ストレイト・ストーリー

劇場公開日:

解説

アメリカ・アイオワ州に住む73歳のアルヴィン・ストレイトは、娘のローズと二人暮らし。ある日、10年来仲違いしていた76歳の兄ライルが心臓発作で倒れたという電話が入り、アルヴィンは兄に会いに行くことを決意する。ライルが住むウィスコンシン州までは560キロ。車で行けば1日の距離だが、何とアルヴィンは時速8キロのトラクターで旅に出た。

1999年製作/111分/アメリカ
原題:The Straight Story
配給:コムストック
劇場公開日:2000年3月25日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第52回 カンヌ国際映画祭(1999年)

出品

コンペティション部門
出品作品 デビッド・リンチ
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映画評論

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映画レビュー

5.0観てよかった

2023年10月21日
iPhoneアプリから投稿

優しくてゆったりしたBGM、胸をギュッとされつづける切なく暖かいロードムービーだった。

主人公も他もみな魅力的な人物しか出てこなくて嬉しかった。
娘のローズ、優しくて強い女性で愛らしかった。
奇妙なだけじゃなくて切なさ優しさ温かさを感じるのがデビッドリンチの魅力なのだなぁと、改めて気付かされました。

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ししまる

4.5歳をとって辛いのは若い頃の記憶があるからだ

2023年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

最初から最後まで、しみじみとした物語です。
その、しみじみの理由を知ることのできる映画です。

もう長くは生きていられないであろう老人が、数年前に仲違いした兄に会う決心をしたところから映画は始まる。小さなトラクターで行く道。さまざまな人との出会い。人生を考えさせられる。その時間が映画の中にもこちらにもある。その流れる時間がいい。「なんていい映画なんだ」と観終わっていつも思う。

誰でも老人になる。
若い記憶を持って。
人生をしみじみと思う。

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星組

4.5心温まるロードムービー

2022年9月18日
PCから投稿

温かみのあるエドワード・ホッパーの絵のような美しい映像、ゆったりとしながら全く飽きないストーリー展開。
毛利元就の三本の矢のような小話。
リンチ的な要素も少ないが、感じられる。

登場人物はトラウマや悩みを各々抱えていて、それが物語に深みを与えている。

トラウマとか心の傷を忘れようとするのではなく、ただそれらと向き合っていくほかない。
そんなメッセージをこの映画から受け取った。

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4.0【”10年疎遠だった病に倒れた兄を訪ねて時速8キロのトラクターにて、500キロを歩む。”デヴィッド・リンチ監督の盟友アンジェロ・パダラメンティのリリカルな音楽もこのロードムービーの趣を高めています。】

2022年4月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

知的

幸せ

萌える

ー アイオワ州の小さな町で暮らしている73歳の老人、アルヴィン・ストレイト。
  ある雷雨の夜、10年仲違いしていた兄・ライル・ストレイトが倒れたという知らせが届く。
  彼は兄に会うため、時速わずか8kmの芝刈り機に乗り、500キロ離れたウィスコンシン州、マウント・ザイオンに向かう旅に出る。芝刈り機に乗って・・。-

◆感想 <Caution! 内容に触れています。>

■私は、ロードムービーが大好きである。
 - 今作でもアルヴィン・ストレイトが、兄の住む家に向かってトラクターを走らせている時に出会う様々な人々。多くは善性溢れた人間である。ー

  ・壊れたトラクターを修理する人々(とにかく、オンボロだから頻繁に壊れる。)の優しき対応。

  ・仕事に急いでいる女性の車が鹿にぶつかって、金切り声を上げている際にも、アルヴィン・ストレイトは”やれやれ、鹿を殺してしまったのだぞ・・”と言う表情で女性を見ている。そして、彼は鹿の角をトラクターに連結した荷台に飾る。

  ・妊娠五か月の若き女性との出会い。最初は彼女はトラクターの余りの歩みの遅さに
ヒッチハイクの親指を立てもしないが、夜アルヴィン・ストレイトの野宿に誘われ、ソーセージを振舞われる。そして、アルヴィンは焚火の前で、彼女に言う。
 ”成程、君の両親は怒るだろうね。けれども、君や赤ちゃんを失っても良いと思う程には怒らないよ・・。”そして、日本で言う”毛利家の三本の矢”と同じ話を彼女にするのである。

  ・車を飛ばせば、2時間程、いや3時間かな・・、の距離をトラクターで進むアルヴィン・ストレイト。途中、心配していた娘ローズに電話を掛けるシーンも彼の紳士的な態度が見て取れる。借りた電話に対し、キチンとお金を置いて去るのである。
  そして、”乗せて行こうか・・”と言う親切な申し出にもやんわりと、”有難う、でも自分で行くよ・・”と答える。
  私は、きっとアルヴィン・ストレイトは10年以上も前に些細な事で仲違いした兄に行く心構えをしているんだろうな・・、と思ったシーンである。

  ・第二次世界大戦で、心の傷を負った老人と、バーで交わす会話も滋味深い。

  ・そして、漸く着いた兄ライルの質素な家。”ライル!”と声を掛けると、待ちわびていたように、老いたライルが家の中から出てくる。
  その表情には、蟠りは何もない・・。

<デヴィッド・リンチ監督作品はどれも好きだが、実話ベースのこのロード・ムービーも忘れ難い。私の好きなロードムービーの100本強の中の一作である。>

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NOBU
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