見所はパルクール。この一択です。ストーリーはオマケ。
えぇ~?警察それで良いの???というようなご都合主義が多くて、結局出てくる人間ほとんどクソ!
パルクール自体は格好良かったけど、ストーリーに落とし込めてない感じが凄くて、脚本がもっと良ければ、更にパルクールの技術や俳優たちの演技を輝かせられたんじゃないかと残念でなりません。
あらすじ:
パルクール集団「ヤマカシ」はパリでしょっちゅう団地の壁をよじ登り、子供達には憧れられている一方、迷惑している住民に毎回警察を呼ばれている。本人達は人に見られづらい早朝にやっていて、誰にも迷惑はかけていないと言い張るが、住民からの苦情もあり、警察はヤマカシを捕らえることに躍起になっていた。ある日、ヤマカシに憧れる向かいの団地の少年達が、ヤマカシの真似をしろと心臓病を持つ少年に木登りを嗾ける。当初は嫌がっていた少年だが、弱虫だと馬鹿にされたことで木に登り、高所から落下。心臓病が悪化し、24時間以内に心臓移植手術を受けなければ死ぬと宣告される。手術には大金が必要で、少年の家族にとても払える金額ではなく、家族はヤマカシのせいで少年が死ぬと当たり散らす。ヤマカシは少年を助けるため、医師団の家に強盗に入り、金目の物を盗んで手術資金にしようと計画するが…
が…っていうか、これでストーリー全部です。あらすじで全部語れちゃう内容の薄さって。
しかしあらすじ読んで改めて思うのは、
悪いのは心臓病だって知ってて嗾けたガキ共と、ちゃんと子供を見てなかった親ですね!!!!
ヤマカシが危ない事やってるのが悪い、子供は憧れて当然、真似して当たり前、死んだらお前らのせいって、オイオイ。
そりゃ早朝だろうが深夜だろうが団地の壁登るなよって話だけど、子供は憧れて、真似して当たり前だと思うなら普段からよくよく言い聞かせとけよ。特に病気の子は。
そして他の子が木登りしてる前で心臓病の子が一人ぽつんと座ってんだから、目を離すなよ。ヤマカシに憧れてじゃなく、登ったのはガキ共が馬鹿にしたせいだからね。そして友達が木登りしてるのに一人ぽつんとしてたら、そりゃ何かキッカケがあれば登ろうとするよね。でもそれヤマカシのせいじゃないよね。意味わかんないです。
ヤマカシが強盗する理由を作るために無理やり罪を擦り付けたような気すらしました。脚本家、大丈夫か??
でもアメリカでも、NARUTOのキャラの真似して砂に潜った子供が死んだ!漫画が悪い!とか言われてたし、外国ってそんな感じなんでしょうか(外国への偏見が酷い)。
そんな感じなので内容には共感できないけど(できる人いんのか?)、とにかくパルクールが面白くて退屈はしませんでした。パルクールやってる映画が珍しいというか、自分は多分初めて見たので、そのせいもあると思います。もし普段からパルクールの映画や動画を見てるような人だったら、もっとストーリー性のある良いパルクール映画知ってそう。
パルクールじゃないけど、例えば『グランドイリュージョン』なんかはカメラの角度等が計算し尽くされていて、何気ない俳優陣の動きさえ美しく見えるように撮影されていたので、そういう「動的な美」をもっと美しく、迫力を感じさせるように撮る方法がもっと他にあったのではと思いました。充分格好良かったので、これ以上を望むなら、という意味ですが…
本当に「パルクールすげー!」っていうだけの映画でした。折角の技術なので、本当に脚本…勿体ないです。
ただ、作中に出てくるような「権力者」達がどいつもこいつもアテにならない、信用できない悪どいクズ、という部分は結構リアルな気がしました。
パルクール映画を見たことがない人は、一度見てみても良いと思います。