「余命10年」感涙の舞台挨拶、クライマックスの秘話について あらすじ&キャストも紹介【金曜ロードショー放送】
2023年10月20日 21:00
日本テレビ系「金曜ロードショー」で、本日10月20日午後9時から「余命10年」が地上波初放送されます。
本記事では、あらすじ、キャスト&スタッフに加えて、製作秘話や舞台挨拶で起こった感動のひと幕を紹介。なお、劇場公開時には、主演の小松菜奈さん&坂口健太郎さんが映画.comのインタビューに応じています。その内容の一部も紹介! 初共演の感想や、藤井道人監督への思いを打ち明けています。
切なすぎる小説としてSNSを中心に反響を呼んだ小坂流加さんの同名恋愛小説を、「新聞記者」「最後まで行く」の藤井道人監督が映画化。「RADWIMPS」が、実写映画で初めて劇伴を手がけたことでも注目された。2023年3月に公開されると、「“また観たい”って初めて思った作品。全てが素晴らしかった……」「人の命と心に真摯に向き合う、実直で深い一人一人の感情を体験しました」など口コミが広がり、興行収入は30億円を超える大ヒットを記録した。
数万人に1人という不治の病に冒され余命10年を宣告された20歳の茉莉は、生きることに執着しないよう、恋だけはしないことを心に決めていた。ところがある日、地元の同窓会で和人と出会い恋に落ちたことで、彼女の最後の10年は大きく変わっていく。
本作の映画化には“並々ならぬ思い”が込められています。
著者・小坂流加さんは、大学卒業後、難病を発症しますが、長年継続してきた執筆活動に専念。文芸社に自費出版の持ち込みを行い、「余命10年」の書籍化が決定しました。2017年、文庫版の発売に向けて、校正を終えていましたが、小坂さんはその直後、この世を去ってしまいます。
小坂さんの遺した想いが詰まった小説を、実写映画として再び世に送り出す――。その任を託されたのが、藤井監督でした。
藤井監督「初めて『余命10年』を読んだとき、原作の小坂流加さんが生前に抱いていた『生きる』ということへの思いで溢れた小説だと思いました。普段見落としがちな四季折々の自然の変化や、主人公・茉莉と和人が過ごした日々は、まるで小坂さんが生きている時に思い描いていた『夢』だったようにも感じました。僕は、この作品を直感的に映画として残したいと強く思いました」
オファーを引き受ける際にこだわったのは「1年を通して撮影をすること」。その1年という期間に、劇中で流れる10年の歳月を当てはめていきました。
初共演となった小松さんと坂口さん。実はこのキャスティングには、藤井監督の“ある思い”がありました。それが「小松さんと坂口くんのコンビを単純に観客として見てみたかった」というもの。そんな2人の印象を、このように語っていました。
藤井監督「小松さんは言葉がなくても、物悲しさや嬉しさだったり、立っているだけで感情が伝わる俳優さんだなってずっと思っていて、いつかご一緒したいと思っていましたね。坂口くんは顔がタイプだったんですよ(笑)。彼の柔らかさって、自分が描きたい作品のトーンに凄く合っていて、都会に漂っているひとりの青年みたいな弱さというか、儚さがちゃんと感じられたんです」
ジャパンプレミアでは“涙”の一幕がありました。
映画上映後、ステージに登壇した小松さんは「今、見てもらった後ということで……どうだったかなと、ずっと気になっていたんですけど。この企画をいただいてから本当に……」と語るやいなや、その瞳から涙をこぼしました。そして、声を震わせながら、こんなことを語っていました。
「本当にいろんな物語があって。こうして完成できたこと、今ここに立っていることを本当にうれしく思いますし、感無量というか……。本当にこの1年、みんなで前を向いて生き続けたこの1年。映画『余命10年』がこれからたくさんの人の届いてほしいと心から願っています」
さらに公開記念舞台挨拶でも感動の瞬間が訪れました。小坂さんの家族から、映画化への感謝を込めた手紙がサプライズで披露されたのです。
「『家族の中で最後に生まれた私が、最初に死ぬなんてなぜ』と言われ、返す言葉が見つからないまま旅立たせてしまった娘の最後の姿が目に焼き付いておりますが、この映画のおかげで笑顔でいる姿に変わりました」
小松さんは、読まれる前から目を潤ませ、役作りで減量したことを気遣われるなど優しい手紙の内容に何度も涙を拭っていました。「メッセージはダメです……。その手紙コピーしてください、家宝にします」という言葉も。
