劇場公開日 2020年10月2日

「前半は笑い、後半は感動系と綺麗にわかれた、実話ベースで写真家の人間模様を描いた作品。」浅田家! 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0前半は笑い、後半は感動系と綺麗にわかれた、実話ベースで写真家の人間模様を描いた作品。

2020年10月1日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

実在の写真家・浅田政志の写真集等を原案に作られた本作は「湯を沸かすほどの熱い愛」「長いお別れ」の中野量太監督作なので出来の心配はしていませんでしたが、期待通りでした。
前半は浅田家の成り立ちから、「主人公と写真」を中心に描かれています。
個人的に少し気になった点は、ある期間に主人公が久しぶりに家に戻ると腕に本格的なタトゥーが入ったりしています。フィクションもあるオリジナルストーリーとは言え、実話ベースで、後半にも関係するため、ある程度の背景説明があっても良かった気がします。
前半の最大の要は、(浅田政志本人によって撮られた再現度の高い)「コスプレ家族写真」でどれだけ興味を引くことができるのか、だと思います。

後半は、ガラッと変わり、「家族写真」で写真家として評価された主人公と、東日本大震災による津波で被災して家族や家を無くしてしまった人たちとの交流を描いています。
ここで菅田将暉が登場しますが、菅田将暉の「場に溶け込む演技」は新鮮でした。
二宮和也は終始ブレることなく自然体で演じ切っています。特に涙を流すシーンはバリエーションと共に流石の演技力でした。
黒木華や妻夫木聡の演技も良く安定感があります。これまでの中野量太監督作と同様に「壮大な物語」という訳でもないので、どこまで客層が広がるのか興味深いところです。

主人公が、家族や幼馴染に支えられて、本人のやりたいこと、やるべきことができていく成長物語でもあり、良質な作品であることは間違いないと思います。

細野真宏
ロコン君さんのコメント
2020年10月12日

それなです

ロコン君