【劇場公開25周年】いまこそ再鑑賞したい「スター・ウォーズ ファントム・メナス」あらすじ・キャスト・トリビア
2024年5月2日 07:00
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「スター・ウォーズ ファントム・メナス」(エピソード1/1999)の劇場公開25周年を記念して、「スター・ウォーズの日」の前日にあたる5月3日から4日間限定で、全国25の劇場にて初の4K(字幕スーパー版)で特別上映される。
本作は、後に銀河を支配するシスの暗黒卿ダース・ベイダーが、辺境の惑星に住む貧しい少年アナキン・スカイウォーカーだった頃の物語。やがてアナキンの師匠となるオビ=ワン・ケノービや、アナキンがダークサイドに堕ちる一因となる最愛の妻パドメ・アミダラとの出会いが描かれ、「スター・ウォーズ」の歴史を語る上でも重要な1作となっている。
この記事では、あらすじ、キャスト、キャラクターなどをご紹介。社会現象を巻き起こした当時の様子や、作品に込められたメッセージなど、トリビア&裏話も解説する。
※この記事には、ディズニープラスで配信中の「スター・ウォーズ」シリーズのネタバレとなりうる箇所がありますので、未見の方は十分にご注意ください。
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遠い昔、はるかかなたの銀河系。辺境の惑星ナブーに対する通商連合の惑星封鎖が続くなか、ジェダイ・マスターのクワイ=ガン・ジンと、その弟子オビ=ワン・ケノービは、ナブーの女王パドメ・アミダラを救出する。その際、宇宙船に損傷が出たため、近くの惑星タトゥイーンに立ち寄り、修理を行うことに。そこで一行は、アナキン・スカイウォーカーという少年と出会い、特別な力を感じとる。その頃、謎の敵ダース・モールが、ジェダイ抹殺のために動いていた。
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●オビ=ワン・ケノービ/ユアン・マクレガー
●パドメ・アミダラ/ナタリー・ポートマン
●アナキン・スカイウォーカー/ジェイク・ロイド
●パルパティーン元老院議員/イアン・マクダーミド
●シミ・スカイウォーカー/ペルニラ・アウグスト
●シオ・ビブル/オリバー・フォード・デイビス
●パナカ隊長/ヒュー・クァーシー
●ジャー・ジャー・ビンクス/アーメッド・ベスト
●C-3PO/アンソニー・ダニエルズ
●R2-D2/ケニー・ベイカー
●ヨーダ(声)/フランク・オズ
●バローラム最高議長/テレンス・スタンプ
●ボス・ナス/ブライアン・ブレッスド
●ワトー/アンドリュー・セコンブ
●ダース・モール/レイ・パーク
●セブルバ/ルイス・マクリード
●ウォルド/ワーウィック・デイビス
●ヌート・ガンレイ/サイラス・カーソン
●リック・オーリー/ラルフ・ブラウン
●メイス・ウィンドゥ/サミュエル・L・ジャクソン
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●日本公開日:1999年7月10日
●全米公開日(3D版):2012年2月10日
●日本公開日(3D版):2012年3月16日
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本作は、「スター・ウォーズ ジェダイの帰還」(エピソード6/83)以来、16年ぶりの新作として劇場公開された。しかも、“続き”ではなく“はじまり”を描くという内容に、世界中のファンが期待に胸躍らせた(ちなみに、ジョージ・ルーカスが監督を務めるのは、「スター・ウォーズ 新たなる希望」<エピソード4/77>以来)。まさに社会全体を巻き込む、20世紀最後のビッグイベントだったのだ。
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そのため、本作は全米封切日を水曜日に設定するという、当時としては異例の措置がとられた。これは公開初日に、熱狂的なファンが殺到すると見込み、その代わり週末には、ファミリー層が混雑を避けて鑑賞できるようにする配慮だった。
また、「水曜日に会社を休んで映画館に行く」というファンが予想以上に多かったため、トラブルや混乱を防ぐために、映画公開日を臨時休業にする企業も少なくなかった。特にハリウッド大通りに位置し、ファンにとって聖地ともいえるグローマンズ・チャイニーズ・シアターには、公開の1カ月以上前からファンによる長蛇の列ができた。日本でも大規模なプレミア試写会が行われ、公開当日には、コスプレしたファンが映画館に殺到。最終的な国内興収は127億円を超えた。
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「May the Force be with you.(フォースと共にあらんことを)」とともに、「スター・ウォーズ」シリーズで頻繁に登場するセリフが、「I Have a Bad Feeling About This.(嫌な予感がする)」だ。本作では、オビ=ワンがこのセリフを担っている。
