アリスのままで
劇場公開日 2015年6月27日
解説
若年性アルツハイマーの女性アリスが記憶を失っていく日々をつづった全米ベストセラー小説「静かなるアリス」を映画化し、アリス役を演じたジュリアン・ムーアが第87回アカデミー賞で主演女優賞を受賞したドラマ。ニューヨーク、コロンビア大学で教鞭をとる50歳の言語学者アリスは、講義中に言葉が思い出せなくなったり、ジョギング中に自宅までの道がわからなくなるといった事態が続く。やがて若年性アルツハイマー症と診断され、家族の介護もむなしく、アリスの記憶や知識は日々薄れていく。そんなある日、アリスは記憶が薄れる前に自らパソコンに残したビデオメッセージを発見し、自分が自分でいられるために、画面の中の自分が語ることを実行しようとする。アリスの夫をアレック・ボールドウィン、2人の娘をケイト・ボスワース、クリステン・スチュワートが演じた。監督は、自身もALS(筋委縮性側索硬化症)という難病を抱えるリチャード・グラッツァー。
2014年製作/101分/G/アメリカ
原題:Still Alice
配給:キノフィルムズ
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2022年4月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
大学教授の女性50才が、若年性アルツハイマー病に罹ってしまうという話。
なんといっても原因が遺伝性なので、
防ぐことも回復の見込みできないという現実。
症状が進むと自分で死ぬことも出来ないし、
記憶が無くなってのに、ただただ生きていく現実。
他人事とは思えず、考えてしまいました。
私の母親が痴呆やアルツハイマーになったら家族に迷惑かけたくないからすぐ介護施設に入れてほしい、と前に言っていたことを思い出しました。
映画のセリフで「癌だったら良かった」というセリフが印象的です。出来るだけ迷惑をかけずにポックリ死にたいというのは多くの人が思うことかもしれません。
自分が自分でなくなっていくことが怖くなり、次第にそれさえも分からないような状況になる。どんどん身も心も衰弱していくような、アリスの姿が辛いです。
スピーチのシーンでは涙がこぼれました。すぐに忘れていってしまっても、自分が生きてきた人生や思い出は事実で、素晴らしい物だと、今を生きることの大切さを感じました。
母親の介護も大切だけれど、自分の人生も大切。どちらの気持ちも分かるし、どちらに比重を置くのかって本当に難しいなぁと思います。
最後のアリスの台詞はこの映画の話は何の話かについての台詞だと思う。。。
ウチら家族もこの映画のような話にしよう
アルツハイマー型認知症の母を持つ息子より
2021年8月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ダニエル・キイスの傑作SF「アルジャーノンに花束を」
主人公の白痴が、脳に手術を受けて、天才になり、やがてもとの白痴に戻ってしまう。という作品。「まごころを君に」として映画化もされた。
主役の名がチャーリーで、恋人の名はアリスだった。確か…
ストーリーもよく似てるし、何らかのつながりがあるとしか思えない。
ま、それはそれとして、
以後、ネタバレ
自殺未遂事件は、当然家族の全員が知るところとなったのだろう。映画では語られていないが、アリスには常に付き添いが必要になったことで明白だ。
そこでどんな悲劇が繰り広げられたか知る由もないが、少なくとも、アリス本人はそのことすらもう覚えていない。実に哀れな、結末である。
そして、夫が仕事のためにアリスを娘に託し、別れを告げる時の無念と溢れ出る愛情の涙。アレック・ボールドウィンの静かな演技が素晴らしい。
この作品の意義は、病気と戦ったアリスの、それでも失われない物ってなんなの?という問い掛けだろうか。
自分へのビデオレターに、「あなたはよくやった。悪くない人生だった。」とねぎらうメッセージ。仕事で大きな業績を残し、3人の子を育て、十分に養育し、今や二人の孫に恵まれ、持たざる者にすれば、羨ましいほどの成功を収めている。
そして、娘からの質問に答えるアリスの、「愛…愛について」朧気につぶやくセリフが、この映画が本当に伝えたいことを強烈に語りかけてくる。
知識や教養、地位や名誉より、最後に大切なのは…
いろんなものを失ったアリスが、最後まで失わなかったもの。
2016.6.23
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