劇場公開日 2008年12月20日

K-20 怪人二十面相・伝 : 特集

2008年12月15日更新

日本が生んだダークヒーロー、怪人二十面相を新たな視点から描く注目作「K-20/怪人二十面相・伝」が公開間近! すでに予告編でもお気づきの通り、実はこの映画には人気映画のエッセンスが続々登場、映画ファンをワクワクさせてくれるのだ。そのキーポイントをちょっぴり先取りチェックしてみよう!(文・構成:編集部)

※佐藤嗣麻子監督インタビュー、近日アップ!

「K-20」に潜む、過去の名作のエッセンス

怪人二十面相に仕立て上げられた遠藤平吉(金城武)が事件の真相を追う 怪人二十面相に仕立て上げられた遠藤平吉(金城武)が事件の真相を追う

■「V・フォー・ヴェンデッタ」

二十面相のマスクはVを彷彿とさせる 二十面相のマスクはVを彷彿とさせる [拡大画像]

ポスターや予告編でも分かるように、本作の怪人二十面相のファッションは、ウォシャウスキー兄弟が製作したコミック原作アクション「V・フォー・ヴェンデッタ」の主人公Vを思い起こさせる。江戸川乱歩が小説に書いた二十面相はシルクハットにアイマスクだったが、この二十面相はVの帽子そっくりの帽子と、Vと同じくイタリアの仮面喜劇の仮面をふまえたデザインの、顔全体を覆う仮面を着用している。
 また、思想的にもVと類似。Vは17世紀英国の政府転覆計画犯ガイ・フォークスを意識した革命家だが、この二十面相も格差社会で富者からの盗品を貧者に与える義賊という設定だ。

■「スチームボーイ」

空には飛行船が浮かび、複葉機が飛んでいるという世界観が、大友克洋のアニメ大作「スチームボーイ」と同じ。「スチームボーイ」の舞台は架空の産業革命下の19世紀英国だったが、この映画の舞台も架空のレトロ世界。世界大戦が勃発せず、19世紀の華族制度が持続している1949年の帝都なのだ。予告編で松たか子演じる華族の令嬢が操る、飛行機の簡略版のような装置、そして彼女の耳当ての付いた飛行帽にゴーグルという装束も、大友克洋のアニメ「スチームボーイ」の主人公を彷彿とさせる。

■スチームパンク

この映画の飛行船などのアイテムや、貴族を中心とした社会制度は、スチームパンクと共通。スチームパンクは、サイバーパンクから派生したSFのジャンルで、「スチームボーイ」もこのジャンルの1作。もしも世界の主要動力が蒸気(スチーム)機関だったらなら、という設定で描かれる作品で、産業革命に湧く19世紀英国を舞台にした作品が多い。代表的な作品に、ウィリアム・ギブソン&ブルース・スターリングの「ディファレンス・エンジン」、K・W・ジーターの「悪魔の機械」などがある。

架空都市“帝都”はレトロな世界観 架空都市“帝都”はレトロな世界観 [拡大画像]

■「帝都物語」

「もうひとつの明治末期から昭和」という設定、東京ではなく“帝都”という呼び名は、荒俣宏の小説シリーズ「帝都物語」と共通。「帝都物語」の実写映画版の中心人物である、平将門の怨念により帝都壊滅を目論む魔人・加藤保憲を演じた嶋田久作が、この映画にも出演している。

■ニコラ・テスラ

発明王エジソンとの対立で知られる、1856年ハンガリー生まれの実在の発明家。この映画には、エジソンではなくテスラが発明した画期的なエネルギー・システムが登場する。ちなみに映画「プレステージ」にもテスラが登場、そちらではデビッド・ボウイが演じた。

■実写版「メトロポリス」

1926年製作のフリッツ・ラング監督によるSF映画の古典名作「メトロポリス」に登場する、人造人間マリアを製造した装置によく似たデザインの装置が登場。こちらの装置は原子爆弾のような破壊力を持っている。支配階級VS貧民たちというドラマの構図も「メトロポリス」と共通。ちなみに、この映画を下敷きにした1942年の手塚治虫のコミック「メトロポリス」や、このコミックを原作に大友克洋脚本、りんたろう監督でアニメ化した2001年のアニメ映画「メトロポリス」もある。

■「YAMAKASI ヤマカシ」

主人公・兵吉のトレーニングは、フランス発祥のエクストリーム・スポーツ“パルクール”。このスポーツは、街中の建築物などの障害物を特別な道具を使わずに駆け抜けるもの。このスポーツは、リュック・ベッソン製作&脚本のアクション映画2作、「YAMAKASI ヤマカシ」や「アルティメット」で描かれている。

平吉の衣装もチェックしてみよう 平吉の衣装もチェックしてみよう [拡大画像]

■オアシス

エンドロールで流れる曲は、英国の人気バンド、オアシスの新曲。佐藤嗣麻子監督は英国留学し、93年のジュリアン・サンズ主演のバンパイア映画「ヴァージニア」で監督デビューしたが、ちょうどその頃、94年にデビューして大人ブレイクしたバンドがオアシスなのだ。

◇ ◇ ◇ ◇

その他にも、主人公・平吉がサーカスで軽業を演じるときの衣装は「パイレーツ・オブ・カリビアン」風の海賊ファッションだったり、壁を登るときに使う装置は「バットマン」の装置と同じ仕組みで、さらに細いロープ付きフックを高いところに引っ掛けてロープを巻き上げて身体を持ち上げるのは、「スパイダーマン」で手首から糸を出すときと同じ方式だ。また、登場人物の動きの速度を自在に変えてアクションをクールに見せる演出は「300/スリーハンドレッド」と同じ手法。

これらの要素がこの映画らしいアレンジで登場するのが本作の魅力。気になる項目があるなら、きっと興奮するシーンに出会えるはずだ。

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