レッド・オクトーバーを追え!

劇場公開日:

解説

米国への亡命を決意した艦長が率いるソ連の原子力潜水艦をめぐる人々の思惑を描くポリティカル・アクション。エグゼクテイヴ・プロデューサーはラリー・ド・ワーイとジェリー・シャーロック、製作はメイス・ニューフェルド、監督は「ダイ・ハード」のジョン・マクティアナン。トム・クランシーの原作を基に、脚色はラリー・ファーガソンとドナルド・スチュワートの共同、撮影はヤン・デ・ボン、音楽はバジル・ポールドゥリスが担当。出演はショーン・コネリー、アレック・ボールドウィンほか。

1990年製作/アメリカ
原題:The Hunt For Red October
配給:パラマウント=UIP
劇場公開日:1990年7月13日

ストーリー

ソビエト、ムルマンスク沿岸。副長ボロディン(サム・ニール)から出発の時を告げられたソ連最新鋭原子力潜水艦レッド・オクトーバーの艦長ラミウス(ショーン・コネリー)は、秘かな決意を胸に、艦の前進を命令する。その頃、CIAのアナリスト、ジャック・ライアン(アレック・ボールドウィン)は、英国情報局から入手したレッド・オクトーバーの写真を片手に、その謎の解明に奔走していた。レッド・オクトーバーの不審な行動が次々と米国に報告される中、ライアンは、ラミウスが亡命するつもりなのかもしれない、と直感する。国家安全対策顧問ジェフリー・ペルト(リチャード・ジョーダン)から、3日以内にラミウスの真意を証明するよう命じられたライアンは、直ちに北大西洋沖の米空母エンタープライズに向かった。一方モスクワから、レッド・オクトーバー撃沈の命をうけたソビエト海軍の潜水艦コノヴァロフのツポレフ艦長(ステイラン・スカルスガード)は、血眼になってレッド・オクトーバーを追っていた。そんな折、レッド・オクトーバーの動きを察知したダラスの艦長バート・マンキューソ(スコット・グレン)は、ソナー員のロナルド・ジョーンズ(コートニー・B・ヴァンス)からその行動を聞き、レッド・オクトーバーを待ちぶせしようとする。しかし同じ頃レッド・オクトーバーでは、乗組員の中に破壊工作員がいることが判明し、艦内は緊迫していた。嵐という最悪の天候の中、命からがらダラスに着いたライアンは、駐米ソビエト大使リセンコ(ジョス・アックランド)の連絡をうけ、レッド・オクトーバーを攻撃するよう命令があったことを知る。ライアンはマンキューソを説得し、ラミウスとの接触を試み、そして彼の真意が亡命にあることを確認する。レッド・オクトーバーが沈没したと見せかけるラミウスの機転で、ライアンたちは無事レツド・オクトーバーに乗り移るが、その時破壊工作員の襲撃をうけ、ボロディンが命を落とした。ラミウスとライアンは工作員を倒し、そして背後に迫っていた、コノヴァロフが放った魚雷を避け、逆にコノヴァロフに向けて爆発させたことで難を逃れた。そしてラミウスたちは、晴れてアメリカ亡命を遂げるのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第63回 アカデミー賞(1991年)

受賞

音響効果編集賞  

ノミネート

編集賞 デニス・バークラー ジョン・ライト
音響賞  
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写真:Album/アフロ

映画レビュー

4.0ショーン・コネリーは永遠に

2020年11月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

あの荘厳なテーマ曲を何度リピートしたことか。何を言ってるのかわからないロシア語と思しき歌詞を発音だけ真似て、ショーン・コネリーの顔を脳裏に浮かべながら歌うこと数しれず。水面に顔を出した潜水艦の上で憂いある表情を浮かべるコネリー(&サム・ニール)の勇姿にあの曲が被さるだけで、この映画は成功したようなものだった。

「薔薇の名前」に始まるコネリー後期のキャリアは、ジェームズ・ボンド役で手にした名声を凌ぐほどに光り輝いていた。「レッドオクトーバーを追え!」で母国を旅立つラミウス艦長は、いま思えばジェームズ・ボンド役からの脱却を図るコネリーの姿にも重なって見える。その後のラミウス艦長の人生が、コネリーの後期キャリアのように光り輝くものであったと夢想すると、さらに味わい深い。

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オスカーノユクエ

5.0緊迫した潜水艦でのスリリング!

