香川京子
女学校卒業後の49年、新聞社主催のオーディション「ニューフェイス・ノミネーション」に合格し、新東宝に入社。翌50年、「窓から飛び出せ」で女優デビューする。清楚な美しさと飾らない演技で人気を博し、今井正監督の「ひめゆりの塔」(53)、小津安二郎「東京物語」(53)、溝口健二監督の「近松物語」(54)と日本映画史に残る名作で活躍。成瀬巳喜男、黒澤明監、内田吐夢ら名匠たちの数々の作品に出演し、日本映画の黄金期を支えた。65年、「赤ひげ」に出演後、新聞記者だった夫の赴任先、米ニューヨークに同行し、3年ほど芸能活動を休止。帰国後はTVドラマや舞台への出演も増えた。「翼は心につけて」(78)、「式部物語」(90)で日本アカデミー賞の優秀助演女優賞を受賞、「まあだだよ」(93)で同最優秀助演女優賞に輝いた。近年の出演作に「東南角部屋二階の女」(08)、「インターミッション」(12)など。映画の保全活動にも尽力し、国際フィルム・アーカイブ連盟のFIAF賞を日本人で初めて受賞した。