コラム:編集長コラム 映画は当たってナンボ - 第18回

2008年10月14日更新

編集長コラム 映画は当たってナンボ

第18回:「容疑者Xの献身」が大ヒット。トップ10中8作品が邦画

週末の国内映画ランキングは、フジテレビと東宝の「容疑者Xの献身」が大ヒットで首位をもぎ取った。初日・2日間の成績は、動員40万7200人、興収5億4400万円。トップ10作品は下記の通り。

1 (初) 「容疑者Xの献身」 (東宝)
 2 (初) 「さらば仮面ライダー電王/ファイナル・カウントダウン」 (東映)
 3 ( 2) 「ウォンテッド」 (東宝東和)
 4 ( 3) 「パコと魔法の絵本」 (東宝)
 5 ( 4) 「おくりびと」 (松竹)
 6 ( 1) 「アイアンマン」 (ソニー)
 7 ( 5) 「20世紀少年」 (東宝)
 8 ( 6) 「イキガミ」 (東宝)
 9 ( 7) 「崖の上のポニョ」 (東宝)
10 ( 9) 「大決戦!超ウルトラ8兄弟」 (松竹)
*(全国動員集計) 興行通信社提供。頭のカッコ内は前週の順位。

画像1

フジテレビ×東宝のコラボレーションとしては、三谷幸喜の「ザ・マジックアワー」は別格として、「少林少女」「山のあなた/徳市の恋」と、ここのところ不完全燃焼が続いていたので、「容疑者Xの献身」は久々に会心のヒットと言っていいだろう。東野圭吾の原作はベストセラー、公開日にオンエアしたTV版「エピソードゼロ」も視聴率20%を超えており、まさに映画できっちり締めた格好だ。同作は、興収40億円以上は確実に稼ぎそうである。

2位には「仮面ライダー電王」の新作(今年2作目!)がランクインし、根強い人気を見せた一方で、前週はトップ10圏内にいた「最後の初恋」と「ハンコック」がはじき出され、気がつけばトップ10中8本が日本映画という状態に。3位に残っている「ウォンテッド」はまあ頑張っているとして、先週首位だった「アイアンマン」が5ランクダウンと、ハリウッド勢はすこぶる調子が悪い。

ハリウッド勢、頼みの綱「WALL・E/ウォーリー」
ハリウッド勢、頼みの綱「WALL・E/ウォーリー」

そのハリウッド勢だが、正月映画では少し盛り返しそうだ。「ハリポタ」は消えてしまったが、ピクサー/ディズニーのCGアニメ「WALL・E/ウォーリー」の評判がとても高い。その「ウォーリー」の初日が、このほど12月5日に決まった。ということは、スカラ座チェーンで現在公開中の「崖の上のポニョ」は、12月4日までの興行ということになる。何と20週の大ロングランだ。そして、どうやら12月5日からはみゆき座にムーブオーバーして正月を越す態勢のようだ。現在までの興収は147億円。150億円はもうすぐだが、160億円まではちょっと厳しいか。(eiga.com編集長・駒井尚文)

筆者紹介

駒井尚文のコラム

駒井尚文(こまいなおふみ)。1962年青森県生まれ。東京外国語大学ロシヤ語学科中退。映画宣伝マンを経て、97年にガイエ(旧デジタルプラス)を設立。以後映画関連のWebサイトを製作したり、映画情報を発信したりが生業となる。98年に映画.comを立ち上げ、後に法人化。現在まで編集長を務める。

Twitter:@komainaofumi

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