ザ・マスター

ALLTIME BEST

劇場公開日:2013年3月22日

解説・あらすじ

ポール・トーマス・アンダーソンが「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(2007)以来5年ぶりに手がけた監督作。第2次世界大戦直後のアメリカを舞台に、爆発的に信者を増やしていった新興宗教の教祖とその弟子となった男の関係を描き出す。

第2次世界大戦が終結し、赴任先からアメリカへ戻ってきた帰還兵のフレディ・クエルは、戦地ではまったアルコール依存症から抜け出せず、社会生活に適応できずにいた。そんなある日、フレディは「ザ・コーズ」という宗教団体の指導者で、信者から「マスター」と呼ばれているランカスター・ドッドに出会う。ドッドは独自のメソッドで人々を悩みから解放し、フレディもドッドのカウンセリングで次第に心の平静を取り戻していく。ドッドは行き場のないフレディをかたわらに置き、2人の絆は深まっていくが……。

主演はホアキン・フェニックスとフィリップ・シーモア・ホフマン。2012年・第69回ベネチア国際映画祭で銀獅子(監督)賞、男優賞を受賞。

2012年製作/138分/R15+/アメリカ
原題または英題:The Master
配給:ファントム・フィルム
劇場公開日:2013年3月22日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第70回 ゴールデングローブ賞(2013年)

ノミネート

最優秀主演男優賞(ドラマ) ホアキン・フェニックス
最優秀助演男優賞 フィリップ・シーモア・ホフマン
最優秀助演女優賞 エイミー・アダムス
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(C)MMXII by Western Film Company LLC.

映画レビュー

4.5 心理療法としての宗教

Uさん
2026年5月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

知的

斬新

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U

3.5 「ポール・トーマス・アンダーソン監督の6作目は今までと大きく変化した映画になっていた」

2026年5月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

斬新

 PTAの6作目はあきらかに前5作から大きく変化した。今までの作品は、役者の個性を引き出す巧妙な脚本の構成力が主体になっていた。しかし本作は脚本の構成力のうまさをいかしながらも、役者へのあくなき演出力のこだわりとカメラアングルの鋭さ、スピード感あふれるカメラワークに大きな変化があった。

 第二次世界大戦の復員兵フレディ。アルコール依存症にかかり精神が破綻していた。そして流れ着いたようにマスターと出会う。マスターは独自の哲学とメソッドによって悩める人々の心を解放し支持者も多く自らの団体を運営している。

 フレディはマスターの指示を受け、過去に戻る療法をおこない、フレディは夢にまで見た妄想を見る。それ以降フレディはマスターに精神的に支配され、マスターのもとを離れなくなる。人間を支配する、される恐ろしさ。自分自身が他人に乗っ取られ、自分でいられなくなる。しかし支配されている人間は感じない、盲信の恐怖を表現している。

 PTAが本作で求めた役者へのあくなき演出は、ホアキン・フェニックスの怪演に如実に表れていた。言葉では形容しがたい支配された人間の狂気をはらんだ演技には恐怖心すらおぼえた。ホアキン・フェニックスの演技を引き出したのが、マスター役のフィリイプ・シーモア・ホフマンの演技だ。カルト教の教祖である彼がフレディをじわじわ支配していく凄味がある。そしてマスターの妻ペギーの存在が大きい。マスターをもフレディも支配する、ペギーはマスターの運営する団体を支配する影の支配者なのだ。このPTAの脚本構成力の巧みさがしっかりと描出されているので、マスターもフレディもペギーの操り人形として滑稽な人間として表現されている。

 フレディが猛スピードでバイクを疾走するシーンは、カメラが同じスピードで移動する。このようなカメラの使い方は、PTAの映画で初めて見た。デビュー作から撮影を担当していた、ロバート・エルスウィットからミハイ・マラメイヤ・JRに変わっていて、新たなカメラアングルの妙も加えてPTAの映画は動的カメラを得ていた。

