ポール・トーマス・アンダーソン監督作品の名演技ランキングが話題
2025年9月30日 22:00
(C)2025 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.ポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作「ワン・バトル・アフター・アナザー」の公開を記念し、米TheWrapが同監督作品における最高の演技15選をランキング形式で発表した。10作品にわたる監督のキャリアから選ばれた名演技の数々は、改めてアンダーソン監督の演出力の高さを物語っている。
栄えある1位に輝いたのは、ダニエル・デイ=ルイスの「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」での演技だった。TheWrapは「デイ=ルイスは登場人物を神話的な存在として演じている。彼の行動のほとんどには、より多くを求める欲望以外に論理や感情が存在しない」と評価。石油採掘業者を演じたデイ=ルイスの圧倒的な存在感について、「アメリカ映画の真の主人公であり、貪欲と蓄積の化身」と絶賛している。
2位にはトム・クルーズの「マグノリア」での演技がランクイン。「今日のトム・クルーズがこのような演技をするのは想像しがたい」としながら、「クルーズのキャリアで最も優れた演技の一つ」と高く評価した。同サイトは、クルーズが映画スターとしてのペルソナを脱ぎ捨て、複雑で醜い一面を持つキャラクターに完全に没入したパフォーマンスを称賛している。
3位にはアダム・サンドラーの「パンチドランク・ラブ」での演技が選ばれた。社会不安を抱える起業家を演じたサンドラーについて、「サンドラーは完璧にすべての音符を奏で、この苦悩するキャラクターの全容を示している」と分析。「サンドラーなしには、この映画は成り立たない」と断言している。
注目すべきは、最新作「ワン・バトル・アフター・アナザー」から2人の俳優がランクインしたことだ。12位にレオナルド・ディカプリオ、10位に新人女優のチェイス・インフィニティが選ばれている。
ディカプリオについて同サイトは「かつて永遠に若々しいスターだったレオが、娘を持つ父親の役への転換を果たしている」と評価。「ディカプリオは彼の輝かしいキャリアの中でも最も感動的で楽しい演技の一つを見せている」としている。
一方、チェイス・インフィニティについては「映画スターだ」と断言。「彼女のスクリーンタイムはディカプリオやショーン・ペンに匹敵しないかもしれないが、物語の多くが彼女の肩にかかっている。彼女の演技、特に映画が最終幕に入る際の演技は圧倒的だ」と新人離れした演技力を絶賛した。
ランキングには他にも、「ザ・マスター」のホアキン・フェニックスとフィリップ・シーモア・ホフマン、「ファントム・スレッド」のビッキー・クリープスとレスリー・マンビル、「マグノリア」のメローラ・ウォルターズなど、アンダーソン監督作品を代表する名演技が名を連ねている。
アンダーソン監督は「ブギーナイツ」「マグノリア」「パンチドランク・ラブ」など、群像劇的な要素を持つ作品を多く手がけ、脇役に至るまで印象的なキャラクターを創造することで知られている。TheWrapも「PTA作品のランキングを作ることは愚か者の仕事のように感じられる。このランキングが2倍の長さであっても、監督の10作品に見られる驚異的な演技と魅力的なキャラクターのすべてを収めることはできないだろう」と評している。
寡作で知られるアンダーソン監督だが、その一作一作から生み出される名演技の数々は、映画界における彼の特別な地位を改めて印象づけている。
1位:ダニエル・デイ=ルイス(「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」)
2位:トム・クルーズ(「マグノリア」)
3位:アダム・サンドラー(「パンチドランク・ラブ」)
4位:レスリー・マンビル(「ファントム・スレッド」)
5位:フィリップ・シーモア・ホフマン(「ザ・マスター」)
6位:アラナ・ハイム(「リコリス・ピザ」)
7位:フィリップ・ベイカー・ホール(「ハードエイト」)
8位:メローラ・ウォルターズ(「マグノリア」)
9位:ビッキー・クリープス(「ファントム・スレッド」)
10位:チェイス・インフィニティ(「ワン・バトル・アフター・アナザー」)
11位:ホアキン・フェニックス(「ザ・マスター」)
12位:レオナルド・ディカプリオ(「ワン・バトル・アフター・アナザー」)
13位:ジョン・C・ライリー(「ブギーナイツ」)
14位:ブラッドリー・クーパー(「リコリス・ピザ」)
15位:ドン・チードル(「ブギーナイツ」)
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