【計11作品】アカデミー長編アニメ賞に輝いたピクサー作品まとめ 「マイ・エレメント」受賞の行方は?
2024年3月9日 09:00
この夏、「インサイド・ヘッド2」の公開を控えるピクサー・アニメーション・スタジオ。数々の名作を世に送り出すピクサーといえば、2001年に設立されたアカデミー長編アニメーション賞を最も多く受賞しているスタジオとしても知られています。その数、なんと11作品。どれも、“もしも”に基づく独創的なシナリオ、個性的で愛すべきキャラクター、最新鋭のCG技術と思わず心躍る音楽といった、ピクサーらしさが光る傑作ばかりです。
ちなみに、ピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーも務めるピート・ドクター監督は、「カールじいさんの空飛ぶ家」「インサイド・ヘッド」「ソウルフル・ワールド」の3作品が長編アニメーション賞に輝いており、監督として最も多く同賞を受賞しています。この記事では、ドクター監督の作品も含め、オスカーを獲得したピクサー作品11本(ディズニープラスで配信中)を紹介します。
過去の悲しい出来事が原因で、カクレクマノミのマーリンは、息子のニモを過保護に育てていた。しかし、ある日、ニモが人間のダイバーに捕まる。ニモを必死で追うマーリンは、唯一の手がかりを知る“忘れんぼう”なナンヨウハギのドリーとともに、大海原へと旅立つ。
スーパーパワーを持った正義のヒーローたちが、ある事故をきっかけに、政府によって活動を禁止された世界。元人気ヒーローのMr.インクレディブルで、いまは保険会社に勤めるボブは、同じくスーパーパワーを持つ家族に内緒で、極秘任務に向かうが、そこには巨大な陰謀が待ち受けていた。
抜群の味覚と天才的な料理のセンスを持ったネズミのレミーは、ひょんなことから、パリの5つ星レストラン「グストー」に流れ着いた。シェフになる夢を実現させたいレミーは、料理が苦手な見習いシェフのリングイニと手を組み、愉快な騒動を巻き起こしていく。
ゴミだらけになった地球を人類が捨て去り、700年が過ぎた29世紀。地球にひとり置き去りにされたお掃除ロボットのウォーリーの目の前に、光り輝く最新型のロボット、イヴが現れた。ウォーリーはイヴに一目惚れし、イヴも好意を寄せ始めるが、イヴにはある秘密があった。
亡き妻との思い出が詰まった家が、再開発で取り壊されそうになったカールじいさんは、家に大量の風船をつけて大空に旅立つことを決意する。目指すは、妻と一緒に行こうと約束していた南米の秘境「パラダイスの滝」。しかし、離陸した家には、偶然居合わせた近所の男の子が乗っていた。
おもちゃの持ち主アンディの大学進学を機に、ウッディやバズらは、近所の保育園に寄付される。母親の手違いが原因だったが、当のおもちゃたちは「アンディに捨てられた」と意気消沈。ウッディは、ただひとりアンディを信じ、保育園からの脱出を試みる。
伝統に嫌気がさした王女メリダは、ある日、不思議な鬼火に導かれて、森の奥深くに住む魔女に「魔法で自分の運命を変えてほしい」と頼む。だが、古来より人間が森の魔法を使うことはタブーであり、メリダの願いが聞き入れられた代わりに、平和だった王国に呪いがかかる。
引っ越しを機に、慣れない新生活に悩む少女ライリー。そんな彼女を元気づけようと、彼女の頭の中の司令部では、「ヨロコビ」「カナシミ」「イカリ」「ムカムカ」「ビビリ」の感情が会議を開く。しかし、カナシミがライリーの大切な思い出を、悲しい思い出に変えてしまう。
家族の悲しい歴史が理由で、音楽を禁じられたギター少年のミゲルは、メキシコの祝日「死者の日」に、伝説的ミュージシャンの霊廟に飾られていたギターに触れ、死者の国に迷い込む。テーマパークのような楽しく美しいその場所で、ミゲルは先祖にまつわる驚きの真実を知る。
ウッディらの新しい持ち主ボニーが、フォークやモールで手作りしたおもちゃのフォーキーは、自分のことをゴミだと思い込み、ゴミ箱に逃げ出す。そんなフォーキーを連れ戻しに行ったウッディは、その帰り道に通りかかったアンティークショップで、かつての仲間ボー・ピープと再会する。
夢を実現させるチャンスを目前に、運悪くマンホールに落下した音楽教師のジョー。彼が迷いこんだ「ソウル(魂)」たちの世界は、ソウルたちが人間として現世に生まれる前に「どんな自分になるか」を決める場所で、そこには人間嫌いのソウル22番が何百年も暮らしていた。