シリーズを通して、同じセリフの反復をはじめ、師弟関係、家族愛、善悪のバランスといった一貫するテーマを、シチュエーションやアレンジを変えながら繰り返し登場させ、劇的な効果を狙うのは、ルーカスが古今東西の神話を研究し尽くし、「スター・ウォーズ」の世界観の下敷きにしているから。その神話的な話法も、長年にわたり、「スター・ウォーズ」ファンを魅了し続ける理由と言える。
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ダース・モールとは、邪悪なダース・シディアスに訓練された、恐るべき戦闘能力を持つシス卿。ダブルブレードのライトセーバーで敵を恐怖に陥れ、ジェダイたちに容赦ない攻撃を仕掛けた。
その圧倒的な存在感で、いまや、ダース・ベイダーに次ぐ人気ヴィランとして認知されているダース・モールだが、本作での登場シーンは、およそ8分間。セリフは「タトゥイーンは人口が少ない、逆探知は簡単です」「我々が姿を現して、ジェダイに念願の復讐を!」「はい、マスター」の3個だけだった。
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物語の終盤、クワイ=ガンを倒したダース・モールは、オビ=ワンとの激闘に破れ、命を落としたと見られていたが、アニメシリーズ「クローン・ウォーズ」シーズン3で復活。「ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー」(2018)では犯罪組織を率い、アニメシリーズ「反乱者たち」では銀河帝国転覆を目論み、追われる身となる姿が描かれている。
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本作が公開された当時、ファンの間で議論を巻き起こしたのが、ミディ=クロリアンの存在だった。ミディ=クロリアンとは、あらゆる生命体の細胞に生息する微生物。ざっくり言うと、この数値が高ければ高いほどジェダイの資質があるとされ、アナキンのミディ・クロリアン値は20000を超えていた。これは、あのヨーダをはじめ、多くのジェダイ・マスターをはるかにしのぐ数値だったが、そもそもジェダイの資質が、遺伝的な数値で判断されてしまうことには、不満や戸惑いの声も飛び交った。
ルーカスとしては、フォースに影響を受けやすい人、そうではない人がいることを説明する意図があったようだが、それ以上に注目したいのは、クワイ=ガンの言葉。彼はミディ・クロリアンについて「あらゆる生命体の細胞がもつ小さな生命体だ。共生生命体だ。互いに支えながら共存している」と語っており、本作が、共生と調和についての物語だと示唆している。
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「スター・ウォーズ ファントム・メナス」(エピソード1)が、共生と調和についての物語であることは、物語の終盤で繰り広げられるナブーの戦いからも見てとれる。シスの暗黒卿ダース・シディアスが操る通商連合による惑星ナブーへの武力侵攻に対し、都市部に暮らすナブー人と、同じ惑星に暮らしながら長年対立していたグンガンが和解を果たし、“共生社会”の一員として共闘するのだ。異なる種族が力を合わせ、友情を育み、対等な関係を築き上げる。そんな現代社会にも通じるメッセージが、物語に込められている。
本作が公開された1999年は、「マトリックス」「シックス・センス」「ファイトクラブ」といった、当時勢いに乗る俊英監督の作品群が、新たなトレンドとして支持を集める一方で、「スター・ウォーズ ファントム・メナス」(エピソード1)には賛否両論が寄せられた。あれから25年、「エピソード1で初めて、スター・ウォーズに触れた」というファンも増えるなか、神話的な話法と現代的なテーマが融合した本作は、いまこそ再評価したい作品だといえる。
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本作には、名作SF映画にまつわるイースターエッグがちりばめられている。1つ目は、スティーブン・スピルバーグ監督の「E.T.」。惑星コルサントで開かれた緊急議会のシーンにて、議会の参加者としてE.T.の姿が確認できる。当初は1カットだけの予定だったが、その映像をルーカスがスピルバーグに見せた際に「小さい」と言われて、少しだけ大きく映ったもう1カットが追加されたという。
また、ジェダイ評議会で、アナキンをジェダイとして修行させることが却下された後のシーンでは、リドリー・スコット監督の「ブレードランナー」に登場する乗り物が飛んでいる。これは「ブレードランナー」の冒頭部分で、ミレニアム・ファルコンが見えることに対する“お返し”だ。
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惑星タトゥイーンでワトーが営む中古部品店には、「2001年宇宙の旅」のEVAポッドが無造作に置いてある。どのシーンも一瞬なので、ディズニープラスの鑑賞で確認するのも、ひとつの楽しみ方だ。
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