島守の塔

劇場公開日:2022年7月22日

島守の塔

解説・あらすじ

萩原聖人と村上淳がダブル主演を務め、太平洋戦争末期の沖縄を舞台に命や平和の尊さを描いた戦争ドラマ。「鉄の暴風」と呼ばれた激しい空襲や艦砲射撃、そして上陸戦により、約20万人が犠牲となった太平洋戦争末期の沖縄戦。絶望の淵に立たされながらも「命こそ宝」と訴え後世に希望を託した2人の人物と、戦争に翻弄される沖縄の人々の姿を描き出す。軍命に従いながらも県民の命を守ろうとした戦中最後の沖縄県知事・島田叡を萩原、職務を超えて県民を守るべく奔走した警察部長・荒井退造を村上、島田の世話役を務める県職員・比嘉凛を吉岡里帆、さらに名作映画「ひめゆりの塔」にも出演した香川京子が現代の凛を演じる。「地雷を踏んだらサヨウナラ」の五十嵐匠が監督を務め、五十嵐監督と「武士の家計簿」の柏田道夫が共同で脚本を手がけた。

2022年製作/130分/G/日本
配給:毎日新聞、キューテック
劇場公開日:2022年7月22日

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(C)2022 映画「島守の塔」製作委員会

映画レビュー

3.5沖縄戦を語り継ぐ意義。沖縄県民を人の盾にした罪は消えない

2022年7月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

兵庫県出身で沖縄戦が始まる直前に危険を承知で知事に着任した島田叡(萩原聖人)、栃木県出身の警察部長・荒井退造(村上淳)、そして島田の世話役の県職員(吉岡里帆)という3人の視点でストーリーが語られる。沖縄県、兵庫県、栃木県の地方新聞社などが連携して製作を支援した映画ということもあり、沖縄県民を人の盾にして米軍の本土攻撃を遅らせようとする非人道的で差別的な軍部に対し、島田と荒井の人道的な言動、県民と隔てなく交流する姿をヒューマニズムの象徴として描く意図はわかりやすい。沖縄戦に限らず、戦争を体験した世代が年々減る中、その悲惨さを語り継ぎ平和を守ることの意義も確かに認められる。

とはいえ、日本が軍事進出して支配した太平洋の要衝が連合軍によって次々に攻略・奪還され、圧倒的に不利になった段階で、戦況を客観的に判断して条件付き降伏に踏み切ることができていたなら、沖縄県民の4分の1ともいわれる大勢の命が奪われることはなかった。軍人だけを悪者にするのは簡単だが、嘘だらけの大本営発表をそのまま伝えた報道機関と、それを鵜呑みにして体制に従った国民にも「罪」があったことを忘れてはならない。映画では、本土からやってきた島田と荒井の2人をヒロイックに描くことで、本土の人々の罪が希釈されるようにも感じられたのだが、沖縄の人々は本作を観てどう思うのか、真摯に耳を傾けたい。

また、いつかそう遠くない将来、沖縄出身の作り手によって、戦中と戦後の沖縄県民の本音が描かれる映画もぜひ観てみたいと思った。

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高森 郁哉

どの視点から見るのか

2025年6月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 敗戦が決定的な時点で沖縄県知事を任命された島田叡(兵庫県出身)と県警部長を拝命した荒井退造(栃木県出身)が、県民の命を如何に救おうとしたかを描いた物語です。

 真摯な作りの映画だったと思います。でも、島田は文民として出来得る限りの力を尽くしたのかも知れませんが、本作は「悪」を結局軍部に押し付けただけの様にも見えました。鉄血勤皇隊を黙認したのも知事であったのですから、行政官としての責任と苦悩を作中でもっと深く突き詰めるべきではなかったかと思います。沖縄の人々は本作の描写をどの様にご覧になるのでしょう。

 本作をご覧になった方には『沖縄決戦』(1971)も是非観て頂きたいです。目を覆いたくなるあの凄惨な惨禍がまず出発点であるべきなのです。

 「島田知事は文官としては精一杯県民を思いやったのだ。当時としては仕方なかった」と言ってしまったら、「牛島司令官も仕方なかったんだ」「参謀長も仕方なかったんだ」と一億総懺悔のドミノ倒しになりかねません。問われるべき弱さは冷静に剔抉すべきではないでしょうか。

 とは言うものの、70年前の『ひめゆりの塔』に出演なさった香川京子さんが終盤の慰霊場面で姿を見せた時には胸が詰まりました。香川さんご自身の意見も伺ってみたいです。

 (2022/10/2 鑑賞)

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La Strada

タイトルなし(ネタバレ)

2025年6月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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共感した! 2件)
マサシ

3.0沖縄戦を知事の側から描いた試みは評価したいが、脚本に深みや今に通じるメッセージ性は乏しい

2024年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

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共感した! 5件)
Kazu Ann