浅田家!

劇場公開日:2020年10月2日

解説・あらすじ

様々なシチュエーションでコスプレして撮影するユニークな家族写真で注目を集めた写真家・浅田政志の実話をもとに、二宮和也と妻夫木聡の共演、「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督のメガホンで描いた人間ドラマ。4人家族の次男坊として育ち写真家になった主人公・政志を二宮、やんちゃな弟をあたたかく見守る兄・幸宏を妻夫木が演じ、家族の“愛の絆”や“過去と今”をオリジナル要素を加えつつ描き出す。浅田家の次男・政志は、父の影響で幼い頃から写真に興味を持ち、やがて写真専門学校に進学。卒業制作の被写体に家族を選び、浅田家の思い出のシーンを再現した写真で学校長賞を受賞する。卒業後しばらくはくすぶっていたものの、再び写真と向き合うことを決意した政志が被写体に選んだのは、やはり家族だった。様々なシチュエーションを設定しては家族でコスプレして撮影した写真で個展を開催し、写真集も出版され、権威ある賞も受賞する。プロの写真家として歩み始めた政志は、全国の家族写真の撮影を引き受けるようになる。しかし、2011年3月11日、東日本大震災が発生。かつて撮影した東北に住む家族のことが心配になった政志は被災地に足を運ぶが、そこで家や家族を失った人々の姿を目の当たりにする。第44回日本アカデミー賞で黒木が最優秀助演女優賞を受賞。

2020年製作/127分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2020年10月2日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第44回 日本アカデミー賞(2021年)

受賞

優秀作品賞  
優秀監督賞 中野量太
優秀脚本賞 中野量太 菅野友恵
優秀主演男優賞 二宮和也
優秀助演男優賞 妻夫木聡
最優秀助演女優賞 黒木華
優秀美術賞 黒川通利
優秀編集賞 上野聡一
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(C)2020「浅田家!」製作委員会

映画レビュー

4.0 前半は笑い、後半は感動系と綺麗にわかれた、実話ベースで写真家の人間模様を描いた作品。

2020年10月1日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

実在の写真家・浅田政志の写真集等を原案に作られた本作は「湯を沸かすほどの熱い愛」「長いお別れ」の中野量太監督作なので出来の心配はしていませんでしたが、期待通りでした。
前半は浅田家の成り立ちから、「主人公と写真」を中心に描かれています。
個人的に少し気になった点は、ある期間に主人公が久しぶりに家に戻ると腕に本格的なタトゥーが入ったりしています。フィクションもあるオリジナルストーリーとは言え、実話ベースで、後半にも関係するため、ある程度の背景説明があっても良かった気がします。
前半の最大の要は、(浅田政志本人によって撮られた再現度の高い)「コスプレ家族写真」でどれだけ興味を引くことができるのか、だと思います。

後半は、ガラッと変わり、「家族写真」で写真家として評価された主人公と、東日本大震災による津波で被災して家族や家を無くしてしまった人たちとの交流を描いています。
ここで菅田将暉が登場しますが、菅田将暉の「場に溶け込む演技」は新鮮でした。
二宮和也は終始ブレることなく自然体で演じ切っています。特に涙を流すシーンはバリエーションと共に流石の演技力でした。
黒木華や妻夫木聡の演技も良く安定感があります。これまでの中野量太監督作と同様に「壮大な物語」という訳でもないので、どこまで客層が広がるのか興味深いところです。

主人公が、家族や幼馴染に支えられて、本人のやりたいこと、やるべきことができていく成長物語でもあり、良質な作品であることは間違いないと思います。

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共感した! 55件)
細野真宏

3.5 優しい世界に、少しだけ距離を感じた

2026年8月13日
スマートフォンから投稿

前半の浅田家の家族関係が好きだった。
父と母は役割が違ってもお互いを下に見ることなくフラットで、子どもたちにも「こうあるべき」を押しつけない。だからこそ、弟も自由に写真を撮れたのかなと思う。なんだかムーミン一家にも少し似ている。

後半の被災地での写真活動は、写真が人の記憶や大切な人をつなぎとめるものだということは伝わったし、実際に私も日々子どもの写真を見返して癒されているので、写真そのものの価値には共感できる。

ただ、善意や思いやりがあまりにもまっすぐで、感動させる方向にきれいに整えられている感じもした。
「ここで感動してください」と少し強く示されているように感じる場面もあって、そこは少し距離を置いて見てしまった。

面白かったけれど、私はもう少し人の矛盾や複雑さが残る作品のほうが好きなのかもしれない。

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つむ

4.0 写真に宿る時間が語る家族の想い【80点】

2026年8月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

楽しい

幸せ

家族写真を通して“つながり”の意味を静かに訴える温かな作品でした。
ユーモアを含んだ語り口と、写真に宿る時間の積み重ねが胸に沁みます。
黒木華さんと菅田将暉さんの繊細な演技が物語にやさしく寄り添い、静かな余韻がそっと心に残りました。
熊本の実家の家族写真が地震で行方不明になった記憶も重なり、少し複雑な気持ちにもなりました。

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はんべえ

3.5 ワイドショットがつくる童話

2026年7月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

これは秀作。しっちゃかめっちゃかみたいなふざけた話なのに、すぐれたショットと照明、手堅い演出のおかげでテレビドラマには転落せず、しっかり「映画」になりきっている。その秘密のひとつは何度も何度も現れるワイドショットの巧みな使い方じゃないだろうか。登場人物がシークエンスを開始するあいだに、ふっと遠い視点に引いてみせるのは、「写真」というものの第三者的視点を映画のなかで作り出しているんですね。それがあるから、テレビドラマにあふれかえる安手の感動ポルノにはならず、冷めた視点が担保されている。

二宮和也はあちこちでいつものジャニーズ演技を抜けきっていないが、いくつかのシーンでは驚くほどすぐれた力量をみせている。ジャニーズ事務所の横やりさえなかったら早い段階でもっと飛躍していたのでは…と思わせる出来映え。黒木華も絶妙の距離感。ほかの俳優陣も、いいですね。

脚本もおおむね破綻なくきれいに進んでいるけど、エンディング付近の「みんなの力で写真家に…」云々のナレーションなんかマジいらん。分かりやすくするつもりで、こういうしょうもないまとめを入れさせるのが日本の映画会社のダメなところ。ここさえなければ傑作になったかもしれないのに。

しかしこれがほとんど実話というのが驚き。『さかなのこ』と並んで「ウソのようなホントの話」映画の代表格だなあ。

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milou