ストレイト・ストーリー
劇場公開日 2000年3月25日
解説
アメリカ・アイオワ州に住む73歳のアルヴィン・ストレイトは、娘のローズと二人暮らし。ある日、10年来仲違いしていた76歳の兄ライルが心臓発作で倒れたという電話が入り、アルヴィンは兄に会いに行くことを決意する。ライルが住むウィスコンシン州までは560キロ。車で行けば1日の距離だが、何とアルヴィンは時速8キロのトラクターで旅に出た。
1999年製作/111分/アメリカ
原題:The Straight Story
配給:コムストック
スタッフ・キャスト
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2022年4月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD
ー アイオワ州の小さな町で暮らしている73歳の老人、アルヴィン・ストレイト。
ある雷雨の夜、10年仲違いしていた兄・ライル・ストレイトが倒れたという知らせが届く。
彼は兄に会うため、時速わずか8kmの芝刈り機に乗り、500キロ離れたウィスコンシン州、マウント・ザイオンに向かう旅に出る。芝刈り機に乗って・・。-
◆感想 <Caution! 内容に触れています。>
■私は、ロードムービーが大好きである。
- 今作でもアルヴィン・ストレイトが、兄の住む家に向かってトラクターを走らせている時に出会う様々な人々。多くは善性溢れた人間である。ー
・壊れたトラクターを修理する人々(とにかく、オンボロだから頻繁に壊れる。)の優しき対応。
・仕事に急いでいる女性の車が鹿にぶつかって、金切り声を上げている際にも、アルヴィン・ストレイトは”やれやれ、鹿を殺してしまったのだぞ・・”と言う表情で女性を見ている。そして、彼は鹿の角をトラクターに連結した荷台に飾る。
・妊娠五か月の若き女性との出会い。最初は彼女はトラクターの余りの歩みの遅さに
ヒッチハイクの親指を立てもしないが、夜アルヴィン・ストレイトの野宿に誘われ、ソーセージを振舞われる。そして、アルヴィンは焚火の前で、彼女に言う。
”成程、君の両親は怒るだろうね。けれども、君や赤ちゃんを失っても良いと思う程には怒らないよ・・。”そして、日本で言う”毛利家の三本の矢”と同じ話を彼女にするのである。
・車を飛ばせば、2時間程、いや3時間かな・・、の距離をトラクターで進むアルヴィン・ストレイト。途中、心配していた娘ローズに電話を掛けるシーンも彼の紳士的な態度が見て取れる。借りた電話に対し、キチンとお金を置いて去るのである。
そして、”乗せて行こうか・・”と言う親切な申し出にもやんわりと、”有難う、でも自分で行くよ・・”と答える。
私は、きっとアルヴィン・ストレイトは10年以上も前に些細な事で仲違いした兄に行く心構えをしているんだろうな・・、と思ったシーンである。
・第二次世界大戦で、心の傷を負った老人と、バーで交わす会話も滋味深い。
・そして、漸く着いた兄ライルの質素な家。”ライル!”と声を掛けると、待ちわびていたように、老いたライルが家の中から出てくる。
その表情には、蟠りは何もない・・。
<デヴィッド・リンチ監督作品はどれも好きだが、実話ベースのこのロード・ムービーも忘れ難い。私の好きなロードムービーの100本強の中の一作である。>
2022年3月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
劇場公開時鑑賞。
最初内容を知った時、「リンチ監督、何か変な物でも食べた?」とか「リンチ殿、ご乱心!」とか思ったです、すいませんすいません。
時速5マイルのロードムービーということで、アイオワとウィスコンシンは隣接してるし、飛行機なら1時間くらいでしょう。トラクターで何日もかけてなんて、バカじゃないのと言われても仕方がないかもしれない。まさか道中出会う人とのなんてことのない会話にこんなに心動かされるなんて。リチャード・ファーンズワースの魅力に尽きる。
次の出演作もぜひ観たいと思っていたのに…。この年自死してしまったのが何とも残念。
素直なロマンスとホッとする作品だった。
ふとした瞬間に思い出し久々に観たいと思った作品
2020年4月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
旅に出始めたのも束の間、直ぐに戻って来る羽目になる滑稽な場面に癒される。
道中出会う人々に助けられながら、無事に辿り着けるのか?お爺ちゃんを見守りながらの鑑賞。
ハリー・ディーンが、待ってるゾッ!シシー・スペイセクも心配だぁ。
デヴィッド・リンチが「エレファント・マン」以来に史実を基にした映画を「ロスト・ハイウェイ」と「マルホランド・ドライブ」の間に挟んで。
感動させるよりも淡々とシンプルに描いたD・リンチらしさ?が見え隠れしているような、まぁ普通の映画を普通に撮った感は否めない。
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