東京物語
劇場公開日 1953年11月3日
解説
名匠・小津安二郎の代表作で、東京で暮らす子どもたちを訪ねた老夫婦の姿を通し、戦後日本における家族関係の変化を描いた不朽の名作。ローポジションやカメラの固定といった“小津調”と形容される独自の技法で、親子の関係を丁寧に描き出す。尾道で暮らす老夫婦・周吉ととみは、東京で暮らす子どもたちを訪ねるため久々に上京する。しかし医者の長男・幸一も美容院を営む長女・志げもそれぞれの生活に忙しく、両親を構ってばかりいられない。唯一、戦死した次男の妻・紀子だけが彼らに優しい心遣いを見せるのだった。
1953年製作/135分/日本
配給:松竹
スタッフ・キャスト
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2022年5月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
内容は、上京した老夫婦と家族達の姿を通して、家族の絆、親と子、老いと死、人の一生等々を冷徹な客観的視点で表現した作品。小津安二郎の畳の目が見える様な畳上30cmの煽り撮影は物憂げで生活感のある表現に親近感を覚える。印象に残った言葉は『東京はのう、人が多過ぎるんぢゃ』正直な感想が人が変わってしまう根本的な生活の変化に違和感なく感じてしまう恐ろしさであったり。『親孝行したい時に親は無し、せれとて墓に蒲団も着せられず』分かるけど行動に移さず結果後悔してから気付く人の業みたいなモノが心象のスケッチとして描かれて素晴らしいと思うばかりです。最後の紀子の台詞『私ずるいんです。ずるいんです』は主観的ではなく客観的で観客其々が相剋する矛盾に静かに光を当てられた様でドキッとします。静かな物語の中にも其々のキャラクターの作り込みがしっかりしているので、メリハリがついて共感も誘う様で素晴らしいと感じます。戦後間も無く訪れた変化に翻弄される人々と社会の移り変わりと共に心模様の移り変わりの対比は、全く時代が変わった今でも胸に詰り言葉にならない物語です。正に名作と言われる所以です。
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数ある映画の本やサイト、記事で名前の上がる映画はやはり面白いのだなと再確認できた作品。
現代のスピード感で考えると、頭の数分で鑑賞をやめてしまう人が多そうな、非常にゆっくりと進むストーリー。
しかし観ているうちいつの間にか登場人物に引き込まれ、終盤に呆気なく訪れた死別には、どんな映画よりもリアルさを感じ悲しくなりました。
2022年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
共感する引き出しがあまりに多くて,これは自分の家族を描いた映画ではないかと思ってしまうほどだった.昔酒癖が悪く母に迷惑をかけていたものの,人生の終盤に差し掛かり角が取れて好々爺然としている父親.ぼんやりと忘れものばかりしていて体の節々を痛めながらも献身的に働いている母親.両親よりも自分の利害を中心に計算して,見え透いた言動を繰り返す長女.自分の仕事を優先して,両親のことを軽視している私.映画を見ていて自分の姿と彼らの悲哀を感じて悲しくなるものだ.次の帰省の時には一緒にお酒を飲んで,何か大事なことを話すことができたらいいと思うのだけれど.
2021年12月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
何となく今まで見る機会がなかった。DVDも持っていたが。
この歳になるまで見てなくて良かった。この歳になり見て良かった。
ありがとうございます
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