2023年11月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

スターチャンネルの吹き替え(TBS版)で観ました。
潜水艦をテーマに潜水艦艦長とCIAのそれぞれの視点から視た作戦がスリリングに感じました。
最後の2人の会話もなんか平和的会話で良かったんじゃないかと思いました

余談
艦長役(ショーンコネリー)の吹替を担当した若山玄蔵さんの声は役にはまっていたのでイーストウッド=山田康雄と並ぶキャストだと思います。
(僕の勝手な予想ですが)もし、またショーンコネリーの吹替をやるとしたら若山さんの没後の人は若山さんと声質が似てる役所広司さんでお願いします。

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HIDE Your Eyes

2.0名優ショーン・コネリーをもってしても…

2023年10月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

難しい

寝られる

今夜U-NEXTで観ました。映画の殆どのシーンが潜水艦内での戦略で知能戦です。
その為、この手のジャンルが好きな人にはどハマりすると思いますが、そうでもない人にとっては苦痛か退屈になるでしょう。私もそのひとりです。
確かに潜水艦内のセットの完成度は高く見え、見応えはありますが、それだけでは集中して観られません。
乗組員全員、狭い空間でどれだけのストレスやフラストレーションを抱えているかなど、感情移入して観ると潜水艦内での作業の恐ろしさが見えてきます。

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蜷川吝塀

3.0いわゆる「潜水艦モノ」としては異色だが…

2023年6月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
「モンタナに住めますか。」
「どこにでも、好きなところに住める。」
「よかった、モンタナで暮らします。アメリカ女と結婚してウサギを飼う。夕食はウサギ料理。ピックアップ・トラックにキャンピング・カーも買う。州から州へ旅行もする。許されますか。」
「ああ」
「許可証は?」
「要らない。旅行は自由だ。」
「冬は別の場所で暮らします、アリゾナです。…妻がふたり要りますね。」
「少なくともな。」

<映画のことば>
「静かに釣りをしたい。子供の頃のように。艦に乗って40年になる。海で戦ってきた。実戦なき戦争だ。無益だ。死傷者だけが…。妻は未亡人も同然だった。死んだ日も私は海にいた。」

ふつう「海の男」といえば、海軍軍人も含め、「七つの海を股にかけて生活する」という猛者として描かれることが普通でしょうし、まして、いわゆる「潜水艦モノ」「戦争モノ」なので、その方面を「カッコよく」描く作品かと思いきゃ、軍隊生活に嫌気がさした、ロシア軍人の亡命の話ということでした。
こんなに主人公が弱気な設定の軍隊モノ・潜水艦モノというのは、他にあまり例がないかも知れません。

本作はアメリカ側の視点から描かれたロシア側という話ですから、他のレビュアー諸氏が指摘するとおり「旧ソ連流に対するアメリカ流資本主義のブロパガンダ映画」という色彩は、やはり拭えないのかも知れません。
実際、コンピュータでの解析ではマグマの変動かクジラの交尾にしか聞こえないというロシア最新鋭潜水艦のキャタピラーの音を、アメリカ潜水艦のソナー員なら、優秀で、聞き分けられるという話でもあります。

いずれにしても、船乗り(海員)の労働は、離家庭性にあるといわれます。日帰りで家に帰れる船もないわけではありませんが、多くの船はいったん出港すると数ヶ月は船上(洋上)での生活を強いられる労働です。その点は、海軍の軍人だって変わらないということでしょう。

かてて加えて、軍用の船(や飛行機)には、いわゆる安全装置というものは積まれていない。そんなものを積むくらいなら、機銃の銃弾や爆弾、魚雷など、より多くの兵装を積んだほうが良いという設計思想なのでしょう。必然的に、操船・操縦を誤れば、すぐさま死傷事故に直結してしまうという「危なっかしい」乗り物になってしまうわけです(一頃は話題になったオスプレイだけでなく、軍用機は、おしなべて墜落しやすい)。

以前に、機会があって陸上自衛隊のヘリコプターに乗せていただくことがありました。
短い時間の搭乗でしたが、用務を終わって降機する際に、操縦の隊員から「乗り心地なんていうことは少しも考えられていないから、短い時間の搭乗でも、疲れたでしょう。」といたわりの言葉をかけていただきました。

本作も、勇猛果敢と一般には受け取られがちな海軍の生活のまた別の一端を垣間見せる作品と評したら、針小棒大という指摘を受けてしまうでしょうか。
少なくとも、普通の「潜水艦モノ」とは異色な作品として、そんなことにも思いを至らせる一本になりました。評論子には。

(まったくの余談)
<映画のことば>
感電しないように、このアース棒を。ヘリの静電気は、シカゴの街を灯すほどの量だ。

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talkie
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