クリストファー・ドイル
オーストラリアのシドニー出身。18歳のとき、ノルウェー籍の商船に乗りこんで母国を離れ台湾の港にたどり着き、台北のレストランで映画監督の頼声川(スタン・ライ)らと知り合う。その後も世界を巡り、インドで石油掘削業、イスラエルで牛飼い、タイで漢方の医者と、一風変わった仕事に従事。70年代後半から中国文化に興味を持ち、杜可風の中国名を取得する。
台湾で語学を学んで写真家となり、エドワード・ヤン監督作「海辺の一日」(83)の撮影を務める。以降は50作を超える中国映画の撮影を手がけ、「恋する惑星」(94)や「花様年華」(00)などウォン・カーウァイ監督作の撮影で知られるほか、チェン・カイコー監督作「花の影」(96)、チャン・イーモウ監督作「HERO」(02)でも撮影を担当。浅野忠信主演作「孔雀 KUJAKU」(98)で監督デビューも果たした。
ほか撮影監督の仕事に「サイコ」(98)や「パラノイドパーク」(07)などのガス・バン・サント監督作や、ジム・ジャームッシュ監督作「リミッツ・オブ・コントロール」(09)など多数。オダギリジョー主演作「宵闇真珠」(17)ではジェーン・シュンと共同監督を務めた。