欲望の翼
劇場公開日 2018年2月3日
解説
ウォン・カーウァイ監督が1990年に手がけた長編第2作で、1960年代の香港で若者たちが織り成す恋愛模様を疾走感あふれる映像美で描き、カーウァイ監督の名を一躍世界に知らしめた青春群像劇。ヨディはサッカー場で売り子をしていたスーに声をかけ、ふたりは恋に落ちる。しかしヨディは、自分が実の母親を知らないことに複雑な思いを抱えていた。スーと別れたヨディは、ナイトクラブでダンサーとして働くミミと一夜をともにする。部屋を出たミミはヨディの親友サブと出くわし、サブは彼女に一目ぼれする。夜間巡回中の警官タイドはスーに思いを寄せるが、スーはヨディのことを忘れられずにいた。キャストにはレスリー・チャン、マギー・チャン、カリーナ・ラウ、トニー・レオン、アンディ・ラウ、ジャッキー・チュンら香港映画界を代表する人気スターが集結。日本初公開は92年。2018年2月、Bunkamuraル・シネマほかにてデジタルリマスター版が公開。
1990年製作/95分/香港
原題:阿飛正傳 Days of Being Wild
配給:ハーク
日本初公開:1992年3月28日
オフィシャルサイト スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る
2020年9月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
この映画の登場は衝撃的だった。それまで見ていた香港映画のイメージを覆し、新しい感性を持った才能が現れ、新世代の香港映画の誕生を世界に知らしめたのだ。そして、俳優たちの美しさを永遠にフィルムに焼き付けた作品としても語り継がれるべき傑作である。
「今夜、夢で会おう」「1960年4月16日、3時1分前、君は僕といた。この1分を忘れない」こんなキザなセリフから始まる本作は、デビュー作「いますぐ抱きしめたい」(1988)に続くウォン・カーウァイ監督の長編第2作。1960年代の香港を舞台に、若者たちが織り成す恋愛模様を描いた青春群像劇だ。レスリー・チャン、マギー・チャン、カリーナ・ラウ、アンディ・ラウ、ジャッキー・チュン、そしてトニー・レオンという当時の香港映画界を代表するトップスター6人が競演し、「あの時にしか生まれ得なかった」と言われるほどの奇跡的な映画である。
冒頭、タイトルとともに熱帯雨林がゆっくりと映し出され、じっとりとした高温多湿な雰囲気が作品全体を覆う。脚本も手がけたカーウァイ監督は、時間や数字へのこだわりをみせ、文学的なセリフと構成、モノローグを多用した語り口が特徴だ。さらに撮影監督クリストファー・ドイルのスタイリッシュな映像美とカメラワーク、ウィリアム・チャンの美術、そして印象的なラテン音楽が融合し、カンフー映画やノワール映画では見たことのない、独特なスタイルを提示。映画からはその“熱気”が伝わってくる。
2022年7月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
■実の母を知らず、心が通じない義母と暮らす屈託した想いを心に抱えて生きる男・ヨディ(レスリー・チャン)。
彼はサッカー場で働くスー(マギー・チャン)と恋仲になるが、堅実な関係を望む彼女の気持ちに応えられない。
一方、別れてもヨディを忘れられないスー。
夜間巡回中の警官・タイド(アンディ・ラウ)は、そんな彼女に徐々に想いを寄せていく。
◆感想
・全体的に、虚無感が漂う映画である。だが、その雰囲気の中に流れるラテンミュージックが印象的である。
・屈託した想いを心に抱えて生きる男・ヨディは、”一分は、短いが長い・・”等と、スーに声を掛け、あっと言う間に、彼女の心を惹きつけるシーンなどは、気障と言っても良い程である。
・ヨディは、スーと結婚する気などサラサラなく、別の女ミミ(カリーナ・ラウ)とも遊び半分で、付き合い始める。
<今作は、ウォン・カーウァイ監督のスタイリッシュ且つスノビズムが横溢している作品である。(ヨディが実の母に会いに行き、会って貰えず振り返りもせずに歩き去るシーンなど。)
ストーリー展開は粗い。
だが、不思議な魅力を湛える作品である。
ラスト、トニー・レオンが登場し、映画は終わるが、続編を考えていたのかな・・。
故レスリー・チャン、カリーナ・ラウ、マギー・チャン、ジャッキー・チュン、トニー・レオン、アンディ・ラウという、香港のスター勢揃いの作品でもある。>
2022年1月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ストーリー:金持ちの養母に育てられた青年は寂しげな雰囲気もあってやけにもてる。女を取っ替え引っ替え。養母の愛憎を振り切り実の親を探したい。
どうにもこうにも陰鬱でついてゆけない。見る人見る日の体調によって受け止め方は違うかもしれないが、とにかくもう私には無理です。
明るい女が出てくるとほっとする。
今週の気付いた事:水の使い方が下手な映画
2022年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
花様年華のマギー・チャン、トニー・レオンが出演しているとあって見てみた。ストーリーとしては何かを抱え身勝手な主人公(レスリー・チャン)と、彼を愛する二人の女性の話であるが、主人公の生みの母捜しの段階から違う様相を呈してくる。
私には前半の恋愛映画としては、夜かビルの中、雨で、うら寂しい雰囲気が漂い、とても卑屈でこじれた感がある。女性たちの愛する気持ちは、どこから来るのか。それが伝わってこなかった。私には女性たちも現実を見てこの男と早くケリをつければいいのにと思ってしましました。
私の好きなラテン音楽がところどころで挿入され、主人公が一人ステップするシーンが良かったが、それ以上のものでなかったのが残念。男女で踊るわけではない。
後半の展開もそれほどのものではなかった。
Netflix
すべての映画レビューを見る(全19件)