僕らのミライへ逆回転 : 特集
「エターナル・サンシャイン」のミシェル・ゴンドリー監督最新作「僕らのミライへ逆回転」がいよいよ公開。毎回、斬新でユニークなアイデアで楽しませてくれるゴンドリーが、今度はハリウッド映画の数々を勝手にリメイク!? 一体どんなかたちで作中で登場するのか? また、それらの元ネタを探してみるのも楽しい。そんな本作の魅力を解説するとともに、今回は鑑賞券が当たるクイズも用意したので、是非チャレンジしてほしい。(文・構成:平田祐介)
あなたはどれだけわかる?“リメイク作”の元ネタを探る!
■ミシェル・ゴンドリー×ジャック・ブラックがタッグ!
その独創的なビジュアルとストーリーテリングで世界中を唸らせ続けている「エターナル・サンシャイン」「恋愛睡眠のすすめ」のミシェル・ゴンドリー、そして「スクール・オブ・ロック」「ホリデイ」といったヒット作を次々と放つジャック・ブラック。そんな稀代のクリエイターとノリノリの人気スターが初タッグを組んだのが、この「僕らのミライへ逆回転」だ。
とある下町に店を構える、いまだVHSしか置いていない小さなレンタルビデオ店。近所の人々を常連にして細々と営業するなか、店員マイクの親友であるジェリーが店にやってきたとたん、棚に並んでいたすべてのビデオテープが何も映らなくなってしまう事態が発生。なんと、ジェリーが発電所で感電して“磁石人間”となり、その強力な磁気の影響でビデオに収められていた映像が消去してしまったのだ。こうなったら自分たちで映画を撮り直して、それを“スウェーデン製(劇中で「スウェード版」と呼ばれる)”と偽ってレンタルしてしまえ! そんな大胆で無謀なアイデアを実践してみるや、どういうわけだか彼らのリメイク映画は大評判を博すことに……。
■映画ファン必見の劇中リメイク作の元ネタは?
その奇想天外なアイデアと思いもよらぬ展開、主人公の凸凹コンビに扮したジャック・ブラックと「16ブロック」などのモス・デフが見せる息の合った掛け合いもさることながら、なんといっても本作最大の見どころは彼らが自作自演していく映画の数々!
釣り糸でブラ下げた本をユラユラさせたポルターガイスト現象や、どう見ても懐中電灯を持ってビニール袋を被っただけの人間が“オバケ”として襲いかかり、さらには本物のマシュマロを貼り合わせた“手作りマシュマロマン”が現れる「ゴーストバスターズ」。銀色のヘルメットに目深に被り、手にはピストル代わりとなるアイロン。そして体のあちらこちらに自動車の部品をくっつけたジャック・ブラックが、ギクシャクと動いて「私はロボコップ」と機械っぽい声でセリフを繰り出す「ロボコップ」。サバンナっぽい柄の毛布を広げ、その前でボール紙に描かれた2匹のライオンの“絵”を持ってドタバタする「ライオン・キング」。豚の血の代わりにトマトケチャップが降り注ぐ「キャリー」に、アフロのヅラを被って“黒人ストリートギャング”を演じ切る「ボーイズ’ン・ザ・フッド」と、そのチープを通り過ぎてキッチュなムードすら漂っているリメイク具合には大笑いさせられること間違いなし!
このほかにも「ラッシュアワー2」(あえて続編をチョイス!)や「メン・イン・ブラック」といったお馴染みのメガヒット作にはじまり、「シェルブールの雨傘」「ラストタンゴ・イン・パリ」といったヨーロッパ映画に「モハメド・アリ かけがえのない日々」なんてドキュメンタリーまでもが登場。「あの映画のあのシーンが、こんな風に作り変えられてる!」なんてオリジナルと“スウェード版”の違いを比べたり、元ネタとなる作品を探し当ててみたりと、映画ファンを自認する人であるならば、とことん楽しめるはずだ!