとてもカッコ良く、同時に羨ましかったです。
※追記(2019/08/17)
「日曜洋画劇場特別企画」での放送以来の鑑賞でした。
細かなシーンが追加されていて物語が補完され、厚みが増したように感じました。神戸尊と大河内監察官との会話と云う形で、特命係が出来たきっかけ、杉下右京と小野田官房長の間の確執を説明する場面も追加されていましたが、これは劇場公開版に入れておいて欲しかったなと思いました。
そうすれば、ラストの展開や右京さんの官房長への想いなどが、本作がシリーズ初見の人にも多少は伝わっただろうし、一見さんお断りな作品にならなかったのではないかなぁ、と…
※鑑賞記録
2011/08/03:DVD
2012/05/06:日曜洋画劇場特別企画
2013/03/31:日曜洋画劇場特別企画
2013/10/13:特別編(日曜洋画劇場特別企画)
2014/04/20:日曜洋画劇場特別企画
2018/03/17:土曜プライム
2019/08/17:Blu-ray(エクステンデッド・エディション)
※リライト(2021/01/06)
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