そして小坂さんの故郷である静岡・三島を藤井監督と訪れたことを明かすと「この映画がより良いものになるようにと……願ってきました。本当にたくさんの方に届いているのが、心から嬉しいです。小坂家の皆さんが本当に優しくて、いつも傍で見守ってくれて、掛けてくれる言葉や優しさに背中を押してもらいました」と言葉に詰まりながらも話し、会場に小坂さんの家族も来ていることが伝えられると、深く頭を下げていました。
映画.comのインタビューでは、小松さんと坂口さんが藤井監督への思いを明かしています。
小松さんは、撮影初日の“面接のシーン”を振り返り「茉莉の緊張感、『もうダメだ……』という気持ちを、わかりやすく表現した方がいいのかなと思っていたんです。でも、その芝居を見た監督は『そんな風にわかりやすく出そうとしなくていい。僕たちがちゃんと撮るから大丈夫です』と仰ってくださったんです。それがとても印象に残っています」と語っています。
「内側にあるものをきちんと出せば、しっかりと撮ってくれる。そういう部分も、見てくださっている方なんだなと。言葉ひとつひとつも、その全てを声に出して言う必要はない。『人に当てるんじゃなくて、落としてみて』。セリフを発する際も、そういう言い方をされていました。私もそう考えているタイプなんです。セリフや会話を“張って言う”のは、あまり自然じゃない――これまでも、そんなことを感じてしまう瞬間があったんです。そういうことをわかってくれる監督でした」
坂口さんは「レベルの高いことを要求されていた」と振り返りました。
「ある意味、芝居を求められなかったと言いますか……和人としてカメラの前にいなければいけなかった。でも、それってすごく難しいんです。ただただ『和人として生きる』ということを撮られている。最初の打ち合わせの時『茉莉と和人の時間を、僕らが覗き見するような感覚で撮っていきたい』と仰っていたんです。最初は『そういう感じで撮るのか』と漠然とした感じで考えていたんですが、いざ撮られてみると『和人として、そこにいる』という難しさを実感しました。人の感情には、色んなパターンがありますよね。ワンテイクでOKが出る。これって格好良く聞こえるんですが、そこには怖さを感じることがあるんです。(リテイクをすれば)もしかしたら、違う方向性、異なる感情のニュアンスがあったんじゃないか。そうすれば芝居は変わります。監督は、そういう色々なパターンをすくいとってくれていました」
最後に、本作のクライマックスシーンに関する“秘話”をお届けします。桜並木を舞台にしたシーン――実は、坂口さんによれば「その時に映る表情は、いくつかのパターンを撮っていた」とのこと。
「希望に満ち溢れたもの。少しわだかまりを残した切ないもの。監督は『色々撮ってみますが、(映像を)繋いでみた段階で、一番良いと感じたものを使わせてほしい』と仰っていました。人生の心の中の感情は、その時によって本当にたくさんある。監督は、そのことを理解してくれていたような気がしています。“本当に生きる”ということを求められたんです。そのことを表現していくのは大変でしたね」
さらに、公開後に発表された“ネタバレあり”の特別インタビュー映像(https://youtu.be/fq8utT9akhs)では、こんな裏話も。画としては映っていませんが、現場では小松さんが茉莉として坂口さんの目線の先に立っていたのです。
小松さん「(坂口の)あの顔はモニターで見ても、この映画が素晴らしいものになったんだなっていう確信がすごくあって、そこにぐっときて。すごくいい一枚だなって思いました」
坂口さん「映像的には映らないけど、菜奈ちゃんが目線に立ってくれて茉莉がそこにいるのを見るだけで、勝手に和人として正解の顔になれた。すごく美しいシーンだなって思いました」
・11月3日 「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」※地上波初放送
・11月10日 「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」※地上波初放送
・11月17日 「ミラベルと魔法だらけの家」※本編ノーカット、初放送
・11月24日 「ノートルダムの鐘」※本編ノーカット
・12月1日 「プリンセスと魔法のキス」※本編ノーカット
・12月8日 「ズートピア」※本編ノーカット
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