そして、ピクサー作品として12本目のアカデミー長編アニメーション賞受賞が期待されているのが、「マイ・エレメント」(23/ピーター・ソーン監督)。公開後に各国レビューサイトやSNSで評判が広がった。「君たちはどう生きるか」「ニモーナ」「ロボット・ドリームズ」「スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース」とノミネートされた同賞の行方に期待が高まる。第96回アカデミー賞の授賞式は3月10日(現地時間)、米ロサンゼルスのドルビーシアターで行われる。
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2012年に逝去した若松孝二監督が代表を務めていた若松プロダクションが、若松監督の死から6年ぶりに再始動して製作した一作。1969年を時代背景に、何者かになることを夢みて若松プロダクションの門を叩いた少女・吉積めぐみの目を通し、若松孝二ら映画人たちが駆け抜けた時代や彼らの生き様を描いた。門脇むぎが主人公となる助監督の吉積めぐみを演じ、「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」など若松監督作に出演してきた井浦新が、若き日の若松孝二役を務めた。そのほか、山本浩司が演じる足立正生、岡部尚が演じる沖島勲など、若松プロのメンバーである実在の映画人たちが多数登場する。監督は若松プロ出身で、「孤狼の血」「サニー 32」など話題作を送り出している白石和彌。
若松孝二監督が代表を務めた若松プロダクションの黎明期を描いた映画「止められるか、俺たちを」の続編で、若松監督が名古屋に作ったミニシアター「シネマスコーレ」を舞台に描いた青春群像劇。 熱くなることがカッコ悪いと思われるようになった1980年代。ビデオの普及によって人々の映画館離れが進む中、若松孝二はそんな時代に逆行するように名古屋にミニシアター「シネマスコーレ」を立ち上げる。支配人に抜てきされたのは、結婚を機に東京の文芸坐を辞めて地元名古屋でビデオカメラのセールスマンをしていた木全純治で、木全は若松に振り回されながらも持ち前の明るさで経済的危機を乗り越えていく。そんなシネマスコーレには、金本法子、井上淳一ら映画に人生をジャックされた若者たちが吸い寄せられてくる。 前作に続いて井浦新が若松孝二を演じ、木全役を東出昌大、金本役を芋生悠、井上役を杉田雷麟が務める。前作で脚本を担当した井上淳一が監督・脚本を手がけ、自身の経験をもとに撮りあげた。
19世紀イタリアで、カトリック教会が権力の強化のために7歳になる少年エドガルド・モルターラを両親のもとから連れ去り、世界で論争を巻き起こした史実をもとに描いたドラマ。 1858年、ボローニャのユダヤ人街に暮らすモルターラ家に、時の教皇ピウス9世の命を受けた兵士たちが押し入り、何者かにカトリックの洗礼を受けたとされるモルターラ家の7歳になる息子エドガルドを連れ去ってしまう。教会の法に則れば、洗礼を受けたエドガルドをキリスト教徒でない両親が育てることはできないからだ。息子を取り戻そうとする奮闘する両親は、世論や国際的なユダヤ人社会の支えも得るが、教会とローマ教皇は揺らぎつつある権力を強化するために、エドガルドの返還に決して応じようとはせず……。 監督・脚本は、「甘き人生」「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」「シチリアーノ 裏切りの美学」などで知られるイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ。教皇ピウス9世役はベロッキオ監督の「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」にも出演したパオロ・ピエロボン。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。
娘・ダーシャの将来のため、暴力的な夫から逃れようとマッチング・サイトに登録したニーナは、アメリカで暮らす裕福な引退した外科医・カールと出会う。すぐさまロシアからアメリカへと渡った親子は、ささやかな結婚式を行い、幸せな生活を楽しみにしていた。しかし、結婚式の直後から、ニーナとダーシャに不可解な現象が次々と降りかかる。頼りにしていたニーナの親戚は結婚式の帰路で事故死し、ダーシャは屋敷の中で女の幽霊を見るようになる。そんななか、ニーナはカールがコカインを吸っているところを見てしまう。ダーシャの将来を考えやりきれなくなったニーナは、人里離れた屋敷から出ていくことを決意するが…。
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