 しかしPTAはこのカメラをあまり気に入らなかったようだ。次作のカメラは再びロバート・エルスウィットが担当したからだ。そして「リコリス・ピザ」「ワン・バトル・アフター・アナザー」では、共同で自らカメラを担当している。この映画からPTAはカメラと言う重要なピースを新たに得たのだ。

 フレディはバイクで疾走した後マスターの前から姿を消した。以前夢見た妄想の世界、故郷を訪れる。しかしそこに幸福は待っていなかった。マスターに呼ばれイギリスまで行くが、フレディはマスターのもとを去る。支配されないフレディは自分を取り戻していく。人生とは自分で選択し、生きていくものという、PTAの声が聞こえてくる。

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かな

2.0 フィル目当てで鑑賞。ホアキンの精神病気質の演技がどうも生理的に受け...

2026年1月4日
Androidアプリから投稿

フィル目当てで鑑賞。ホアキンの精神病気質の演技がどうも生理的に受け付けない。フィルの無駄使い。
新興宗教の闇を描いているわけでもなく、ふたりの男が引かれ合っている様子を描きたかった?マスターがホアキンをなぜ必要なのかが?でした。
エイミー・アダムスはいつも通りの仕事ぶり。
フィルの息子役(シビル・ウォーに出てた金髪)とマット・デイモンとフィルは系統が似てる。ラミ・マレックも出てた。
長い。

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夢

4.5 ホアキンの演技に終始惹かれっぱなし。

2024年8月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

これはほんと観て良かった。
このホアキン・フェニックスの演技を観てないのは勿体なかった。
今年2024年で観た作品で、これが1番になりそうだな。

最近はずっとRyan Gosling祭だったのに、急にホアキンの演技が観たくなって最近観てるけど...やあ......すごい。単純すぎる褒め言葉だけど、ほんとにすごいとシンプルに「すごい」だけ言っちゃうんだな。

約2時間、頭から最後までホアキン演技に夢中だった。
なんで?なんであんなに惹きつけられるのか?
なんだろな、集中してるからなんだろうな。自分のことに。
だから、見やすいんだろうな。見てしまうんだろうな。
媚びてない。自分のやるべきことに全身全霊を傾けてる姿、それを見てる側も集中させられる。

周りの何かによって、自分の集中がブレることはないというか。
当てはまるいい言葉が出てこないんだけど
何かに集中してる人を見れるって、人にいい効果をもたらしてる気がする。
スポーツを見てるような。集中しているアスリートを見てるような。
見てるこっちも一緒に集中できてる。
映画なら必ずしも集中できるわけではない。
中には集中が途切れる作品もあるわけで。
だからこういう、最初っから最後まで集中させてくれる作品に出会えるとすごく嬉しい。

ホアキンフェニックスがとにかく終始すごかった。
どうすごかったんだろう。
最初はココナッツ割ってるシーンから。あそこでもう惹きつけられてる。
どういう人間なんだ?と、登場した瞬間に興味がわいてる。
そこからずーーっと。ずーーーっとこの人間に興味が湧いてしまう。
めちゃくちゃ生きてる。フリじゃない。ホアキンフェニックスでもない。
このフレディという人間が生きてた。動いてた。
猟奇的であり、野犬のような荒々しさ獰猛さ。
従順さ、悲しみ、トラウマも持っている。ときにとても切ない顔をする。
笑ったり怒ったり泣いたり。
悪い、どうしようもないヤツのようで、なぜか放って置けない不思議な魅力もあって。
こんな人間をどうやって役作りしたんだ?できるんだ?なれるんだ?

