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「落下の王国 4Kデジタルリマスター」あらすじ・概要・評論まとめ ~旧作の新しさ、初めての感動と出会う幸運をぜひ掴んで欲しい~【おすすめの注目映画】

2025年11月20日 08:30

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「落下の王国 4Kデジタルリマスター」
「落下の王国 4Kデジタルリマスター」
© 2006 Googly Films, LLC. All Rights Reserved.

近日公開または上映中の最新作の中から映画.com編集部が選りすぐった作品を、毎週3作品ご紹介!

本記事では、「落下の王国 4Kデジタルリマスター」(2025年11月21日公開)の概要とあらすじ、評論をお届けします。


【「落下の王国 4Kデジタルリマスター」あらすじ・概要】
画像2© 2006 Googly Films, LLC. All Rights Reserved.

長編デビュー作「ザ・セル」で鮮烈なビジュアル世界を築き注目を集めたターセム監督が、2006年に製作した長編第2作。構想26年、撮影期間4年をかけて完成させたオリジナル作品で、CGに頼らず、13の世界遺産と24カ国以上のロケーションをめぐって撮影された壮麗な映像と独創的な世界観が話題を呼んだ。4Kデジタルリマスター版では、オリジナルの劇場公開版ではカットされた新たなシーンが追加されている。

舞台は1915年。映画の撮影中に橋から落ちて大怪我を負ったスタントマンのロイは、病室のベッドで絶望の淵にあり、自暴自棄になっていた。そんな彼は、木から落ちて腕を骨折し入院していた5歳の無垢な少女アレクサンドリアと出会う。ロイは動けない自分の代わりに、アレクサンドリアに薬剤室から自殺用の薬を持ってこさせようと考え、彼女の気を引くために即興の冒険物語を語り始める。それは、愛する者や誇りを失い、深い闇に沈んだ6人の勇者たちが力を合わせて悪に立ち向かう壮大な物語だった。

ターセムが私財を投じて挑んだ自主製作映画で、デビッド・フィンチャースパイク・ジョーンズが製作をサポート。「ドラキュラ」でアカデミー衣装デザイン賞を受賞し、「ザ・セル」でもターセムと組んだ世界的デザイナーの石岡瑛子がコスチュームデザインを担当。


●旧作の新しさ、初めての感動と出会う幸運をぜひ掴んで欲しい(筆者:川口敦子)
画像3© 2006 Googly Films, LLC. All Rights Reserved.

先日、レオス・カラックスの呪われた快作「ポンヌフの恋人」4Kリマスター版を試写で見た。忘れた筈もない、いくつもの視覚的記憶。それがほとんど凶暴といいたいような激しい美しさで畳みかけられる僥倖に身も心も新たな震えで満たされた。30年余り前、初めて出会った時とはまた別の感動を噛みしめながら時を置いて映画と、その作り手と出会い直すことの貴重さを改めて思った。

テレンス・マリック天国の日々」、デヴィッド・リンチストレイト・ストーリー」「インランド・エンパイア」、ジョン・カーペンターザ・フォッグ」、エドワード・ヤンヤンヤン夏の想い出」。思いつくままにあげてみたリバイバル上映される(された)レストア版、あるいはロベルト・ロッセリーニジャン=リュック・ゴダール新旧ふたつの「ドイツ零年」の再上映にしても、かつて胸打たれた映画の記憶を更新する貴重な機会として逃す手はないと断言してみたくなる(遅れて生まれてきた青年諸君の場合には旧作の新しさ、初めての感動と出会う幸運をぜひ掴んでと老婆心満載でいっておきたい)。

画像4© 2006 Googly Films, LLC. All Rights Reserved.

恥をしのんで付け加えればそうやって新たに出会うことをしてみる時、かつての自分がいかに傲慢に映画と向き合っていたかに気づき、舌かみ切って死んじゃいたい状態に陥ったりする場合もあるのでご用心!――というわけで「落下の王国」、2008年公開時に抱いたのはうーむ、なんだかなあという感触。その華麗なるヴィジュアル、壮麗なロケ撮影にばかり気を取られ、これは映画じゃない、無駄に大掛かりなMV、PVの類といった斜めの視線で片づけてしまっていた。うーむなのはこちらの方と今回、余計な先入観なしで見直した目には、かつてのわが目の濁りが否応なしに感知され恥ずかしくなる。

画像5© 2006 Googly Films, LLC. All Rights Reserved.

確かにベートーベン交響楽第7番第2楽章のほの明るく物憂げな調べを伴って各地の世界遺産を掬いとる映像の地に足つかない麗々しさは4Kレストアによっていっそう冴え冴えと目を撃ちもする。が、その地に足つかなさは、物語することの力という監督ターセムの真の主題に裏打ちされて空疎の誹りを免れるのだ。華麗なるビジュアルの背後にある少女とスタントマンとの“物語”を中にはさんだ出会い。眩しい陽光のLAにいながら共に負傷して病院の暗がりの中に閉じ込められたふたりが醸す別世界/物語の磁力、それゆえの非リアルな世界の壮麗さ。と、映画を支える二重構造に気づいてみればなるほどそこにこそ見どころがあったのだと遅すぎた覚醒と共に映画を吟味し直すことになる。そんなふうに新たに映画と出会ってみること。チャンスをどうぞ逃さないで!

※記事初出時、本文に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

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