東京物語

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東京物語
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解説

名匠・小津安二郎の代表作で、東京で暮らす子どもたちを訪ねた老夫婦の姿を通し、戦後日本における家族関係の変化を描いた不朽の名作。ローポジションやカメラの固定といった“小津調”と形容される独自の技法で、親子の関係を丁寧に描き出す。尾道で暮らす老夫婦・周吉ととみは、東京で暮らす子どもたちを訪ねるため久々に上京する。しかし医者の長男・幸一も美容院を営む長女・志げもそれぞれの生活に忙しく、両親を構ってばかりいられない。唯一、戦死した次男の妻・紀子だけが彼らに優しい心遣いを見せるのだった。

1953年製作/135分/日本
配給:松竹

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映画レビュー

5.0人類を説明している映画

津次郎さん
2020年7月11日
PCから投稿

個人的な認識ですが、小津映画といえば、役者がカメラをまっすぐ見据えて、ほとんど表情を変えず、まるで抑揚のないセリフ回しをする映画群のことです。ほとんど状況描写のない、世界中どこを探してもない、妙な映画たちです。
個人的にいちばん好きなのは戦前の「淑女何を忘れたか」だと思います。むろんソースがなくて未だ見ていない映画もありますが、腰位置のスタイルが完成する以前の映画のほうが好きかもしれません。ただ東京物語は別格です。

紀子(原節子)のセリフ「誰だってみんな自分の生活がいちばん大事になってくるのよ」が東京物語の白眉です。この言葉に集約された物語だと思います。

母の葬儀が終わると、実子らはとっとと東京へ戻ってしまいます。義子である紀子が残って、周吉(笠智衆)を甲斐甲斐しく世話します。
それを悪びれた次女(香川京子)が「ずいぶん勝手よ、言いたいことだけ言ってさっさと帰ってしまうんですもの」──「お母さんが亡くなるとすぐお形見ほしいなんて、あたしお母さんの気持ち考えたら、とても悲しうなったわ、他人どうしでももっと温かいわ、親子ってそんなもんじゃないと思う」と愚痴ります。
それを受けての紀子のセリフでした。「でも子供って大きくなるとだんだん親から離れていくものじゃないかしら……誰だってみんな自分の生活が~」
二人の会話は「いやねえ世の中って」「そう、いやなことばっかり」ということに帰結します。

だからといって、小津監督は家族のつながりなんて無情なもんだと言いたかったのではないはずです。
子が成長し、親元を離れ、生活基盤を据えてしまえば、それぞれの屈託をかかえて、とうぜん親子関係なんて疎遠にならざるをえません。誰だってそうです。そうならざるをえない社会のやるせなさや寂しさを、東京物語は描いているのだと思います。
でなければ、世界中の人々が、東京物語に共感する根拠がありません。ここにはひとつも無情なんて描かれていません。「孝行したい時分に親はなしや」「そうでんなあ、さればとて墓に布団は着せられずや」というセリフ通りの、遍く人間社会のモデルケースの話です。

私たちは、久々に故郷に帰ってきて、思いのほか老いてしまった父母の後ろ姿を見たときのような哀愁を、東京物語に見るのです。ほんのいっときにせよ父母への不孝にさいなまれるのです。その感慨には国籍がありません。だからIMDBが8.2なのです。本質を突いていることを、誰もが認めざるをえないのです。

宇宙探査機には、地球人がどんな生き物なのか、未知なる宇宙人に説明するためのSETI情報が備えられています。
もしその用途に映画を一本選ぶとしたら、私は東京物語だと思います。

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津次郎

4.5いい映画とはこういうものなのか。

いつこさん
2020年2月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

約70年前の映画だというのに、ものすごく感じるものがある。田舎の親が東京に訪ねてくるというシチュエーションもすごい。どうしたら思いつくの?出てくる台詞の一つ一つが響く。姉と兄は随分薄情に見えるが、なるほど次男の嫁が言う通り、こういうもんなんだろう。しかしお父さんの立場になってみるととてもとても切ないのだ。いわば他人の次男の嫁が一番よくしてくれるなんて。親は大切にしようと思った。

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いつこ

4.0人間の「生」

2019年12月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

知的

どんなに大切な人であっても、他のすべてより優先してその人との時間を過ごせるわけではない。
物語の中では、薄情だと思われることでも現実に生きているとそんなことは往々にしてある。
綺麗な心のまま大人になりたいという理想を静かに打ち砕くようなこの映画は、なかなか残酷だなと思った。

悪や正義のような対立はある領域においてはあるかもしれないが、「生」においてはヒーローも悪役もいない、ただ人が生きている時間がある。それは、尊いものである。

観る人によって様々な思いを抱く作品である。
観る人の年齢によっても感じ方が大きく違うのだろうなとも思える。
もう少し年をとった時、もう一度観た自分がどのように感じるのか楽しみである。

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ちゅーる

5.0圧倒的なリアリティ

2019年12月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

知的

小津安二郎監督の「紀子三部作」の3作目。

映画として気取ったり格好つけたり変にドラマチックな部分は無く、とても現実的で淡々として、それがある種残酷に見えたり、現実世界で目にする様な圧倒的なリアリティで人々の生活や人生があるがままに描かれていていた。諸行無常やあるがままというような悟りの境地にも近いような達観した奥深さがあり、感動を超え神々しさに似たようなものさえ感じた。

作品の完成度も驚くほど高く、無駄な飾りや雑な飾りはつけずに必要最低を深く味わわせるような、極限まで研ぎ澄まされ洗練された完全度の高さだった。至高という言葉が相応しく、「紀子三部作」の中でも一番の完成度の高さだと思った。

役者陣の演技も相変わらず素晴らしく、原節子の美しさも相変わらず圧倒的だった。次女役の香川京子の美しさも印象的だった。

「晩春」、「麦秋」に続きまたしても小津作品の持つ達観した奥深さに魅了された。あっという間の2時間だった。

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アントキのバンデラス
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