この映画で鍵となるフレディの特性って
怒り悲しみトラウマ不安、いろんなネガティブなものを抱えているけど、弱っていく・無気力になっていくのではなく、フレディーの場合、生きる力、パワー、マグマみたいなものがすごくあることだ。
だから見てるとすっごいエナジー、生きてるエネルギーを感じる。

そういうところに、マスターは惹かれたのだろう。
だから彼をそばに置いていたのだろう。
どうしようもないとこがあるんだけど、彼フレディから感じるエネルギーをスルーすることはできなかったんだろう。
まるで獰猛な犬を辛抱強くしつけしているかのようだった。
手がやける。でも愛情がある。

この作品のあらすじ・説明文には「マスターの右腕までのぼりつめた」と書いてあったから、「有能で頭が切れる敏腕」みたいなイメージをしてたけど全然違った(笑)右腕、というか....舎弟、みたいな感じかも。

印象的なシーン、いっぱいあったなあ。
印象的すぎて笑ってしまったり。
なんかまだこんなに映画を見て新鮮に驚けたり、興味を惹きつけられたりできる作品があることが嬉しい。

・牢屋シーン
刑務所に連れてこられて引きづられてるところからもうすっごい始まってる。で牢屋に入った瞬間にベットのカバーか何かを食いちぎる。
そして便器を蹴り壊し、二段ベット?みたいなのの上段を下から背中でバンバンバンバン持ち上げる。ずーーっと。怒りクレイジー獰猛爆発。
あれすーごいエネルギーだった。見ちゃう。

・バイクシーン
マスターから次フレディやってみろと言われ乗る。
すごいスピードで走り続けるフレディ。
マスター心の中:すごいスピード出してんな、あいつやるなあ。,,,あれ、もしかしてあいつ...おい....ど、っこまで行くねん「フレディーーーー!!!」
のこの流れ、マスターのフレディー叫ぶところまでの流れが笑ってしまう。
おそらく視聴者みな、フレディがバイクに跨った瞬間から「おいおいフレディに乗せたらダメだって。絶対なんか起きるよ、知らないよ、やらかすよ」って思いがあるから、そうなるわな!で笑っちゃったと思う。

・ようこそフィラデルフィアへ
玄関で出迎えてきた人、あれ...ローラダーンじゃね?...声だけのシーン...喋ってる...この喋り方ぜったいローラダーンだ....ローラダーンだったらめっちゃこの作品合ってるわ!って胸高鳴った次の瞬間、ローラダーンがバーンと映ったからめっちゃニヤけた。最高だ配役。
ローラダーン主演ドラマ「ENLIGHTED」を思い出す。内容的にも。

・アリゾナ?で写真撮影
ピント合ってるのか?のシーン
3、2、1でシャッターを切る瞬間の、めっちゃ笑顔、すごい愛嬌ではにかむホアキンの姿、佇まい。数回巻き戻して見た。

・ラストの方、イギリスでマスターと対話
自由なんだ、自由気ままに生きていい。マスターの下につかなくていい。
マスターがいない人生を歩め。
過去生で一緒にパリで働いていた話。
そんな話をして、最後にマスターが歌う。
それを聞いて涙するフレディ。ここの一連の表情が、なんとも...素晴らしい。「人間」の味がしみ出てる感じ。人間の味がめちゃくちゃしてる。

もうほんとに、ストーリーということに触れる前に
この映画におけるホアキンフェニックスの演技を取り上げることに精一杯になってしまう。むっずかしい役だよほんと。複雑な役。演じ切ってるよ、すごいほんと。
マスター役を演じたフィリップ・シーモア・ホフマン、彼の演技も良かったなあ。

人と人との掛け合いのシーンを、ゆっくり静かに集中して見られる撮り方、演出の仕方は好きだったな。好みだった。
激しいところは激しく。味わうべきところはゆっくり味わわせてくれた。

p.s.
今作でのホアキン、細身だったなあ。身体仕上がってたなあ。顔もバッキバキ。無駄なものがなく、ホアキン作品の中でもキレキレなホアキンを見れた気がした。男前だった。男臭くて色気がめちゃくちゃあった。
シャツ、パンツスタイルもキマってた。

p.s.2
あのフレディが作ってたドリンク、一体何が入ってんの?笑
人間が飲めるものなの?笑

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cris